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林野庁

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令和8年度 森林及び林業施策

概説

1 施策の重点

我が国の森林は、国土の約3分の2を占め、国土の保全、水源の涵(かん)養、生物多様性の保全、地球温暖化の防止、文化の形成、木材等の物質生産等の多面的機能を有しており、国⺠生活に様々な恩恵をもたらす「緑の社会資本」である。それらの機能を適切に発揮させていくためには、将来にわたり、森林を適正に整備及び保全していかなければならない。

また、適切に管理された森林から生産された木材を利用することは、森林整備の促進のみならず、⼆酸化炭素の排出抑制及び炭素の貯蔵を通じて、循環型社会の実現に寄与する。

このことから、森林・林業政策については、森林・林業基本計画を指針として、森林の有する多面的機能の発揮に関する施策、林業の持続的かつ健全な発展に関する施策、林産物の供給及び利用の確保に関する施策、国有林野の管理及び経営に関する施策、その他横断的に推進すべき施策、団体に関する施策を総合的かつ計画的に展開する。

具体的には、国産材供給体制の強化と森林資源の循環利用の確⽴に向けて、路網の整備・機能強化や搬出間伐、木材加⼯流通施設の整備等とともに、伐採と造林の⼀貫作業等による再造林の低コスト化に向けた取組や技能検定の円滑な実施による人材の育成・確保等を⽀援する。さらには、伐採・搬出の安全確保・生産性向上や造林の省⼒化等に向けた取組を推進する。適切な経営管理が行われていない森林については、令和8(2026)年4⽉施行の改正森林経営管理法(平成30年法律第35号)に基づき、森林経営管理制度及び森林環境譲与税を活用した適切な森林整備等を推進していく。

また、木材の利用拡⼤に向けて、木造公共建築物等や木質バイオマス利用促進施設の整備等の取組を⽀援することに加え、都市等における木材利用の促進を図るため、製材品や直交集成板(CLT)、木質耐火部材の技術開発・普及等を通じた建築物への利用環境整備の取組を⽀援する。

さらに、令和5(2023)年に決定された「花粉症対策の全体像」及び「花粉症対策 初期集中対応パッケージ」に基づき、令和15(2033)年度に花粉発生源となるスギ人⼯林を約2割減少させることを⽬指す「発生源対策」に加え、花粉⾶散防止剤の実用化等の「⾶散対策」に取り組む。

くわえて、「森林サービス産業」や企業による森林(もり)づくり活動など、人と森林の関係を深めるとともに、林業と相まって森林所有者に利益を生み出し、豊かな森林づくりにつなげる「森業(もりぎょう)」の取組を推進する。

国有林野においては、国有林野の管理経営に関する基本計画 (令和5(2023)年12⽉策定)に基づき、公益重視の管理経営を推進する。

このほか、気候変動に伴い激甚化・頻発化する気象災害や、南海トラフ地震等の⼤規模地震への対応に向けて、令和7(2025)年6⽉に閣議決定された「第1次国土強靱化実施中期計画」に基づき、森林整備や治山対策を⼀層推進するとともに、令和6年能登半島地震や令和7(2025)年2⽉の岩手県⼤船渡(おおふなと)市における林野火災、同年8⽉の⼤⾬等により発生した森林被害や山地災害の復旧整備を推進する。


2 財政措置

(1)財政措置

令和8(2026)年度林野庁関係当初予算においては、⼀般会計に非公共事業費約1,120億円、公共事業費約1,992億円を計上する。本予算において、

1)「森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策」として、

(ア)森林の集積・集約化に向けた、国有林による⺠有林と協調した森林整備や境界明確化等の実施や、林業・木材産業の生産基盤強化に向けた、川上から川下までの取組を総合的に⽀援する「森林集約・循環成長対策」

(イ)JAS構造材・CLT等を活用した木造化、合理的な木材価格の形成の促進、森林の様々な価値や機能の総合的な利活用により持続的かつ適正な森林管理を図る森業の推進等の取組を⽀援する「木材等の付加価値向上・需要拡⼤対策」

(ウ)林業への新規就業者の育成・定着、これからの林業経営を担う人材等の育成・確保に向けた取組等を⽀援する「森林・林業担い手育成総合対策」

(エ)スマート林業技術の導入環境整備、スマート林業機械・機器等の開発・実証など新技術の開発・実証や実装を⽀援する「スマート林業・DX推進総合対策」

(オ)森林の多面的機能の適切な発揮と山村集落の維持・活性化を図るための取組を推進する「森林・山村地域活性化振興対策」

2)間伐や主伐後の再造林、幹線となる林道の開設・改良、林野火災対策、クマ・シカ等対策等の推進に加え、花粉発生源対策としてスギ人⼯林の伐採・植替えや路網整備等を推進する「森林整備事業」

3)能登半島における複合災害等の教訓を踏まえた短期間でより多くの箇所の安全性を向上させる応急対策の強化や施⼯性の高い⼯種・⼯法の導入促進など、国土強靱じん化に向けた取組を推進する「治山事業」

等に取り組む。

また、東⽇本⼤震災復興特別会計に非公共事業費約49億円、公共事業費約37億円を盛り込む。

直近3か年の林業関係予算の推移

(2)森林・山村に係る地方財政措置

「森林・山村対策」、「国土保全対策」等を引き続き実施し、地方公共団体の取組を促進する。

「森林・山村対策」としては、

1)公有林等における間伐等の促進

2)施業の集約化に必要な森林境界の明確化など森林整備地域活動の促進

3)林業の担い手育成及び確保対策の推進

4)⺠有林における長伐期化及び複層林化と林業公社がこれを行う場合の経営の安定化の推進

5)地域で流通する木材の利用のための普及啓発及び木質バイオマスエネルギー利用促進対策

等に要する経費等に対して、地方交付税措置を講ずる。

「国土保全対策」としては、ソフト事業として、U・Iターン受入対策、森林管理対策等に必要な経費に対する普通交付税措置及び上流域の水源維持等のための事業に必要な経費を下流域の団体が負担した場合の特別交付税措置を講ずる。また、公の施設として保全及び活用を図る森林の取得及び施設の整備、農山村の景観保全施設の整備等に要する経費を地方債の対象とする。

さらに、森林吸収源対策等の推進を図るため、林地台帳の運用、森林所有者の確定等、森林整備の実施に必要となる地域の主体的な取組に要する経費について、引き続き地方交付税措置を講ずる。

くわえて、花粉症対策の推進を図るため、スギ人⼯林の伐採・植替え等の加速化、花粉の少ない苗木の生産拡⼤等に要する経費に対して、地方財政措置を講ずる。


3 税制上の措置

林業に関する税制について、令和8(2026)年度税制改正において、

1)山林所得に係る森林計画特別控除(収入金額の20%の控除等)の2年延長(所得税)

2)農林漁業用軽油に対する⽯油⽯炭税(地球温暖化対策のための課税の特例による上乗せ分)の還付措置の3年延長(⽯油⽯炭税)

3)東⽇本⼤震災に関する特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書に係る印紙税の非課税措置の5年延長(印紙税)

等の措置を講ずる。


4 金融措置

(1)株式会社⽇本政策金融公庫資金制度

株式会社⽇本政策金融公庫の林業関係資金については、造林等に必要な長期低利資金の貸付計画額を249億円とする。沖縄県については、沖縄振興開発金融公庫の農林漁業関係貸付計画額を80億円とする。

森林の取得、木材の加⼯・流通施設等の整備、災害からの復旧を行う林業者等に対する利⼦助成を実施する。

令和6年能登半島地震や東⽇本⼤震災等により被災した林業者等及び原油価格・物価高騰等の影響を受けた林業者等に対し、実質無利⼦・無担保等貸付けを実施する。


(2)林業・木材産業改善資金制度

経営改善等を行う林業者・木材産業事業者に対する都道府県からの無利⼦資金である林業・木材産業改善資金について貸付計画額を36億円とする。


(3)木材産業等高度化推進資金制度

林業経営の基盤強化並びに木材の生産及び流通の合理化⼜は木材の安定供給を推進するための木材産業等高度化推進資金について貸付枠を600億円とする。


(4)独⽴行政法人農林漁業信用基金による債務保証制度

林業経営の改善等に必要な資金の融通を円滑にするため、独⽴行政法人農林漁業信用基金による債務保証や林業経営者に対する経営⽀援等の活用を促進する。

債務保証を通じ、重⼤な災害からの復旧、改正森林経営管理法に基づく森林の集積・集約化の促進に係る取組や事業承継・創業等を⽀援するための措置を講ずる。

令和6年能登半島地震や東⽇本⼤震災等により被災した林業者等及び原油価格・物価高騰等の影響を受けた林業者等に対し、保証料の助成等を実施する。

債務保証を通じ、重大な災害からの復旧、「木材の安定供給の確保に関する特別措置法」(平成8年法律第47号)に係る取組及び事業承継・創業等を支援するための措置を講ずる。

令和6年能登半島地震や東日本大震災等により被災した林業者等及び原油価格・物価高騰等の影響を受けた林業者等に対し、保証料の助成等を実施する。


(5)林業就業促進資金制度

新たに林業に就業しようとする者の円滑な就業を促進するため、新規就業者や認定事業主に対する、研修受講や就業準備に必要な資金の林業労働⼒確保⽀援センターによる貸付制度を通じた⽀援を行う。


5 政策評価

効果的かつ効率的な行政の推進、行政の説明責任の徹底を図る観点から、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(平成13年法律第86号)に基づき、5年ごとに定める農林水産省政策評価基本計画及び毎年度定める農林水産省政策評価実施計画により、政策を決定する前に行う事前評価や政策を決定した後に行う事後評価を実施する。事後評価のうち実績評価については、森林・林業基本計画(令和3(2021)年6⽉閣議決定)に基づき設定した50の測定指標を用い、令和7(2025)年度中に実施した政策に係る進捗を評価する。


お問合せ先

林政部企画課

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ダイヤルイン:03-6744-2219