第1部 森林及び林業の動向 はじめに
はじめに
「森林及び林業の動向」(以下「本報告書」という。)は、「森林・林業基本法」に基づき、森林及び林業の動向に関する報告を、毎年、国会に提出しているものである。
戦後、我が国は、荒廃した国土の緑化や旺盛な木材需要への対応といった社会的要請に応え、スギ等の人工林を拡大させてきた。一方で、これらの人工林が成⾧するにつれて、スギ花粉等によるアレルギー疾患が顕在化し、国民を悩ませる社会問題となっている。今後は、森林の地球環境保全機能や国土保全機能、木材生産機能などの多面的機能を高度に発揮させつつ、それらと調和した形で花粉発生源を減らしていく取組を進めていく必要がある。このため、本報告書の特集では、「花粉と森林」を取り上げた。
さらに、令和5(2023)年度の動きを紹介するトピックスでは、「国民一人一人が、森を支える。森林環境税~森林環境税の課税開始と森林環境譲与税の取組状況~」、「合法伐採木材等をさらに広げるクリーンウッド法の改正」、「地域一体で取り組む「デジタル林業戦略拠点」がスタート」、「G7広島サミットにおいて持続可能な森林経営・木材利用に言及」、「令和6年能登半島地震による山地災害等への対応」を取り上げた。
トピックスに続いては、「森林の整備・保全」、「林業と山村(中山間地域)」、「木材需給・利用と木材産業」、「国有林野の管理経営」、「東日本大震災からの復興」について章立てを行い、主な動向を記述した。
本報告書の記述に当たっては、統計データの分析や解説だけでなく、全国各地で展開されている取組事例等を可能な限り紹介し、写真も交えて分かりやすい内容とすることを目指した。また、関心のある方が更に情報を得やすくなるための工夫として、各所にQRコードを掲載し、関連する林野庁ホームページを参照できるようにした。
本報告書を通じて、我が国の森林・林業に対する国民の関心と理解が一層深まることを期待している。
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