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実生コンテナ苗を用いた一貫作業システムによる低コスト造林技術の実証試験

キーワード:一貫作業システム、機械地拵え、ロングリーチグラップル、低コスト、コンテナ苗、夏植え、生存率

1 開発目的

素材生産で使用する機械とコンテナ苗の活用により、伐採・地拵え・植栽を連携して行う一貫作業システムの実証試験を行い、関東における低コスト造林技術を開発する。

2 成果の概要

  • 地拵えのコスト削減には、ロングリーチグラップルとレーキの組み合わせが有効である。(写真1)
  • 機械地拵えの作業能率は最大で人力の10倍となった。(図1)
  • コンテナ苗(写真2)については、夏植栽の場合は活着が普通苗より成績がよく(図2)、成長(成長率)は普通苗を上回る場合もあり、北関東地方でもコンテナ苗の植栽可能時期は広い可能性がある。
レーキ使用のロングリーチグラップル                「作業方法別地拵え作業能率(歩掛)」

写真1 レーキ使用のロングリーチグラップル              図1 「作業方法別地拵え作業能率(歩掛)」

写真2 コンテナ苗(スリット苗)                    季節別植栽の生存率

写真2 コンテナ苗(スリット苗)                    図2 季節別植栽の生存率  
                                                         (春植え(4月)、夏植え1(7月)、夏植え2(8月)、秋植え2(9月)

3 成果の詳細

  • 機械による地拵えの作業能率は人力の3~10倍。歩掛は2~5人日/haで、人力の01月03日~01月10日。機械地拵えが可能な面積の比率が高い事業地では地拵えコストの削減が可能である。(図1)
  • ロングリーチグラップル利用は効果的で、レーキを使用した場合にはさらにコスト削減の効果がある。(図1)
  • コンテナ苗と普通苗の季節別植栽の生存率については、春植え以外の場合(夏植え、秋植え)は、コンテナ苗が普通苗と同等かそれ以上となった。(図2)
  • コンテナ苗等の季節別植栽の樹高成長率については、春植え以外の場合はコンテナ苗がわずかに有利である(図3)。但し、植付時の苗木のサイズは裸苗の方が大きいので、苗高そのものは裸苗の方が現時点で高い。
  • コンテナ苗等の季節別植栽の肥大成長率については、春植え以外の場合はコンテナ苗が有利である(図4)。但し、植付時の苗木のサイズは裸苗の方が大きいので基部直径そのものは裸苗の方が現時点で大きい。
  • 季節別植栽の形状比は、季節及びコンテナ・普通苗の区分に大きな差がなく、70前後に収束する傾向である。
  • 秋植えの場合、特に斜面上部で寒風害による枯損があった。
季節別植栽の樹高成長

図3 季節別植栽の樹高成長

季節別植栽の肥大成長

図4 季節別植栽の肥大成長

4 技術開発担当機関及びお問合せ先等

  • 担当機関:茨城森林管理署、関東森林管理局 技術普及課、資源活用課、森林整備課、森林技術・支援センター
  • 共同研究機関:森林総合研究所
  • 実施箇所:茨城森林管理署 梅香沢国有林253か林小班(茨城県東茨城郡城里町)
  • 開発期間:平成25年度~平成27年度
  • お問合せ先:関東森林管理局 技術普及課、ダイヤルイン(027-210-1175)

5 参考情報

印刷版(PDF : 733KB)

[関東森林管理局Webサイト掲載情報]
完了報告(PDF : 145KB)
完了報告添付資料(PDF : 2,554KB)
 <分割版>
  完了報告添付資料 Part1(PDF : 1,042KB)
  完了報告添付資料 Part2(PDF : 1,719KB)
マニュアル(PDF : 368KB)

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