クマ剥ぎ被害箇所でのヒノキアスナロの樹下植栽試験
キーワード:クマ剥ぎ被害、ヒノキアスナロ、樹下植栽、樹種転換、複層林施業
1 開発目的
スギ人工林のクマ剥ぎ被害が甚大な地域で、被害木の有効利用、公益的機能の維持と資源の循環利用が可能な森林施業の実施。
2 成果の概要
- ・スギ、ヒノキアスナロ垂直異種2段林の造成。(図1)(写真1)
- ・一環作業システム、スギコンテナ苗による効率的な事業実施。
- ・クマ剥ぎ被害防止対策の実施。(写真2)
図1 スギ、ヒノキアスナロ2段林造成地見取図
写真1 スギ、ヒノキアスナロ2段林
写真2 クマ剥ぎ被害防止対策
3 成果の詳細
- ・民国連携によるクマの皮剥被害に係る研修会を実施し、被害状況及び対策等についての情報共有が図られた。(写真3)
- ・素材生産において、被害木等は木質バイオマス用として販売することができた。(写真4)
- ・植栽したヒノキアスナロの苗は、苗の生産及び保育実績のある、佐渡アテビの会から調達し、今後の保育指導等もお願いすることとした。
- ・択伐区域においては、全天空写真(写真5)による空隙率(樹幹祖密度)の解析(表1)により、伐採前の約20%~約50%程度に上昇しており、多様な試験プロットの確保が可能となった。
写真3 研修会
伐採前
伐採後
写真5 全天空写真
写真4 低質材の販売
表1 空隙率の解析
4 技術開発担当機関及びお問合せ先等
- 担当機関:関東森林管理局 下越森林管理署
- 共同研究機関:新潟県森林研究所
- 実施箇所:古岐山国有林207る1林小班外(新潟県東蒲原郡阿賀町)
- 開発期間:平成28年度~平成30年度
- お問合せ先:関東森林管理局 下越森林管理署(0254-22-4146)