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近畿中国森林管理局

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    「海岸林における駆除跡地の現地検討会」を開催しました

    令和7年11月17日(月曜日)、小松市に所在する安宅林国有林において、石川県内の県、市、林業事業体、地元自治会等を対象に、局・署職員も参加した海岸林におけるマツくい被害対策に対して、検討会の意見を次期計画に反映させるための現地検討会を開催しました。

    主催者石川森林管理署長あいさつ   安宅林国有林の事業実績を説明する首席森林官

     
     当署では、当国有林と、加賀市の加賀海岸国有林・浜山国有林の3つの海岸林を抱えていますが、いずれも数年前からマツ被害が急速に拡大し、毎年、薬剤散布によってマツ被害拡大防止を図っているにもかかわらず被害が収まっていない状態です。

      今回開催した現地検討会は、5つのブロックに分けて検討会を進めていき、まず、白砂青松の薬剤効果が高いブロック、植栽箇所と未植栽箇所の対比エリアブロックを参加者へ案内しました。

    林内視察(1)   林内視察(2)

     
     その後、意見交換を行うブロックへ進み、被害が著しいエリアへ到着しました。この場所は、遠方から目立つほどマツ枯れが拡大しており、被害木を駆除した後いかに施業を行うか検討会の主題である駆除跡地について、意見交換を行いました。被害を受けた抵抗性マツについて、参加者からは、抵抗性マツは被害を受けにくいが絶対枯れないということではないこと、道路からの距離により薬剤散布の効果について違いがあること、樹種転換の考え等についての意見がありました。

    駆除跡地の施業について意見交換

      
     次に、今年度地かきを実施し更新を予定しているエリアへ案内しました。生存しているマツを母樹として天然更新を見据え、更新が不確実な場合、植栽を考えているエリアであることを説明しました。母樹となるマツの数が少ないことからマツの天然更新が困難ではないか、海岸線から離れているため広葉樹の植栽も適しているとの提言がありました。地かき箇所も新たな作業道を新設し、いくつかの新たな地かきブロックが発生したことから、今後、ブロック毎に複数の樹種を植栽してはどうかとの意見が出されました。参加者からは、マツを見て育ってきたので、マツを復元してほしいとの意見もいただきました。

    更新方法について意見交換

     
     最後に、被害木の撤去によって長期間空洞化しているエリアへ案内しました。天然更新の見込みが薄く、植栽による更新は莫大な予算をつぎ込むことが予想されます。この地をいかに施業していくかの意見を募りました。石川県林業試験場からの参加者より、「マツを植栽しても防除が至らなければ枯れるため、広葉樹の樹種転換も含め地元の意見も聞きながら施業を行ってほしい。答えは一つではない。」との提言がありました。

    スポット地の施業について意見交換

     

     最後に局から参加の川浪次長から4項目の総括があり、(1)防風林として守る、(2)地域の景観を守る、(3)無理な植栽は防除が至らず被害増のリスクがある、(4)どのような森林としていくかのビジョンが必要と話されました。

    川浪次長による検討会の総括

     
     石川森林管理署では、今回の現地検討会での意見を活かしながら、次期森林計画での安宅林国有林の施業をより良いものとすべく管理運営を行って参ります。

    お問合せ先

    石川森林管理署

    ダイヤルイン:050-3160-6100
    FAX番号:076-222-6215