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林野庁

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第5回APEC林業担当大臣会合の結果について


2022
年8月23日から25日に、第5回APEC林業担当大臣会合がタイ・チェンマイで開催されました。

会場の様子

会場の様子

1.会合のテーマ

今回の会合は、「あらゆる面でのバランス:森林資源の管理と合法的に収穫された林産物の取引を通じた持続可能性」を全体テーマとして、以下2つのセッションが開催されました。
セッション1:林産物の管理を通じた持続可能性
セッション2:合法的に収穫された林産物の取引

2.我が国からの発信

会合は主催者であるタイ天然資源・環境大臣の挨拶から始まり、ゲストとして招かれた国際機関による基調講演が行われたのち、各国・地域の参加者からそれぞれスピーチが行われました。我が国は、主催国であるタイの指名により、セッション1の最初にスピーチを行いました。
我が国(林野庁:森次長)からは、初めに地域の平和と安定の重要性について強調した後、持続可能な森林経営の重要性や、持続可能な木材の利用の促進に向けた国内の取組や関連する国際協力、再生可能な資源である木材の循環的な利用による脱炭素社会の実現への貢献などについて訴えました。
 

3.会合の概要

森林被覆目標の達成
会合では、2007年のシドニーAPEC首脳宣言で定められた、森林被覆目標の達成が報告されました。APEC地域の森林被覆が2007年から2020年の間に2,790万ヘクタール増加し、2020年までに2,000万ヘクタール増加という当初の目標を上回る成果が得られました。

各種課題への取組
会合の中で以下の課題が取り上げられました。

  • 持続可能な森林経営、森林保全及び森林再生に関連するAPECの既存のコミットメントの実施を再確認する。
  • 森林被覆の維持、森林損失の抑止と好転、森林の回復と持続可能な管理・経営、都市部及び郊外における森林や緑地の増加、女性や子供など社会的に弱い立場の人々の生活向上に向けた努力を強化する。
  • 効果的な政策の実施、情報や優良事例の共有などにより、違法伐採対策のための協力関係を強化する。
  • 合法的な木材取引を促進し、持続可能な森林経営から生産された木材・木材製品の利用を促進するため、国際機関や民間セクターを含む関係者との協力を強化する。
  • 持続可能な森林経営と合法的な木材の取引について、科学的知識の交流を促進し強化する。
  • COVID-19後の経済回復に、森林と持続可能な森林経営を含める。
  • 国際的な森林に関連する協定や宣言、関連する条約に貢献する。
  • 気候変動への効果的な対処、気候変動の緩和、適応、回復を支援する。
  • 議長国タイの提唱する経済モデルなど、より全体的で相乗効果のあるアプローチを、森林分野、特に持続可能な森林経営に適用する。


4.会合の成果

今回の会合の成果物は、従来の大臣声明ではなく議長声明の発出となりました。APECは、アジアやオセアニアのほか、ロシア、カナダ、米国や中南米の国まで幅広く参加していることに特徴があります。今回の会合では、現下の国際情勢の緊迫化が影響したためか、参加者間での意見の対立が顕在化し、合意に至りませんでした。
議長声明では、持続可能な森林経営に加えて、我が国が主張した「持続可能な木材利用」についても言及されました。

第5回APEC林業担当大臣会合 議長声明(PDF : 329KB) 仮訳(PDF : 291KB)

林野庁の森次長とタイ大臣との記念撮影

お問合せ先

林政部木材利用課

担当者:貿易第一班
代表:03-3502-8111(内線6130)
ダイヤルイン:03-3502-8063

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