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第1部 第 IV 章 第1節 木材需給の動向(4)

(4)違法伐採対策

(世界の違法伐採木材の貿易の状況)

平成28(2016)年12月に国際森林研究機関連合(IUFRO(*51))が公表した報告書(*52)によると、平成26(2014)年の丸太と製材に係る違法伐採木材の貿易額は世界で63億ドル、最大の輸入国は中国で33億ドル(52%)、次いでベトナムが8億ドル(12%)、インドが6億ドル(9%)、EUが5億ドル(7%)等であるとされている。また、違法伐採木材は、主に、東南アジア(35億ドル)、ロシア(13億ドル)、オセアニア(7億ドル)、アフリカ(5億ドル)、南米(4億ドル)から輸出されているとされている。

違法伐採や違法伐採木材の流通は、森林の有する多面的機能(*53)に影響を及ぼすおそれがあり、また、木材市場における公正な取引を害するおそれがある。

このため、平成17(2005)年7月に英国で開催されたG8グレンイーグルズ・サミットでは、違法伐採に対する取組について、木材生産国及び消費国双方の行動が必要であるとされた(*54)。


(*51)「International Union of Forest Research Organizations」の略。

(*52)IUFRO World Series Volume 35: Illegal Logging and Related Timber Trade

(*53)森林の有する多面的機能については、第 II 章(38-39ページ)を参照。

(*54)違法伐採対策のうち国際協力に係る取組については、第 II 章(74-75ページ)を参照。



(政府調達において合法木材の利用を促進)

これを受けて、我が国では、まずは政府調達を通じて合法木材の利用を促進することとし、平成18(2006)年2月に「環境物品等の調達の推進に関する基本方針(グリーン購入法基本方針)」において、紙類、オフィス家具、公共工事資材等の分野において、合法性、持続可能性が証明された木質材料を原料として使用しているものを政府調達の対象とした。

その後、「グリーン購入法基本方針」の特定調達品目に関する「品目及び判断の基準等」が見直され、間伐材や森林認証を受けた森林から生産された木材及び竹から製造されるパルプを用いたコピー用紙等、間伐材や合法性が証明された木質原料等を使用している合板型枠(かたわく)等が政府調達の対象となった。

林野庁では、木材・木材製品の供給者が合法性及び持続可能性を適切に証明できるよう、平成18(2006)年2月に「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」を作成した。本ガイドラインでは、具体的な合法性、持続可能性の証明方法として、「森林認証制度及びCoC認証制度を活用した証明方法」、「森林・林業・木材産業関係団体の認定を得て事業者が行う証明方法」及び「個別企業等の独自の取組による証明方法」の3つの証明方法を提示するとともに、合法性、持続可能性が証明された木材・木材製品が、これらが証明されていないものと混じらないよう管理することを求めている。

上記の証明を活用し、合法性・持続可能性が証明された木材を供給する合法木材供給事業者として、平成28(2016)年度末現在で、150の業界団体により12,150の事業者が認定されている。合法木材供給に取り組む事業者からの報告によれば、合法性の証明された丸太の量は、国産材については、平成18(2006)年の91万m3から平成28(2016)年の1,101万m3に、輸入材については、平成18(2006)年の58万m3から平成28(2016)年の106万m3にそれぞれ増加している(*55)。


(*55)社団法人全国木材組合連合会(2008)平成19年度違法伐採総合対策推進事業総括報告書: 44. 一般社団法人全国木材組合連合会(2016)平成27年度違法伐採対策・合法木材普及推進事業総括報告書: 5.



(諸外国の違法伐採対策の取組)

一方、諸外国においては、米国は2008年に「レイシー法(Lacey Act)(*56)」を改正して、違法に伐採された木材等の取引や輸入の禁止等を盛り込んでいる。EUは2013年3月に「EU木材規則(*57)」を施行し、違法に伐採された木材を市場に出荷することを禁止するとともに、事業者が出荷に当たり適切な注意を払うことを義務付けており、これを受けて域内各国で関係法令を整備することとされている。また、オーストラリアでも同趣旨の法律(*58)が2014年11月に施行されているほか、2018年には、韓国でも違法伐採対策に係る新たな法制度(*59)が施行される見通しとなっている。林野庁では、これら諸外国の状況の情報収集等の取組の強化を図っている。

上記のような各国の法令整備に加え、国家間の協定においても違法伐採対策を盛り込む動きがみられる。例えば、平成30(2018)年3月に署名されたTPP11協定(*60)では、「環境章」において、木材生産国における環境破壊や地球温暖化の進行など様々な問題を引き起こす違法伐採への対策について、各国による違法伐採の抑止に働く効果的な行政措置の実施が規定されている。また、平成29(2017)年12月に交渉妥結した日EU・EPAでは、両締結者が、違法伐採及びそれに関連する貿易への対処に貢献すること、関連する情報を交換すること等について規定されている(*61)。


(*56)1900年に、違法に捕獲された鳥類やその他動物の違法な取引等を規制する法律として制定。事業者に対して、取引等に当たっては、国内外の法令を遵守して採取されたものか適切に注意するよう義務付けるとともに、罰則も設けている。

(*57)Regulation(EU) No995/2010 of the European Parliament and of the Council of 20 October 2010 laying down the obligation of operations who place timber and timber products on the market

(*58)Illegal Logging Prohibition Act 2012(No. 166, 2012 as amended)

(*59)목재의 지속가능한 이용에 관한 법률(法律第14657号 2017年3月21日一部改正)

(*60)詳しくは、129ページを参照。

(*61)違法伐採対策のうち国際協力に係る取組については、第 II 章(74-75ページ)を参照。



(「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」による合法伐採木材の更なる活用)

こうした動きも踏まえ我が国では、政府調達のみならず民間需要においても、我が国又は原産国の法令に適合して伐採された木材及びその製品の流通及び利用の促進を図るため、平成28(2016)年5月に、議員立法により「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(*62)」(クリーンウッド法)が成立・公布され、平成29(2017)年5月に施行された。

この法律の施行により、全ての事業者に、合法伐採木材等を利用するよう努めることが求められ、特に木材関連事業者は、取り扱う木材等について「合法性の確認」等の合法伐採木材等の利用を確保するための措置を実施することとなった。

この措置を適切かつ確実に行う木材関連事業者は、国に登録された第三者機関である「登録実施機関」に対して申請を行い、登録を受けることができ、「登録木材関連事業者」の名称を使用できることとなっている。登録実施機関については、平成29(2017)年10月から順次5機関(同12月1日現在)が登録業務を開始している(資料 IV -16)。

林野庁では、木材関連事業者が木材の合法性を適切に確認できるよう林野庁ホームページ合法伐採木材等に関する情報提供サイト「クリーンウッド・ナビ」を公開し、本サイトを通じて情報を提供しているほか、専門家の派遣、セミナー等の開催による木材関連事業者の登録促進等に取り組んでいる。

資料IV-16 クリーンウッド法における「木材等」と「木材関連事業者」の定義及び「登録実施機関(平成29(2017)年末現在)」の一覧

(*62)「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」(平成28年法律第48号)




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