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林野庁

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第1部 第3章 第2節 木材利用の動向(4)

(4)消費者等に対する木材利用の普及

(「木づかい運動」を展開)

林野庁は、平成17(2005)年度から、広く一般消費者を対象に木材利用の意義を広め、木材利用を拡大していくための国民運動として、「木づかい運動」を展開している。同運動では、パンフレット等による広報活動や、国産材を使用した製品等に添付し木材利用をPRする「木づかいサイクルマーク」の普及活動等を行っている(*135)(資料3-36)。「木づかいサイクルマーク」は、令和2(2020)年3月末現在、393の企業や団体で使用されている。

資料3-36 木づかいサイクルマーク

また、毎年10月の「木づかい推進月間」を中心として、広報誌やウェブサイト等を活用した普及啓発活動を行っており、各都道府県においても地方公共団体や民間団体により様々な取組が実施されている。

平成27(2015)年度から、新たな分野における木材利用の普及や消費者の木材利用への関心を高めることを目的として開始された「ウッドデザイン賞」は、木の良さや価値を再発見させる建築物や木製品、木材を利用して地域の活性化につなげている取組等について、特に優れたものを消費者目線で評価・表彰するもので、6回目となる令和2(2020)年度は、191点が同賞を受賞した。ウェブサイトでの情報発信やコンセプトブックの作成・配布等により同賞の周知が図られている。また、林業・木材産業関係者とデザインや異業種の事業者等の、同賞をきっかけとした新たな連携もみられており、木材利用の拡大につながることが期待されている。

木材利用推進中央協議会は、木材利用の一層の推進を図るため、木造施設や内装を木質化した建築物等を対象に「木材利用優良施設コンクール」を毎年開催し、その整備主体等(施主、設計者、施工者)に内閣総理大臣賞等を授与している。令和2(2020)年度の受賞施設は、地域の木材の特性を踏まえた構造上の工夫を凝らした施設、新しい技術を活用することで耐火性能を確保した施設、木が持つデザイン面の良さを活かして商業施設の高付加価値化・ブランド化に取り組んだ施設等、いずれも地域材の有効活用、非住宅分野や都市部での木材利用の拡大の推進に資する施設であり、これらの受賞施設がモデルとなって全国各地で木材利用の機運が高まることが期待される。

また、林野庁は、平成30(2018)年度から令和2(2020)年度にかけて、国内外への更なる木材利用のPRを図り、日本が培ってきた「木の文化」を活かした「木のおもてなし」を創造・発信するため、日本各地に存在する木の文化を整理・編集した「木の文化・木のおもてなしガイドブック」やプロモーション映像の制作を支援した。

さらに令和2(2020)年度は、「ウッド・チェンジ(*136)」につながる木材利用への理解醸成に資する取組の支援の一貫として、木を取り入れたライフスタイルの価値や木材利用の良さや意義を効果的に伝えるコンテンツの作成、デジタル技術を活用した情報発信を支援した(事例3-7)。

事例3-7 民間企業による消費者の「ウッド・チェンジ」につながる情報発信

楽天株式会社では、令和2(2020)年8月、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」内に特集ページ「WOOD CHANGE~木に変えて、変わったのは暮らしとワタシ。~」を開設した。特集ページでは、木を使うことの意義や木の良さを伝えるコンセプトムービー、木にまつわる様々なコラム、国産材を使った様々なジャンルの木製品紹介等、木を取り入れたライフスタイルに関する魅力的なコンテンツが掲載されている。

また同社は、10月8日「木の日」に「WOOD CHANGE PROJECT」を始動し、国産木材の利用拡大に向け「TEAM WOOD CHANGE」を結成、俳優やアーティストが参加するオンライントークセッションを実施し、その動画を特集ページで公開したほか、「WOOD CHANGE PROJECT×フリマアプリ楽天「ラクマ」」特設サイトにおいて、国産材を用いたハンドメイド作品を出品するユーザーのショップなどを紹介した。

インターネットショッピングが広く普及している中、木製品というジャンルに特化したショッピングサイトによって消費者の木製品への関心を高めるとともに、木製品の紹介や購入がより身近で幅広いものとなり、消費者の「ウッド・チェンジ」につながることが期待できる。




(*135)パンフレットの内容など、「木づかい運動」に関する情報は、林野庁ホームページ「木づかい運動でウッド・チェンジ!」を参照。

(*136)ウッド・チェンジとは、身の回りのものを木に変える、木を暮らしに取り入れる、建築物を木造化・木質化するなど、木の利用を通じて持続可能な社会へチェンジする行動を指す。



(「木育もくいく」の取組の広がり)

木育もくいく(*137)」の取組は全国で広がっており、木のおもちゃに触れる体験や木工ワークショップ等を通じた木育もくいく活動や、それらを支える指導者の養成のほか、関係者間の情報共有やネットワーク構築等を促すイベントの開催等、様々な活動が行政、木材関連団体、NPO、企業等の幅広い連携により実施されている。

林野庁においても、子供から大人までを対象に、木材や木製品との触れ合いを通じて木材への親しみや木の文化への理解を深めて、木材の良さや利用の意義を学んでもらうという観点から、木育もくいくの推進に資する各種活動への支援を行っている。これらの支援により、木材に関する授業と森林での間伐体験や木工体験を組み合わせた小中学生向けの「木育もくいくプログラム」が開発され、令和元(2019)年度までに、延べ322校で実施されている。また、木育もくいくの取組に関する情報・意見交換等を行う「木育もくいく森育楽会もりいくがっかい」及び「木育もくいくサミット」が開催されており、関係者間の情報共有やネットワーク構築、それによる各団体での木育もくいく活動の更なる発展につながっている。令和2(2020)年度は、それぞれ令和2(2020)年10月から令和3(2021)年2月に、オンラインで開催された。

また、実践的な木育もくいく活動の一つとして、木工体験等のきっかけの提供により、木材利用の意義に対する理解を促す取組等も行われている。例えば、日本木材青壮年団体連合会等は、児童・生徒を対象とする木工工作のコンクールを行っており、令和2(2020)年度には約9,300点の応募があった。


(*137)「木育」については、多様な主体が様々な目的を持ち、活動を行っている。木育に関する情報は「木育ラボ」ホームページ、「木育.jp」ホームページを参照。



お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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