生活協同組合コープしが 受賞者レポート
森林×ACTチャレンジ2024
森林づくり部門
生活協同組合コープしが |
“協同”の力ですすめる森づくり
人間にも自然にも優しいくらしの創造 |
コープしがは、1993年に滋賀県内4つの生協が合併して誕生し、「人間にも自然にも優しいくらしの創造」を掲げ、「環境元年宣言」を行いました。2018年には「コープしが環境政策」を策定し、「私たちが願う、ありたい環境」の一つとして、災害防止、水源涵養、生物多様性の保全等多面的機能をもつ森林が整備・保全されている姿を目指し、組合員一人ひとりの参画による力と、組織や団体の連携による”協同”の力で、森林保全活動や、自然体験活動、森林環境配慮型の商品の普及・利用等による森林の理解を深める取組等を通じて、自然共生社会の実現に向けて取り組んでいます。
琵琶湖につながる森林づくりの支援 |
同組合は琵琶湖に繋がる森林資源を守り育てるため、滋賀県のコーディネートの下、地域の生産森林組合と「びわ湖森林づくりパートナー協定」を締結し、「コープの森」として森林整備活動を進めています。その中でも2013年に協定を締結したコープの森あぶらひでは、10年以上の継続した森林整備費用の支援のほか、毎年、植栽や間伐、林道の補修、シカによる剥皮被害防止のためのテープ巻等、職員による森林整備ボランティアを実施しています。また、コープしが30周年を記念し、組合員や役職員らみんなで、コープの森あぶらひの間伐材を使った商品づくりにアイデアを出すプロジェクトの下、「コープの森からうまれた鍋敷き」を製作・販売し、収益は琵琶湖を守る取組に寄付する等、取組の普及・啓発を図るとともに、実際に現地に足を運ばなくとも、森林や環境について考える機会の提供も行っています。さらに、売上収益が県内の森林整備に繋がる間伐材を配合した紙を全組織で使用するともに、滋賀県森林CO2吸収量認証制度の申請に必要な森林調査を地元の事業体等に委託することで、地域にとっての新たな収入機会の創出やノウハウの取得に貢献しています。
生産森林組合による森林整備(間伐)
職員による獣害防止テープの設置
コープの森から生まれた鍋敷き
森林の大切さを知り、学ぶ |
コープの森あぶらひでは、2016年より組合員が自宅でクヌギの苗木を育て翌年に植樹、その後、職員等が手入れをしていくことで、森林を育てるとともに森林について学ぶどんぐりプロジェクトを行っています。将来的には、クヌギが成長し、しいたけ栽培のほだ木として出荷され、栽培されたしいたけを同組合で販売することで、組合員をはじめ消費者に提供できることを目指しています。また、組合員等を対象に、地元の生産森林組合等の協力の下、自然観察や落ち葉を使ったネイチャーゲーム、間伐の見学、伐倒した木の計測等の「木こり体験」といった森林保全の大切さを伝える機会の提供を行っています。さらに、新卒職員研修として森林整備ボランティアの活動を行っており、同組合が森林づくりを行っていることの意義を学び、組合員の生活にも繋がる滋賀の森林を守っていくことの大切さの理解を深める場としています。
どんぐりプロジェクト地での新卒職員研修(集合写真)
審査委員の講評 |
環境ビジョンを掲げ、地域と連携しながら森林整備を進めています。間伐材を活用した紙の利用にとどまらず、森林の調査に係る仕事を事業体に委託する等、今後、地元の新しい収入機会創出やノウハウ取得へとつながることが期待されます。
青木 亮輔(株式会社東京チェンソーズ 代表取締役)
お問合せ先
林政部企画課
ダイヤルイン:03-3502-8036