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林野庁

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人工林から育成複層林(天然林型)へ誘導する施業技術の確立(施業指標林設定)

キーワード:育成複層林、天然林、帯状伐採、前生樹、極相種

1 開発目的

人工林において育成複層林(天然林型)へ誘導することにより公益的機能を高めるとともに、効率的な保育管理技術の確立のための指標林を設置する。

2 成果の概要

  • 帯状伐採を行い、谷を挟んだ北向き斜面、南向き斜面のそれぞれの伐採区(10m幅、8m幅、6m幅)に調査プロットを計6箇所設定し、樹高30cm以上の全ての木本類の本数を測定した。(図1)
  • 伐採幅が広いほど広葉樹の発生本数が多くなる傾向にあったが、斜面の向きによる顕著な差はみられなかった。(図2)
  • 極相種の発生が豊富な理由は、前生樹が豊富に生育していたことや、極相種からなる保護樹帯との距離が10~40mと近いことが考えられた。
  • 早期に極相林へ誘導するための留意点として、1.伐採前に、有用広葉樹等の前生樹を極力保残する。2.伐採時に、保護樹帯に近いところから小規模に伐採し、保護樹帯からの極相種の種子供給を促す。3.伐採後に、先駆種を早めに除伐し、極相種の成長を早める。
試験地(10m幅南向き)の伐採直後(H18)と伐採5年後(H24)の比較

写真1 試験地(10m幅南向き)の伐採直後(H18)と伐採5年後(H24)の比較

験地設定図

図1 験地設定図
緑部分は、保残木

プロット別木本類発生本数の推移

図2 プロット別木本類発生本数の推移

3 成果の詳細

  • 極相種の平均樹高は伐採幅が広いほど大きく、さらに南向き斜面でより良好な成長を示した。(図3)
  • 先駆種は伐採後3年以降から減少が見られ、極相種は伐採3年以降も増加傾向を示した。(図4)
  • 伐採跡地の初期段階における極相種の発生は、大半が伐採前から下層に存在していた前生樹の萌芽といわれている。
プロット別極相種の平均樹高の推移

図3 プロット別極相種の平均樹高の推移

プロット別極相種の平均樹高の推移

図4 プロット別先駆種と極相種の発生本数の推移

4 技術開発担当機関及びお問合せ先等

  • 担当機関:九州森林管理局 森林技術・支援センター
  • 共同研究機関:なし
  • 実施箇所:野崎国有林239に林小班(宮崎県宮崎市)
  • 開発期間:平成12年度~平成26年度(平成41年度終了予定を繰上完了)
  • お問合せ先:九州森林管理局 森林技術・支援センター、ダイヤルイン(0985-82-2211)

5 参考情報

印刷版(PDF : 737KB)

[九州森林管理局Webサイト掲載情報]
完了報告・中間報告(H19(イ)・24)・実施報告(H20~25)(PDF : 7,256KB)
実施報告(H18(イ)・19)・中間報告(H19(ア))(PDF : 6,752KB)
実施報告(H15(イ)~18(ア))(PDF : 9,124KB)
実施報告等(H12~15(ア))(PDF : 7,514KB)

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