北海道国有林におけるコンテナ苗の効果の検証(造林・保育コストの低減)
キーワード:コンテナ苗、裸苗、活着率、夏植え、植付器具、形状比、低コスト
1 開発目的
北海道におけるコンテナ苗導入の造林・育林面からの効果を検証する。
2 成果の概要
- コンテナ苗は裸苗に比べて根系が発達し、活着もよい。(図1、図3)
- 夏植えの場合の活着・成長は他の時期と同等と期待できる。(図2)
- 植付器具を使用することで、誰が植えても高い植栽効率が期待できる。(図5)
- 伐採・造林の一貫作業は、急傾斜で機械作業が困難な場合はコスト削減効果がない。

図1 試験地別樹種別コンテナ苗と裸苗の活着状況

図2 夏期植栽と春・秋植栽との活着率比較
3 成果の詳細
- T/R率は裸苗よりもコンテナ苗の方が低く、コンテナ苗の方が根が充実していると考えられる。(図3)
- 活着率は裸苗よりもコンテナ苗の方が高く、コンテナ苗の方が生存率は高いと言える。(図1)
- 樹高成長の比較については、植栽後2年間はコンテナ苗の方が裸苗よりも成長量が大きいが、3年目以降は成長量が逆転し、樹高差が拡大していく。(図4)
- 形状比の比較については、植栽当初はコンテナ苗の方が裸苗よりも形状比が高いが、3年目以降次第に形状比の差は減少していく。
- 夏植えのコンテナ苗の活着率は春植え、秋植えと比較してほぼ同程度。また、成長も同程度である。(図2)
- コンテナ苗の植付功程(能率)は、クワによる裸苗植栽が3.08人工/1,000本であるところ、クワによるコンテナ苗植栽では2.88人工/1,000本である。ディプルの場合は2.75/1,000本となる。しかし、植付器具と地形・土質とのマッチングが必要。(図5)
図3 コンテナ苗と裸苗のT/R率調査

図4 コンテナ苗の経年成長の状況

図5 裸苗・コンテナ苗別植付機器別植付功程比較
4 技術開発担当機関及びお問合せ先等
- 担当機関:北海道森林管理局 森林整備第一課、森林技術・支援センター
- 共同研究機関:森林総合研究所北海道支所
- 実施箇所:上川北部森林管理署 2200か林小班ほか
- 開発期間:平成26年度~平成28年度
- お問合せ先:北海道森林管理局 森林技術・支援センター、ダイヤルイン(0165-23-2161)
5 参考情報
[北海道森林管理局Webサイト掲載情報]
平成28年度技術開発委員会資料(完了報告資料)(PDF : 1228KB)
第66回北方森林学会発表ポスター(PDF : 1,198KB)
平成28年度未来につなぐ森林づくり交流会発表資料(PDF : 146KB)