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林野庁

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第1部 森林及び林業の動向

はじめに

森林は、国土の保全、水源の涵(かん)養、木材等の生産等の多面的機能の発揮によって、国民生活及び国民経済に大きな貢献をしている。また、現在の我が国の森林は、これまでの先人の努力等により、戦後造林された人工林を中心に本格的な利用期を迎えており、国内の豊富な森林資源を循環利用することが重要な課題となっている。

我が国の林業・木材産業はこれまで、長期にわたる林業産出額や林業所得の減少、森林所有者の経営意欲の低迷、国産材の生産・流通構造の改革の遅れ等に直面し、厳しい状況に置かれてきた。需要に応じた安定的な原木の供給体制が構築されないこと等により豊富な森林資源が必ずしも十分に活用されていない状況にあり、適切な森林整備が行われない箇所もみられるなど、森林の有する多面的機能の発揮への影響も懸念されてきた。

しかし、近年では、大型の製材工場や合板工場の整備、公共建築物の木造・木質化の促進、木質バイオマスのエネルギー利用等による木材需要の拡大等を背景に、木材自給率は平成27(2015)年まで5年連続で上昇し、平成26(2014)年には26年ぶりに30%台に回復するなど、林業や木材産業に明るい兆しがみえてきた。

こうした中、農林水産省では、森林の整備及び保全を図りつつ、効率的かつ安定的な林業経営の育成、木材の加工・流通体制の整備、木材の利用拡大等を進めるとともに、国有林野の管理経営、東日本大震災や平成28年熊本地震等の災害からの復興にも取り組んでいる。

平成28(2016)年、政府は、5月に「森林・林業基本計画」を5年ぶりに変更した。また、6月には「経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~」と「日本再興戦略2016」を閣議決定した。これらの基本計画や戦略等においては、新たな木質部材の開発・普及等を通じて新たな木材需要を創出し、原木の安定供給体制を構築すること等によって、林業の成長産業化を推進することとしている。


本年度報告する「森林及び林業の動向」は、このような動きを踏まえ、この一年間における森林・林業の動向や主要施策の取組状況を中心に、森林・林業に対する国民の皆様の関心と理解を深めていただくことを狙いとして作成した。

冒頭のトピックスでは、平成28(2016)年度の動きとして、新たな森林・林業基本計画の策定、森林法等の改正、「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」の成立、CLTの普及に向けた基準の整備と新たなロードマップの公表、平成28年熊本地震や台風災害の発生と復旧への取組等を紹介した。

本編では、第 I 章の特集においては「成長産業化に向けた新たな技術の導入」をテーマに、林業の生産性の向上や新たな木材需要の創出の観点から、最新の技術の導入状況やその成果と課題を整理するとともに、その導入のための条件整備を記述した。第 II 章以降の各章では、森林の整備・保全、林業と山村(中山間地域)、木材産業と木材利用、国有林野の管理経営、東日本大震災からの復興について主な動向を記述した。

お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219
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