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林野庁

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第1部 第 VI 章 第1節 復興に向けた森林・林業・木材産業の取組(1)

平成23(2011)年3月11日に発生した「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」では、広い範囲で強い揺れが観測されるとともに、東北地方から関東地方にかけての太平洋沿岸に大規模な津波被害が発生した。「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」による被害は未曾有(みぞう)の規模となり、東京電力福島第一原子力発電所の事故による災害を含めて、「東日本大震災」と呼称することとされた(*1)。

政府は、東日本大震災からの復興に向けて、平成23(2011)年7月に策定した「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づき、被災地の一刻も早い復旧・復興を目指す観点から、当初の5年間(平成23(2011)年度から平成27(2015)年度まで)を「集中復興期間」と位置付け、取組を進めてきた。また、平成28(2016)年3月には、「「復興・創生期間」における東日本大震災からの復興の基本方針」を閣議決定し、後期5か年の「復興・創生期間」(平成28(2016)年度から平成32(2020)年度まで)において重点的に取り組む事項として、海岸防災林の復旧等も定めている。

以下では、森林・林業・木材産業における復興への取組として、森林等の被害と復旧状況、海岸防災林の復旧・再生、復興への木材の活用と森林・林業の貢献について、平成28(2016)年度における動向を中心に記述する。


(*1)平成23(2011)年4月1日閣議了解。



(1)森林等の被害と復旧状況

東日本大震災における森林等の被害は、青森県から高知県までの15県に及び、山腹崩壊や地すべり等の林地荒廃(458か所)、防潮堤(*2)等の治山施設の被害(275か所)、法(のり)面や路肩の崩壊等の林道施設の被害(2,632か所)、火災による焼損等の森林被害(1,065ha)等が発生した(*3)。

このうち、治山施設や林道施設等の被害箇所については、国、県、市町村等が「山林施設災害復旧等事業」等により、災害からの復旧に向けた工事を進めている。平成28(2016)年12月時点で、「山林施設災害復旧等事業」の対象箇所の大部分が工事に着手済みとなっており、95%の工事が完了している。未着手箇所については、地域や他事業等との調整を行いつつ、準備が整った箇所から速やかに着手することとしている。

林業の被害は、林地や林道施設等への直接の被害に加え、木材加工・流通施設の被災により、これらの工場に供給していた原木等の出荷が困難となるなど間接の被害もあった。林野庁では、平成23(2011)年度から、被災工場に原木等を出荷していた素材生産業者が、非被災工場に原木等を出荷する場合等に、流通コストに対する支援を行った。平成23(2011)年中に、被災工場が順次操業を再開したことに伴い、用材等の流通も回復した。

木材産業の被害は、全国の木材加工・流通施設115か所に及んだ。このうち、製材工場については、青森県から高知県にかけての71か所が被災して、多くの工場が操業を停止した。合板工場については、岩手県と宮城県の大規模な合板工場6か所が被災して、操業を停止した(*4)。林野庁では、復興に取り組む木材産業等に対し、被災した木材加工・流通施設の廃棄、復旧及び整備や港湾等に流出した木材の回収等への支援、特用林産施設の復旧や再建等の支援を行った。この結果、平成28(2016)年4月までに、木材加工・流通施設全体で98か所が操業を再開している(*5)。

なお、特に東北地方の林業・木材産業は東日本大震災により大きな被害を受けたが、各関係者の復興に向けた取組により、林業生産や木材製品の生産については、おおむね震災前の水準にまで回復している(*6)(資料 VI -1、2)。


(*2)高潮や津波等により、海水が陸上に浸入することを防止する目的で、陸岸に設置される堤防。治山事業では、海岸防災林の保護のため、治山施設として防潮堤等を整備している。

(*3)農林水産省ホームページ「林野関係被害(第84報)」(平成24(2012)年7月5日付け)

(*4)林野庁木材産業課調べ。

(*5)林野庁木材産業課調べ。操業を再開していない木材加工・流通施設は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い設定された避難指示区域内に施設が立地しているもの、事業再開を断念したものなどである。

(*6)「平成27年度森林及び林業の動向」191ページを参照。


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