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林野庁

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第1部 第 II 章 第2節 森林整備の動向(3)

(3)普及体制の整備

(林業普及指導事業の実施)

林業普及指導事業は、都道府県が本庁や地方事務所等に「林業普及指導員」を配置して、関係機関等との連携の下、森林所有者等に対して森林施業技術の指導及び情報提供、林業経営者等の育成及び確保、地域全体での森林整備や木材利用の推進等を行うものである。林業普及指導員の全国の合計人数は、平成28(2016)年4月時点で1,310人となっている。


(森林総合監理士(フォレスター)を育成)

また、林野庁では、森林・林業に関する専門的かつ高度な知識及び技術並びに現場経験を有し、長期的・広域的な視点に立って地域の森林づくりの全体像を示すとともに、「市町村森林整備計画」の策定等の市町村行政を技術的に支援する人材として、「森林総合監理士(フォレスター)」の育成を進めている。

森林総合監理士には、森林調査、育林、森林保護、路網、作業システム、木材販売及び流通、関係法令、諸制度等に対する知識等に基づき、地域の森林・林業の姿を描く能力や、地域の関係者の合意を形成していくための行動力、コミュニケーション能力が必要とされていることから、林野庁は、平成26(2014)年度から、森林総合監理士の登録・公開を開始するとともに、森林総合監理士を目指す若手技術者の育成を図るための研修を行っている。今後、平成32(2020)年度末までに、森林総合監理士の登録数を2千~3千人とすることを目標としており、平成28(2016)年12月末現在では、都道府県職員や国有林野事業の職員を中心とした982名が森林総合監理士として登録され、市町村の森林・林業行政の支援等に取り組んでいる。また、民有林と国有林の森林総合監理士の連携も進められている(事例 II -5)。

事例 II -5 森林総合監理士のグループによる流域全体の市町村森林整備計画策定への支援

植栽によらなければ適確な更新が困難な森林についての調査
植栽によらなければ適確な更新が
困難な森林についての調査

秋田県では、平成25(2013)年に秋田県と東北森林管理局(秋田県秋田市)の森林総合監理士(フォレスター)等による秋田県フォレスター協議会が設立され、その下部組織として3森林計画区(流域)にフォレスターチームが設置されている。

このうち雄物川(おものがわ)流域では、平成27(2015)年4月に流域内の8市町村が一斉に市町村森林整備計画を作成することとなったが、いずれの市町村にも森林・林業業務に専従する職員が配置されておらず、既存の市町村森林整備計画では、造林未済地が発生していながらもこのような地域の課題への対応が記載されていないといった問題点が指摘されていた。

これらを踏まえ、雄物川流域フォレスターチームは、8市町村の担当者を集めて全体研修会を開催し、流域の森林・林業が抱える課題の共有に努めるとともに、市町村の担当者同士が作業の進捗を報告してお互いに刺激を与え合うようにするなどの取組を実施した。

このような取組を通じ、天然更新が可能な森林や植栽によらなければ適確な更新が困難な森林の箇所が明らかにされ、これらが新たな市町村森林整備計画に盛り込まれるようになるなど、地域の課題の解決に向けた取組が進展した。

お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219