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ヒバコンテナ苗による低コスト育林手法の開発

キーワード:ヒバ、コンテナ苗、夏植え、低コスト

1 開発目的

ヒバコンテナ苗の育苗、植栽、育林方法の実証試験を行い、コンテナ苗の改良とヒバコンテナ苗の植栽、育林方法の効率化を行う。

2 成果の概要

  • 裸苗(5年生)とコンテナ苗(3年生)の植栽功程(能率)については、1本あたりの植付時間はコンテナ苗が約36%少ない。(図1)
  • 秋植え植栽後4年目の裸苗とコンテナ苗では生存率はほとんど変わらない。(図2)
  • 夏植え(6~8月)のコンテナ苗については、各月とも生存率99%以上となった。(図3)
  • 裸苗とコンテナ苗の成長量については、苗高は裸苗が少し高いが、根元径はあまりかわらない。

表1 ヒバコンテナ苗試験地概要(7試験地ともに青森県内に設置)

ヒバコンテナ苗試験地概要(7試験地ともに青森県内に設置)
ヒバコンテナ苗と植栽地

写真1 ヒバコンテナ苗と植栽地

3 成果の詳細

  • 裸苗(5年生)とコンテナ苗(3年生、300cc)の植栽功程(能率)については、1本あたりの植付時間は裸苗が50秒、コンテナ苗が32秒かかった。コンテナ苗が裸苗より約36%少ない。(図1)
    なお、双方の苗木重量はほとんど変わらない。
  • 秋植え植栽後4年目の裸苗とコンテナ苗の生存率はそれぞれ93%と95%でほとんど変わらないが、枯死の原因が、活着しない、下刈り時の誤伐、獣害、積雪移動による苗抜けで、苗抜けはコンテナ苗のみの原因であることから、苗抜けを改善することでコンテナ苗の生存率がさらに高まるとの考え。(図2)
  • 6月下旬、7月下旬、8月下旬にヒバコンテナ苗3年生150ccをそれぞれ67本植栽し、生存率を調査した。10月下旬に調査した結果、各月とも99%以上と高い生存率であった。(図3)
  • コンテナ苗(2年生、150cc)の秋冬植え(11月中旬、11月下旬、12月上旬)の生存率についても93%以上と高かったが、苗抜けによる枯死の可能性がある。
  • 裸苗とコンテナ苗の成長量を比較すると、苗高は裸苗が少し高いが、根元径はあまりかわらない。
    なお、形状比はコンテナ苗で毎年減少してきている。コンテナ苗は養分を肥大成長に利用している可能性あり。
  • 育林価格は裸苗もコンテナ苗も1本340円であるが、コンテナ苗の普及等によりコンテナ苗コストは20%程度節減できる見込み。
                                 植栽功程調査(青森署、1本当たりの植付け秒数)

                               図1 植栽功程調査(青森署、1本当たりの植付け秒数)  

           裸苗及びコンテナ苗の生存率と枯死原因(青森署)                     夏植えの生存率(金木支署 235ち林班4小班)

      図2 裸苗及びコンテナ苗の生存率と枯死原因(青森署)                   図3 夏植えの生存率(金木支署 235ち林班4小班)

4 技術開発担当機関及びお問合せ先等

  • 担当機関:東北森林管理局 森林技術・支援センター
  • 共同研究機関:なし
  • 実施箇所:青森森林管理署619林班ろ1、3小班(青森県東津軽郡外ヶ浜町)、三八上北森林管理署1101林班は小班(青森県上北郡野辺地町)、ほか5個所
  • 開発期間:平成27年度~平成29年度
  • お問合せ先:東北森林管理局 森林技術・支援センター、ダイヤルイン(0173-57-2001)

5 参考情報

印刷版(PDF : 654KB)

[東北森林管理局Webサイト掲載情報]
完了報告(PDF : 628KB)中間報告(H28)(PDF : 922KB)

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