様々な苗サイズに適応した下刈技術の開発
キーワード:ヒノキ、苗木、下刈、低コスト、コンテナ苗、裸苗
1 開発目的
様々なサイズの苗に必要な下刈量を明らかにすることを目的とする。また、造林初期費用の抑制に繋がる苗木サイズの選択の指針作成に資することを目的とした。
2 成果の概要
- ・食害以外の枯死は下刈り量・苗木サイズに依存しない(図-1)。
図-1. 各苗の生存状況
- ・樹高成長は苗サイズに関係しない(図-2)。
図-2. 樹高成長
- ・肥大成長は苗サイズが大きいほど成長量が大きい(図-3)。
図-3. 肥大成長
3 成果の詳細
- ・各プロット内の活着率については、1年生コンテナ苗と1年生裸苗の双方とも活着したが、H29年度には、林縁に近い無下刈区が野兎による被害を受けている。その後、補植し忌避剤を2回散布したところ、補植苗には野兎の被害は見受けられていない。
- ・苗木サイズの大きい苗は無下刈区で陽光を求め徒長する傾向にあることが認められ、肥大成長では基部直径は無下刈区では低調で、それ以外でサイズが大きいほど成長している。
- ・被圧する植生の競合状態については、草本類の種類の調査は実施していないものの、苗木サイズが大きいほど競合(被陰)の影響が少ないこと及び隔年下刈区の各サイズの個体は50%以上が他植生の植生高を超えたC1~C2で毎年下刈区と遜色のない成長となっていることが認められた(図-4)。
図-4. 他植生との競合度
- ・毎年下刈と隔年下刈では、樹高成長、肥大成長ともに成長に遜色がないことから、隔年下刈による保育コストの削減の可能性が示唆された。
4 技術開発担当機関及びお問合せ先等
- 担当機関:関東森林管理局 森林技術・支援センター
- 共同研究機関:森林総合研究所
- 実施箇所:茨城森林管理署(茨城県笠間市)
- 開発期間:平成28年度~平成30年度
- お問合せ先:関東森林管理局 森林技術・支援センター(0296-72-1146)
5 参考情報
印刷版(PDF : 1,081KB)
[関東森林管理局Webサイト掲載情報]
完了報告(PDF : 79KB)