北海道国有林の大自然、森林づくりの現場などから届いた”HOTな写真”を掲載していくギャラリーです
森林(もり)の撮っておき!(2024年9月)
大雪山・沼ノ原(大沼)(2024年9月29日撮影)
朝晩はすっかり冷え込むようになり、大雪山系では雪もちらついているようです。
週末の天気が良さそうなので、大雪山系の沼ノ原(大沼)に足を延ばしてみました。
登山道に通じる林道は相次ぐ大雨災害等に見舞われ、そのたびに復旧工事がされておりましたが、令和5年度にその工事が完了したということで、この機を逃すまいと向かいました。
一帯は「大雪山国立公園」に指定されているとともに、林野庁が「大雪山森林生態系保護地域」に指定しており、保護林として厳格に保護・管理しております。
登山道から白雲岳方面を望む。麓はすっかり紅葉しておりました。
沼ノ原から見るトムラウシ山(左)と五色ヶ原(右)。
東大雪方面も見えました。右から二ぺの耳、石狩岳、音更山。
大沼から見たトムラウシ山。風が無いと水面に山並みが映ります。
数日すると旭岳にも雪が積もり、大雪山系には長く、深く、厳しい冬が訪れます。
道すがら、層雲峡のあたりも紅葉が真っ盛りで、目に鮮やかな週末となりました。
(後志森林管理署 森林情報管理官 堀田)
2024年のミズナラのどんぐりは…(2024年9月5日撮影)
こんにちは、苫小牧市の糸井森林事務所 森林官の腰越です。
さて、お盆も過ぎ北海道はだんだんと朝晩涼しい気候になってきました。
林道を走行していると、葉を落とすのが早いドロノキの葉っぱがハラハラと落ちてくるようになり晩夏初秋を感じます。
秋めいてきた空
私が担当する糸井地区では色々な樹種の花や実が例年よりも旺盛についている気がします。その中でもウィスキーの酒樽に利用されている木としても知られている「ミズナラ」のどんぐりについてお話ししたいと思います。
リンク「北海道の木のえほん7ミズナラ」index-15.pdf (maff.go.jp)
皆さんがお住まいの地域でよく見るドングリはどんな形でしょうか?ミズナラのどんぐりは、わりとずんぐりしていて個人的にはTHEドングリという印象です。
まだ緑色のミズナラのどんぐり まるっとぷりっとしていて拾いがいがあります
ドングリには豊凶があるため糸井地区ではここ2年、ドングリが生っている木が少ない印象でした。
今年は林内を歩いていると頻繁にドングリがボトッと落ちてくる音がするのでドキッとしますが、そんな年にはドングリがたくさん生っているということなので山にたくさんの恵みを与えてくれそうですね。
ついていない木もややあるので、糸井地区での豊凶度は並作くらいです。
さて、今年は道南地区で「ナラ枯れ」というナラ類が枯死してしまう病により8本の木が枯死する被害が確認され、ニュースや新聞でご覧になった方も多いのではないでしょうか?
「カシノナガキクイムシ」という5mm程度の小さな昆虫が、ナラ菌というカビの一種を木に持ち込んでしまうことで引き起こされ、8月から9月ごろに急速に赤茶色に枯れあがります。
ナラ枯れの被害は本州でしか確認されていませんでしたが、近年気温の上昇により、カシノナガキクイムシが生息できる環境に変わってきたためか、ついに北海道でも確認されるようになりました。
ナラ枯れやカシノナガキクイムシの生息は自然のサイクルの一部ではありますが、今までいなかった地域に新しく侵入するとなるとどんな被害規模になるか予想が難しいです。蔓延してしまうと貴重なナラ資源が失われてしまうため、国有林での発生を目撃された際には、お近くの森林管理署に情報いただけると幸いです。
最後になりますが、現場巡視の帰り道でアライグマの足跡や魂が抜けたカブトムシのメスをみつけました。
アライグマの足跡
カブトムシのメス
アライグマは北米原産の哺乳類で、足跡が人間の手のように指が長いのが特徴です。
カブトムシは元々北海道には生息してなかった生き物で、1970年代から本格的に北海道で定着しました。
今年も子供たちをはじめ、たくさんのカブトムシ愛でる方々がカブトムシを飼育したのではないでしょうか?
そろそろお別れの時期です。飼育していた個体を山に返すと埋めに来る方もいらっしゃいますが、飼育していた生き物は自然にない菌や小さな虫と共に暮らしていたかもしれませんので、山に住む在来種のクワガタなどを守るためにも適切にお空へ返してあげてください。ご協力お願いします。
(胆振東部森林管理署 糸井森林事務所 森林官 腰越)
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総務企画部 企画課
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