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林野庁

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ダンロップフェニックストーナメント大会事務局/宮崎県/株式会社ExRoad 受賞者レポート

森林×ACTチャレンジ2024
J-クレジット部門

優秀賞

王冠 ダンロップフェニックストーナメント大会事務局/宮崎県/株式会社ExRoad 王冠
ゴルフトーナメント大会を通じた
カーボンオフセットと森林づくりの循環
   スポーツ文化と自然の共生

   「ダンロップフェニックストーナメント」は、1974年に創設されて以降、これまでに50回の開催実績をもつ歴史と伝統ある国際的男子プロゴルフトーナメントです。近年の気候変動問題やSDGsの潮流を受け、同大会では開催にあたり、社会的責任を果たすべくサステナビリティを意識した運営を目指しています。
   宮崎県宮崎市に所在するフェニックスカントリークラブにて毎年開催されている同大会は、ゴルフという競技性格上、自然・森林の恵みや地元の支援を受けて成り立っています。このため、宮崎県が進める森林整備に貢献しながら運営することが、地域社会と地球温暖化への対応、そしてスポーツという文化との持続的な共生に必要だと考え、J-クレジット販売仲介事業者である株式会社ExRoadの仲介により、県有林を適正に間伐することで、CO2吸収機能の維持・増進を図るプロジェクトに由来するJ-クレジットを購入することとしました。

       森林づくりに繋がる新たな資金循環のスキームを構築

       購入したJ-クレジットは、大会の運営にあたり使用するクラブハウスの電力使用や発電機の使用等で排出されるCO2 の一部をオフセットすることに利用しました。また、大会の開催にあたり、大会運営のサステナビリティ推進に共感しサポートを行うスポンサー向けの「グリーンカテゴリ協賛社」枠を設け、協賛金を原資としてカーボンオフセットを行うとともに、宮崎県の森林整備の費用へと循環していく新たなスキームを構築しています。大会は毎年開催されるため、スキームを通じた本取組は継続して実施される予定です。さらに、本取組は大会ホームぺージやSNS、トーナメント期間中の会場看板での発信に加えて、TBS系列全国ネットでも二日間にわたり放送され、波及効果も期待されます。

    第50回ダンロップフェニックストーナメントの様子
    第50回ダンロップフェニックストーナメント
    の様子

    大会に設置された看板
    大会に設置された看板

      ExRoadスキーム図
      クレジットの活用に関するスキーム図

         宮崎県の林業振興に向けて

         宮崎県の森林は県土の約76%を占めており、木材の生産、水源のかん養、CO2 の吸収・固定など多面的な機能を発揮しているものの、木材価格の低迷による林業採算性の悪化や林業従事者の減少・高齢化等も相まって、伐採後に植栽されない植栽未済地や間伐等の手入れが不十分な森林の増加等、取り巻く環境は厳しい状況にあります。このため、森林のCO2 吸収機能に経済的・社会的価値を与えるJ-クレジット制度を活用し、山元に利益が還元される取組を県有林で実施することで、環境価値の循環と県内で普及を図ります。また、プロジェクト実施者となる森林・林業関係者間における森林由来J-クレジットの取組の裾野拡大を目指しています。

         審査員の講評

         日本を代表するゴルフ大会の開催にあたり、大会協賛企業からの協賛金を原資に、運営で排出されるCO2をオフセットするとともに森林整備へと繋げるスキームを実現したユニークな取組と評価しました。今後の継続的な取組とその発展を期待しています。

      皆川   芳嗣(株式会社農林中金総合研究所   理事長)

      お問合せ先

      森林整備部森林利用課

      ダイヤルイン:03-6744-2409