間伐とは?
更新日:令和5年3月3日
間伐とは、森林の成長に応じて樹木の一部を伐採し、過密となった林内密度を調整する作業です。
間伐を行うと、光が地表に届くようになり、下層植生の発達が促進され森林の持つ多面的機能が増進します。
間伐を行わず過密なままにすると、樹木はお互いの成長を阻害し、形質不良になります。
また、残った樹木が健全に成長することにより木材の価値も高まるため、間伐は大変重要な作業となります。
( イラスト作成 : 林野庁 )
間伐を実施しなかった場合
間伐を実施しなかった場合、森林に対し以下の影響があります。
- 林床に光が差し込まないため暗い
- 下層植生の消失により土壌が流出しやすくなり、森林の水源涵養機能が低下する
- 成長に伴い風を受ける樹冠が上方に移動することにより、もやし状の森林となる。
真っ暗なヒノキ人工林 |
根が浮き上がったヒノキ人工林 |
間伐を実施した場合
間伐を実施することで、森林は以下のようになります。
- 光が林内に差し込むため、幹や根が太く発達する。
- 下層植生が繁茂することで風害や山地災害に強くなる、森林の水源涵養機能や土壌保全機能が高くなる。
下層植生が豊かな人工林 |
<参考>森林整備サイクルのイメージ
間伐の方法・種類
間伐には様々な方法があり、間伐方法を選木の仕方で大きく分けると、定性間伐と定量間伐の2つに分けることができます。
定性間伐は選木を重視する間伐方法であり、下層木(劣勢木)を中心に間伐する下層間伐と、上層木(優勢木)を中心に間伐する上層間伐に分けられます。
定量間伐は、選木を重視しない、あるいは 間伐率に基づき機械的に伐採木を決める間伐方法であり、列状に間伐をする列状間伐があります。
一定間隔ごとの列を機械的に伐採し、伐採された木と残された木が交互に配置される。 (参考)列状間伐の手引き(PDF : 5,141KB) |
<主な間伐方法と特徴>
方法 | 方法の例 | 間伐対象木 | 間伐実施後の状況 | 特徴 |
定性間伐 | 下層間伐 | 劣勢木、被圧木 | ・優勢木が残る 均等な配置となる |
・下層木(劣勢木)を中心に間伐するため、間伐時の収益は低い 間伐後の形質が揃う 間伐後の形状比が小さくなる 上層の暴れ木(暴領木)も取り除くため、林木の個体サイズを一定の範囲に収めることが可能 短伐期で皆伐する場合に、生産目標(銘木生産、並材生産等)に応じた素材の生産が可能 |
上層間伐 | 優勢木、暴れ木 | ・劣勢木が残る 残存木の配置は不均一 |
・上層木(優勢木)を中心に間伐するため、間伐時の収益は高い 優勢木間伐やなすび伐りと呼ばれる 間伐木は大きく育った個体、あるいは、そのときに材価の高い個体を選ぶ 林型が整えられていない林分では、間伐後の森林が経済的価値の低下、健全性が損なわれるおそれがある 過去にしっかりと間伐が実施されてきた林分であることが必要 |
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定量間伐 | 列状間伐 | 伐採列のすべての木 | ・形質等に関係なく直線的に残る | ・代表的な定量間伐 選木に要する時間を短縮できる 列状に伐採するため、かかり木の発生が少ない 経済的合理性(低コスト化)や労働安全性の観点から採用される場合もある 機械的に選木するため、優勢木と劣勢木の比率は間伐前後で変わらない 伐採列は、次回以降の間伐時の搬出にも活用可能 |
お問合せ先
森林整備部整備課造林間伐対策室
担当者:間伐推進班
ダイヤルイン:03-3591-5893