土壌侵食の状況
森林生態系多様性基礎調査では、水土保全機能に大きな影響を与える下層植生や土壌侵食の状況についても調査しています。
土壌侵食は、樹木がなかったり、亜高山性の針葉樹が優占している森林など、主として脆弱な地質構造を持った山岳地帯に分布する森林内にみられます。
【第1期・第2期】
第1期・第2期は、プロット内の土壌侵食度を5段階で判定したものです。
土壌侵食痕別格子点割合(第1期調査) | 土壌侵食痕別格子点割合(第2期調査) |
【第3期・第4期】
第3期からは、林床被覆率(植物由来の被覆が地表に占める割合を10%単位で記録)及び土壌侵食痕(土柱、リル、ガリーの有無)を記録しており、より客観的な評価が可能となりました。
第1期・第2期とは調査方法が異なるため、単純に比較することができないことに留意が必要です。
また、土壌侵食痕については、定性的な調査項目であり判断にばらつきが生じやすいため、単純に比較することができないことに留意が必要です。
林床被覆率別格子点割合(第3期調査) | 土壌侵食痕別格子点割合(第3期調査) |
林床被覆率別格子点割合(第4期調査) | 土壌侵食痕別格子点割合(第4期調査) |
※ 「Ao層」とは
土の表層の落葉、枝、実やそれらが分解したもの。樹木の栄養分の源であると同時に、雨による侵食から土を守る層である。
※ 「土柱」とは
土壌侵食痕の一つで、小石、地表の根、枝葉の下の土層が雨滴侵食から保護され柱状に残ったもので、高さ2cm以上のものを「土柱」という。
※ 「リル、ガリー」とは
土壌侵食痕の一つで、地表の流水による溝状の侵食で深さ30cm未満のもの(沢の源頭部など、地形的に集水するものは除く)を「リル」といい、
「リル」がさらに発達した溝状の侵食で深さ30cm以上に達したもの(沢の源頭部など地形的に集水するもの、常に流水があるものは除く)を「ガリー」
という。
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