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エリートツリーコンテナ苗と下刈等省力化の実証試験

キーワード:エリートツリー、コンテナ苗、成長率、植付器具

1 開発目的

初期成長が早いエリートツリーとコンテナ苗を用いた実証試験により、成長特性を最大限発揮させ、再造林の低コスト化を目指す。

2 成果の概要

  • 成長量調査にあたっては、品種別(エリートツリー、在来種、精英樹)、植付時期別(秋植え、春植え)、苗種別(コンテナ苗、裸苗)の組み合わせによって行った。
  • 成長率による分析では、根元径では精英樹が高い傾向となり、樹高ではエリートツリーが高い値を示した。特にエリートツリーの樹高は2年目に高い成長率を示し、在来種と顕著な差が見られた。(図1)
  • さらに成長率を苗種別(コンテナ苗、裸苗)に比較すると、根元径では精英樹のコンテナ苗、樹高ではエリートツリーのコンテナ苗が高い成長率を示し、裸苗はそれらを下回わった。(図2)
品種別樹高成長率比較

図1 品種別樹高成長率比較

品種別苗種別根元直径及び樹高の成長率の比較

図2 品種別苗種別根元直径及び樹高の成長率の比較

3 成果の詳細

  • コンテナ苗の植付功程(能率)については、バール使用で563本/日(6時間)、スペード369本、プランティングチューブ383本、鍬423本となった。標準功程と比較するとどの器具でも2倍以上となった。(写真1、図3)
  • 試験地は無地拵としたことから、地拵えコストは100%減となった。植付コストについて、使用器具別の直接経費(労賃+苗木代)と、裸苗の標準的な功程よる植付コストを比較すると30%の減少となった。但し、標準的な功程は2,500本/ha(図4)
  • 成長量調査にあたっては、品種別、植付時期別、苗種別の組み合わせによって行った。
  • 根元径については、品種別では大きな差は見られなかったが、精英樹の春植えが若干優位な傾向を示した。コンテナ苗と裸苗の間に有意な差は見られなかった。樹高について、エリートツリーは他の2種よりも低位な値となった。これは、エリートツリーの植栽時の樹高が他の2品種より低かったことが原因と考えられる。
  • 一方、成長率による分析では、根元径では精英樹が高く、樹高ではエリートツリーが高い値を示した。(図1)
使用植付器具

写真1 使用植付器具

植付器具別1日当たり植付本数(コンテナ苗)

図3 植付器具別1日当たり植付本数(コンテナ苗)

植付器具別植付コスト比較

図4 植付器具別植付コスト比較

4 技術開発担当機関及びお問合せ先等

  • 担当機関:九州森林管理局 森林技術・支援センター
  • 共同研究機関:森林総合研究所九州支所、林木育種センター九州育種場
  • 実施箇所:山仮屋国有林122わ林小班(宮崎県日南市)
  • 開発期間:平成24年度~平成26年度
  • お問合せ先:九州森林管理局 森林技術・支援センター、ダイヤルイン(0985-82-2211)

5 参考情報

印刷板(PDF : 1,191KB)

[九州森林管理局Webサイト掲載情報]
完了報告・中間報告・実施報告等(H24・25)(PDF : 7,094KB)

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