第1部 第1章 第1節 森林の適正な整備・保全の推進(5)
(5)普及の推進
(林業普及指導事業の実施)
新たな技術のうち、その有効性が実証されたものについては、森林所有者や林業経営体、市町村の担当者に対して積極的に普及を進めていく必要がある。そのような中にあって、都道府県が「林業普及指導員」を設置し、森林所有者等に対して森林施業技術の指導及び情報提供等を行う「林業普及指導事業」を活用して、関係者への普及を推進していくことが有効である。
林業普及指導事業は、都道府県が本庁や地方事務所等に「林業普及指導員」を配置して、試験研究機関による研究成果の現地実証等を行うとともに、関係機関等との連携の下、森林所有者等に対する森林施業技術の指導及び情報提供、林業経営者等の育成及び確保、地域全体での森林整備や木材利用の推進等を行うものである。平成31(2019)年4月現在、全国で1,283人が林業普及指導員として活動している。
(森林総合監理士(フォレスター)を育成)
林野庁では、森林・林業に関する専門的かつ高度な知識及び技術並びに現場経験を有し、長期的・広域的な視点に立って地域の森林づくりの全体像を示すとともに、「市町村森林整備計画」の策定等の市町村行政を技術的に支援し、施業集約化を担う「森林施業プランナー」等に対し指導・助言を行う人材として、「森林総合監理士(フォレスター)」の育成を進めている。
森林総合監理士には、森林調査、育林、森林保護、路網、作業システム、木材販売及び流通、関係法令、諸制度等に対する知識等に基づき、地域の森林・林業の姿を描く能力や、地域の関係者の合意を形成していくための行動力、コミュニケーション能力が必要とされている。このため、林野庁は、平成26(2014)年度から森林総合監理士の登録・公開を行うとともに、森林総合監理士を目指す若手技術者の育成を図るための研修や、森林総合監理士の技術水準の向上を図るための継続教育等を行っている。令和2(2020)年3月末現在で、都道府県職員や国有林野事業の職員を中心とした1,397名が森林総合監理士として登録されている。

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