国際熱帯木材機関(ITTO)
1. ITTOの概要と我が国の貢献
国際熱帯木材機関(International Tropical Timber Organization(ITTO))は、熱帯林の持続可能な経営の促進と持続的かつ合法的に生産された熱帯木材の貿易の発展を目的として、1986年に設立された国際機関で、加盟国(熱帯木材の生産国・消費国)間の政策協議及び国際協力を推進しています。我が国に本部を置く数少ない国際機関の一つで、横浜市に本部が設置されています。
主な活動は、「政策活動」と「事業活動」に大別されます。「政策活動」としては、熱帯林の持続可能な経営を促進するためのガイドラインや基準・指標の策定等を実施、「事業活動」としては、これまで1,200件を超えるプロジェクトを実施するなど、木材生産国内における取組を支援しています。
林野庁では、ITTOに対して、本部事務局経費に加え、持続可能な熱帯林経営の推進や持続可能な木材サプライチェーン構築支援のための普及・啓発・人材育成に必要な経費を拠出しています。
ITTOの概要、活動、我が国の貢献について、詳しくはこちら(PDF : 5,313KB)をご参照下さい。
林野庁が拠出し、近年完了したプロジェクト等の概要、成果、活動写真等は、こちらをご参照下さい。
2. 国際熱帯木材理事会(International Tropical Timber Council(ITTC))
ITTCは、ITTOの最高意思決定機関として、各国共通の課題や取組方針の検討、ガイドラインの作成などの活動計画の決定、プロジェクト提案の承認等を行っています。ITTCは、4つの委員会で構成され、各委員会において政策やプロジェクトに関する助言や支援等について議論しています。
最近のITTCの結果については、以下のページをご参照下さい。
・2026年まで5年間延長中の「2006年国際熱帯木材協定(ITTA2006)」の再延長の賛否について、2024年6月1日までに
メールベースの投票を行うことを決議
・林野庁から、コートジボワールにおける食料生産等と調和した森林経営とマレーシアにおける持続可能な木材利用促進の
2つのプロジェクトへの拠出を表明
過去の理事会の結果についてはこちら
3. ITTOの活動
I. 持続可能な木材利用(Sustainable Wood Use(SWU))の推進
ITTOは、森林に関する実質的なプログラムを有する国際組織・機関・事務局間の自主的なパートナーシップ「森林に関する協調パートナーシップ(Collaborative Partnership on Forest (CPF))(外部リンク)」に発足当時から参加し、2018年5月に採択されたCPFの共同イニシアティブ「持続可能な世界のための持続可能な木材(Sustainable Wood for a Sustainable World(SW4SW))(外部リンク)」をFAO等とともに主導しています。
林野庁は、ITTOへの資金拠出により、2021年から、我が国の木材利用拡大の経験を踏まえ、東南アジアの主要な国において、(ア)木材利用促進のための政策枠組の整備、(イ)現地ニーズに沿った実証的取組、(ウ)関係者の能力構築等を実施し、各国における木材消費拡大に向けた取組を支援しています。
2022年12月、ITTOは、我が国や欧米諸国における木材利用促進に向けた政策・取組等を先進事例として調査・分析し
た報告書を取りまとめました。
同報告書は、ベトナムをはじめ、ITTOが展開する「持続可能な木材利用」促進プロジェクト実施国にも共有され、熱帯
木材生産国における「持続可能な木材利用」の促進に関連する戦略の策定・政策枠組の整備の検討に使用されます。
Policies and Initiatives for Sustainable Wood Use Promotion by Public and Private Sectors in Japan(PDF : 2,827KB)
Policies and Initiatives for Sustainable Wood Use Promotion by Public and Private Sectors in the USA and Europe(PDF : 4,126KB)
(2)我が国の拠出により実施中のSWU促進プロジェクト
ベトナムにおける持続可能な木材消費の促進(外部リンク)(日本語概要(PDF : 109KB))
タイにおける持続可能な木材製品の国内消費の促進(外部リンク)(日本語概要(PDF : 74KB))
インドネシアにおける木材製品国内市場の開拓(外部リンク)(日本語概要(同上)(PDF : 74KB))
マレーシア国内市場における持続可能な木材利用の促進(外部リンク)(日本語概要(PDF : 86KB))
インド国内市場における持続可能なチーク材利用の促進(外部リンク)
(3)G7宮崎農業大臣会合サイドイベント「持続可能な木材利用によるネット・ゼロ及び循環経済の実現に向けて」
2023年4月、宮崎県において開催されたG7農業大臣会合に先立ち、農林水産省主催のサイドイベントとして行われたセ
ッションにおいて、シャーム・サックルITTO事務局長がモデレーターを務めました。
本セッションでは、持続可能な木材利用によるネット・ゼロ及び循環経済の実現に向けて、G7メンバー国はもとより、
G7メンバー以外の国々、国際機関や民間セクター、研究機関と協力して、持続可能な森林経営と木材利用に関する行動
をグローバルに促進することを確認、発信しました。
詳細な結果概要はこちら
(4)ポリシーブリーフ「合法で持続可能な熱帯木材の国内利用拡大の促進」
2024年1月、ITTOは、我が国の拠出により実施中のSWU促進プロジェクトで得られた知見や課題を基に、熱帯木材生
産国における木材利用の拡大に向けた政策を提言するポリーブリーフを公表しました。
ポリーブリーフ本文(英語)のリンクはこちら(PDF : 8,006KB)(外部リンク)
ポリーブリーフの基になった分析報告書(英語)の本文はこちら(PDF : 607KB)(外部リンク)
II. その他の活動、出版物・報告書等
〇セミナー等
「中国及びベトナムにおける持続可能な木材貿易のための合法性確認システム」プロジェクト
2023年3月、林野庁の資金拠出によるITTOプロジェクトにおいて、中国及びベトナムからの木材・木材製品の輸入事業者
が合法性確認を行う上での課題の把握・分析、両国の現行の合法性確認システムの分析・評価など、現地での優良事例の
収集・分析を行った結果を事業者等に共有するためのセミナーが開催されました。
事業者向け概要:中国(PDF : 1,678KB)、ベトナム(PDF : 1,338KB)
上記セミナーでの発表資料及び動画のリンクはこちら(外部リンク)
〇出版物・報告書等
<2023年公表>
報告書「世界の木材に関する隔年評価報告書2021-2022」
2023年9月、ITTOは「世界の木材に関する隔年評価報告書2021-2022」(原文・英語)と題して、特に熱帯木材に焦点を
当て、2021~2022年における世界の木材市場の動向を整理した報告書を公表しました。この報告書は、2006年国際熱帯
木材協定第28条に基づき、ITTOが隔年で作成・公表しているものです。
「熱帯木材貿易の動向」(同報告書のデータを整理し図示)(日本語)(PDF : 2,060KB)
報告書のリンクはこちら(外部リンク。過去の報告書もご覧になれます。)
<2022年公表>
ITTO戦略的行動計画2022-2026
2022年6月、ITTOは、今後5年間にわたって、ITTOの「政策活動」及び「事業活動」の指針となる「ITTO戦略的行動計画
2022-2026」を公表しました。戦略的重点分野として、「ガバナンスと投資」、「経済と熱帯木材貿易」、「強靭性、再
生と保全」及び「統計と情報」の4分野が示されました。
計画本文のリンクはこちら(外部リンク)
ポリシーブリーフ「アフリカの森林における協働事業のための教訓」
2022年8月、ITTOは、西・中部アフリカにおける10件のITTOプロジェクトからの教訓をまとめ、ITTOとアフリカ開発会
議(TICAD)の今後の協力分野について提案するポリシーブリーフをTICAD8に向けて公表しました。
ポリシーブリーフ本文(日本語)のリンクはこちら(PDF : 3,781KB)(外部リンク)
ポリシーブリーフ「生物多様性と人々のための成果向上」
2022年8月、ITTOは、「ITTO-生物多様性条約(CBD)共同イニシアティブ」の下で実施した16件のITTOプロジェクト
からの教訓をまとめ、今後のプロジェクトへ活かすためのポリシーブリーフを公表しました。
ポリシーブリーフ本文(日本語)のリンクはこちら(PDF : 2,013KB)(外部リンク)
<2021年公表>
報告書「熱帯木材2050」
2021年7月、ITTOは、「熱帯木材2050」(原文・英語)と題して、将来における熱帯木材の需給と熱帯木材による持
続可能な経済への貢献を分析した報告書を公表しました。
「熱帯木材2050」概要(日本語)(PDF : 355KB)
報告書原文のリンクはこちら(PDF : 6,960KB)(外部リンク)
報告書「世界の木材に関する隔年評価報告書2019-2020」
2021年8月、ITTOは「世界の木材に関する隔年評価報告書2019-2020」(原文・英語)と題して、特に熱帯木材に焦点を当て、2019~2020年における世界の木材市場の動向を整理した報告書を公表しました。この報告書は、2006年国際熱帯木材協定第28条に基づき、ITTOが隔年で作成・公表しているものです。
「世界の木材に関する隔年評価報告書2019-2020」概要(日本語)(PDF : 333KB)
「熱帯木材貿易の動向」(同報告書のデータを整理し図示)(日本語)(PDF : 1,017KB)
報告書のリンクはこちら(外部リンク。過去の報告書もご覧になれます。)
報告書「インドの木材需給2010-2030」
2021年9月、ITTOは、「インドの木材需給2010-2030」(原文・英語)と題して、インドの2019年までの森林・林産物・木材関連産業の動向(第1,2章)と2030年までの需要予測(第3章)を分析した報告書を公表しました。
「インドの木材需給2010-2030」概要(日本語)(PDF : 250KB)
報告書のリンクはこちら(PDF : 5,549KB)(外部リンク)
お問合せ先
林政部木材利用課木材貿易対策室
担当者:貿易第二班
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