国際熱帯木材機関(ITTO)
目次
1.国際熱帯木材機関(ITTO)の概要と我が国の貢献2.国際熱帯木材理事会(ITTC)
3.ITTOの活動
4.関連リンク集
1. ITTOの概要と我が国の貢献
国際熱帯木材機関(International Tropical Timber Organization(ITTO))は、熱帯林の持続可能な経営の促進と持続的かつ合法的に生産された熱帯木材の貿易の発展を目的として、1986年に設立された国際機関で、加盟国(2025年5月現在、生産国(37か国)、消費国(38か国)計75か国及び欧州連合)間の政策協議及び国際協力を推進しています。我が国に本部を置く数少ない国際機関の一つで、横浜市に本部が設置されています。
主な活動は、「政策活動」と「事業活動」に大別されます。「政策活動」としては、熱帯林の持続可能な経営を促進するためのガイドラインや基準・指標の策定等を実施、「事業活動」としては、これまで1,200件を超えるプロジェクトを実施するなど、木材生産国内における取組を支援しています。
林野庁では、ITTOに対して、持続可能な熱帯林経営の推進や持続可能な木材利用の推進のためのプロジェクトに必要な経費を拠出しています。
【ITTO加盟国】
ITTOの概要、活動、我が国の貢献について、詳しくはこちら(PDF : 5,464KB)をご参照下さい。
林野庁が拠出し、近年完了したプロジェクト等の概要、成果、活動写真等は、こちらをご参照下さい。
2. 国際熱帯木材理事会(ITTC)
国際熱帯木材理事会(International Tropical Timber Council(ITTC))は、ITTOの最高意思決定機関として、各国共通の課題や取組方針の検討、ガイドラインの作成などの活動計画の決定、プロジェクト提案の承認等を行っています。ITTCは、4つの委員会で構成され、各委員会において政策やプロジェクトに関する助言や支援等について議論しています。
【ITTOの組織体制】
・「2006年国際熱帯木材協定(ITTA2006)」の再交渉に向けたプロセスに向けた方向性や現在のITTO事務局長の任期延長
等について決議
・林野庁から、コートジボワールにおける食料生産等と調和した森林経営とインド国内市場における持続可能なチーク材利
用の促進に関する2つのプロジェクトへの拠出を表明
過去の理事会の結果についてはこちら
3. ITTOの活動
I.合法で持続可能なサプライチェーンの構築
ITTOは、持続可能な森林経営の基準や違法な木材貿易の阻止に向けた国際的なガイドラインを策定しています。それらを普及するために、合法で持続可能なサプライチェーン(Legal & Sustainable Supply Chains(LSSC))の構築に関するプロジェクトを実施しています。
【これまでの主な成果】
ITTOは、持続可能な森林経営(Sustainable Forest Management(SFM))の熱帯諸国での普及に向けて、生物多様性の保全、人工林経営技術の向上及び森林火災の予防・対応能力向上等のプロジェクトを実施しています。
【これまでの主な成果】
【林野庁の拠出により実施中のSFMプロジェクト】
コスタリカにおける人工林経営の競争力向上(外部リンク)
コートジボワール北部ラ・パレ及びブンディアリ公有林におけるアフリカンローズウッドの地域コミュニティ参加による保全(フェーズ1)(外部リンク)
コートジボワール北部ラ・パレ及びブンディアリ公有林におけるアフリカンローズウッドの地域コミュニティ参加による保全(フェーズ2)(外部リンク)
ITTOは、熱帯木材生産国における脱炭素社会の実現に向け、我が国における木材利用施策の経験を参考に、「持続可能な木材利用(Sustainable Wood Use(SWU))」促進プロジェクトを展開しています。
また、森林に関する実質的なプログラムを有する国際組織・機関・事務局間の自主的なパートナーシップ「森林に関する協調パートナーシップ(Collaborative Partnership on Forest (CPF))(外部リンク)」に発足当時から参加し、2018年5月に採択されたCPFの共同イニシアティブ「持続可能な世界のための持続可能な木材(Sustainable Wood for a Sustainable World(SW4SW))(外部リンク)」をFAO等とともに主導しています。
林野庁は、ITTOへの資金拠出により、2021年から、アジアの主要な国におけるSWU促進プロジェクトを支援しています。
【これまでの主な成果】
【林野庁の拠出により実施中のSWU促進プロジェクト】
タイにおける持続可能な木材製品の国内消費の促進(外部リンク)
インドネシアにおける木材製品国内市場の開拓(外部リンク)
マレーシア国内市場における持続可能な木材利用の促進(外部リンク)
インド国内市場における持続可能なチーク材利用の促進(外部リンク)
<2023年>
木材協定第28条に基づき、ITTOが隔年で作成・公表しているものです。
「熱帯木材貿易の動向」(同報告書のデータを整理し図示)(日本語)(PDF : 2,060KB)
報告書のリンクはこちら(外部リンク。過去の報告書もご覧になれます。)
「中国及びベトナムにおける持続可能な木材貿易のための合法性確認システム」プロジェクトセミナー概要
2023年3月、林野庁の資金拠出によるITTOプロジェクトにおいて、中国及びベトナムからの木材・木材製品の輸入事業者
が合法性確認を行う上での課題の把握・分析、両国の現行の合法性確認システムの分析・評価など、現地での優良事例の
収集・分析を行った結果を事業者等に共有するためのセミナーが開催されました。
事業者向け概要:中国(PDF : 1,678KB)、ベトナム(PDF : 1,338KB)
上記セミナーでの発表資料及び動画のリンクはこちら(外部リンク)
<2021年>
報告書「インドの木材需給2010-2030」
2021年9月、ITTOは、「インドの木材需給2010-2030」(原文・英語)と題して、インドの2019年までの森林・林産物・木材関連産業の動向(第1,2章)と2030年までの需要予測(第3章)を分析した報告書を公表しました。
「インドの木材需給2010-2030」概要(日本語)(PDF : 250KB)
報告書のリンクはこちら(PDF : 5,549KB)(外部リンク))
報告書「世界の木材に関する隔年評価報告書2019-2020」
2021年8月、ITTOは「世界の木材に関する隔年評価報告書2019-2020」(原文・英語)と題して、特に熱帯木材に焦点を当て、2019~2020年における世界の木材市場の動向を整理した報告書を公表しました。この報告書は、2006年国際熱帯木材協定第28条に基づき、ITTOが隔年で作成・公表しているものです。
「世界の木材に関する隔年評価報告書2019-2020」概要(日本語)(PDF : 333KB)
「熱帯木材貿易の動向」(同報告書のデータを整理し図示)(日本語)(PDF : 1,017KB)
報告書のリンクはこちら(外部リンク。過去の報告書もご覧になれます。)
2021年7月、ITTOは、「熱帯木材2050」(原文・英語)と題して、将来における熱帯木材の需給と熱帯木材による持
続可能な経済への貢献を分析した報告書を公表しました。
「熱帯木材2050」概要(日本語)(PDF : 355KB)
報告書原文のリンクはこちら(PDF : 6,960KB)(外部リンク)
4. 関連リンク集
ITTO公式HP
ITTO公式HP出版物・報告書
外務省HP(ITTO概要)
お問合せ先
林政部木材利用課木材貿易対策室
担当者:貿易第二班
ダイヤルイン:03-3502-8063