第1部 森林及び林業の動向 はじめに
はじめに
「森林及び林業の動向」(以下「本報告書」という。)は、「森林・林業基本法」に基づき、森林及び林業の動向に関する報告を、毎年、国会に提出しているものである。
我が国は、南北に広く、海岸から山岳までの標高差があって多様な気候帯に属するなど、多様な生物の生育・生息環境が広がっている。中でも、国土の約3分の2を占める森林は高い生物多様性を誇り、原生的な天然林や里山林、人工林によって構成されている。これまで森林の生物多様性保全の取組として、原生的な天然林の保護・管理等が実施されてきており、これを継続するとともに、今後は、林業経営を通じた生物多様性への貢献や、持続的な経営から生産される木材の利用を進め、我が国の森林を将来にわたり受け継いでいくことが求められている。このため、本報告書の特集では、「生物多様性を高める林業経営と木材利用」を取り上げた。
さらに、令和6(2024)年度の動きを紹介するトピックスでは、「森林経営管理制度5年間の取組成果」、「「林業職種」の技能検定がスタート~「林業技能士」の誕生~」、「木材自給率が近年で最も高い43%まで回復」、「中高層建築物等における木造化の広がり」、「プラスチックを代替するバイオマス由来素材「改質リグニン」の今後の展開」、「令和6年能登半島地震と大雨による山地災害等への対応」を取り上げた。
トピックスに続いては、「森林の整備・保全」、「林業と山村(中山間地域)」、「木材需給・利用と木材産業」、「国有林野の管理経営」、「東日本大震災からの復興」について章立てを行い、主な動向を記述した。
本報告書の記述に当たっては、統計データの分析や解説だけでなく、全国各地で展開されている取組事例等を可能な限り紹介し、写真も交えて分かりやすい内容とすることを目指した。また、関心のある方が更に情報を得やすくなるための工夫として、各所にQRコードを掲載し、関連する林野庁ホームページ等を参照できるようにした。
本報告書を通じて、我が国の森林・林業に対する国民の関心と理解が一層深まることを期待している。
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