ニホンジカ被害低減に向けた個体数調整方策
キーワード:ニホンジカ、生息分布、センサーカメラ
1 開発目的
ニホンジカによる被害を防止するため、ニホンジカの移動経路の把握や新たな捕獲手法、防除方法を確立する。
2 成果の概要
- センサーカメラによるニホンジカの撮影頻度が東信森林管理署、東濃森林管理署、南木曾支署管内で高く、これまでの生息分布(目撃)が拡大している。(図1)
- 中央アルプスでは標高2000m以上の地域で雌ジカが撮影された。
- GPS装着による行動把握により、中央アルプス周辺の個体は広域の季節移動は行わず、特定の流域に定着する傾向を把握した。(図2)

図1 地域別ニホンジカ撮影状況
「管轄」は森林管理署の管内

図2 中央アルプス周辺に設置されたセンサーカメラによるシカの撮影状況
3 成果の詳細
- 中部森林管理局管内に設置した325台(H28)のセンサーカメラの約5割でニホンジカが撮影された。(H29は420台)
- 撮影頻度が高い森林管理署(地域)は東信森林管理署(長野県東部)、東濃森林管理署(岐阜県南西部)、南木曾支署(長野県南西部)の管内で、これまでの生息分布(目撃)が拡大している。
- 中央アルプスでは標高2000m以上の地域で雌ジカが撮影された。
- GPS装着による行動把握により、中央アルプス周辺の個体は広域の季節移動は行わず、特定の流域に定着する傾向を把握した。これにより、生息が確認された箇所でも重点的な捕獲が効果的と推察される。
- 中部森林管理局では、ワナの貸出、委託捕獲及び猟友会との連携により、年間約3500頭(長野県内)のニホンジカを捕獲している。(図3)
- くくりわなを中心にセンサーカメラやGPSで行動を把握し、効率的にくくりわなを設定できることがわかった。

図3 国有林内ニホンジカ捕獲頭数(長野県内)
4 技術開発担当機関及びお問合せ先等
- 担当機関:中部森林管理局 技術普及課、関係森林管理署
- 共同研究機関:なし
- 実施箇所:北信、東信、中信、南信、木曽、南木曾、富山、飛騨、岐阜、東濃、愛知の各森林管理署等
- 開発期間:平成27年度~平成29年度
- お問合せ先:中部森林管理局 技術普及課、ダイヤルイン(050-3160-6548)
5 参考情報
[中部森林管理局Webサイト掲載情報]
平成29年度事業概要(重点取り組み事項)(PDF : 1,978KB)
中部森林管理局における獣害対策の取組(平成30年4月)(PDF : 1580KB)