白神山地の自然
白神山地は、東アジアで最大の原生的なブナ林が広がる地域で、約12,000~8,000年前から北日本の丘陵や山地を覆っていた冷温帯のブナ林が残存しています。 地球規模の気候変動の歴史と雪の多い環境を反映した森林生態系は、植物群落の発達・遷移の過程を示すものであり、それに依拠する動物群落とあわせて、顕著な見本となっています。 動物群落としては、老齢林を含む多様な森林環境を必要とするクマゲラなどの鳥類、ニホンカモシカ、ツキノワグマなどの大型ほ乳類が生息しています。 |
ブナ
ブナは、東北地方の山岳地帯を中心に、南は鹿児島県の高隈山から北は北海道の黒松内まで広く分布しています。
世界遺産区域内のブナ(クマゲラの森)
春のブナ
ブナの幹のぬくもりが雪を溶かしています。溶けた水は山々を潤します。
ブナの花
ブナは風を利用して受粉する「風媒花」と呼ばれています。
4月下旬から5月上旬にかけて受粉した花は実を結びます。
ブナの雄花と雌花(左写真:雄花、右写真:雌花)
ブナの実生
地面に落下した種子から芽を出したブナは、まず子葉をひらきます。
クマゲラ
全長45cm程度のキツツキ目キツツキ科の鳥です。
全身が黒く、雄は頭部が鮮紅色。ブナ等の天然林にすみ、大木に巣穴を掘ります。ヨーロッパからアジア北部にかけて分布し、日本では北海道・東北地方に生息しており、天然記念物に指定されています。
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