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北海道森林管理局

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    森の撮っておき!

    北海道国有林の大自然、森林づくりの現場などから届いた”HOTな写真”を掲載していくギャラリーです

    森林(もり)の撮っておき!(2022年9月)

    寒い地域では体が小さくなる? 2022年9月11日 撮影

    9月11日、積丹半島の付け根にある余市町の余市神社周辺の国有林を散策しました。
    この地域には、日本海要素と呼ばれる、日本海側の積雪地帯に対応して、矮小化、匍匐(ほふく)型に変異した樹木が一通り見られます。
    余市神社
    余市神社

    この日、観察できた樹木は、ヒメアオキ、エゾユズリハ、ツルシキミ、ハイイヌガヤで、いずれも、地面を這うように、林床に拡がっていました。
    ヒメアオキ、エゾユズリハ、ツルシキミは、北海道では、数少ない常緑広葉樹で、冬の間は、雪の下に埋もれて、長くて寒い冬を耐え忍んでいます。なお、ヒメアオキは、積丹半島が分布の北限(東限)になります。

    日本海要素であるヒメアオキ、エゾユズリハ、ツルシキミ、ハイイヌガヤに対応する太平洋要素の樹木は、それぞれ、アオキ、ユズリハ、ミヤマシキミ、イヌガヤです。
    ちょうど、夏季休暇を利用して、千葉県に帰っていたので、千葉県に自生している太平洋要素の樹木の写真を撮ってきました。両者を比較してみてください。

    寒い(雪が多い)地域では、樹木は、体が小さくなるんですね。ちなみに、体も小さくなりますが、葉っぱも小さくなります。

    ヒメアオキ(北海道):樹高50センチメートル
    ヒメアオキ


    アオキ(千葉県):樹高5メートル
    アオキ


    エゾユズリハ(北海道):樹高1メートル
    エゾユズリハ

    ユズリハ(千葉県):樹高8メートル
    ユズリハ


    ツルシキミ(北海道):樹高30センチメートル
    ツルシキミ

    ミヤマシキミ(千葉県):樹高2メートル
    ミヤマシキミ


    ハイイヌガヤ(北海道):樹高1メートル
    ハイイヌガヤ

    イヌガヤ(千葉県):樹高5メートル
    イヌガヤ

    気候による樹木の変異
    気候による樹木の変異
    クリックすると大きくなります。

    (計画保全部 計画課 佐野)

    大平山への登山 2022年8月28日 撮影

    最後の8月週末に、島牧村にある大平山(おびらやま)に登りました。

    大平とは、アイヌ語の「オ・ビラ」を漢字で当てたもので、「崖のある川」という意味のようです。
    大平山は、標高1190メートルで後志森林管理署が管轄し、大平山生物群集保護林に指定され希少な植物を有する山として有名です。

    月越峠から臨む大平山(写真中央)
    月越峠から臨む大平山(写真中央)

    なぜ、希少な植物が多いのかというと、大平山は石灰岩という特殊な地質を含むためです。
    石灰岩地の特徴として、カルシウムを多く含むため植物に必要な栄養が不足しやすく、岩が風化しにくいために土壌の発達が悪く乾燥しやすい環境となり、生息できる植物が限られます。

    特に、木本植物にとっては生育が難しい環境のため、草本が主体となる植生が広がりやすいです。なので、周辺の山とは異なり標高が低くても森林が発達しにくく、石灰岩特有の植生となっております。大平山の代表的な植物としては、オオヒラタンポポやオオヒラウスユキソウをはじめとした、読み方は違いますが山名が由来となった植物が生息しています。

    石灰岩の露頭とお花畑
    石灰岩の露頭とお花畑

    登山口からの登り始めは、沢沿いの道を上がっていきます。
    沢沿いの道では、カタツムリを多く見ることができます。

    特に、カドバリヒメマイマイという殻が角張っているのが特徴のカタツムリを多く見ることができました。このカタツムリは、北海道の大平山とアポイ岳周辺でしか見ることができません。道中、踏まないように気をつけて登りました。

    カドバリヒメマイマイ
    カドバリヒメマイマイ

    沢沿いの道を上がりきると、ブナの樹林帯に入ります。ブナは、北海道では道南地域にのみ分布しており、国内分布の北限となっております。

    ブナの樹林帯
    ブナの樹林帯

    ブナの樹林帯を抜けると、草原となり視界が開けます。天気が良ければ狩場山などを臨むことができ、草原には高山植物を見ることができます。

    草原
    草原

    特に、石灰岩が露出している様な礫地ではオオヒラウスユキソウやエゾコゴメグサ、カラフトマンテマなどの様々な高山植物が咲いていました。

    オオヒラウスユキソウ
    オオヒラウスユキソウ

    カラフトマンテマ
    カラフトマンテマ

    エゾコゴメグサ
    エゾコゴメグサ

    ヤマルリトラノオ
    ヤマルリトラノオ

    チシマリンドウ
    チシマリンドウ

    お花畑を登り続けると、稜線に出てきます。稜線に上がる直前からササなどの藪が生い茂り、歩きづらい道となります。ここからは、藪漕ぎとなるので、道を失わないように気をつける必要があります。

    大平山(右端)
    大平山(右端)

    山頂に到着すると、日本海と噴火湾が一望できます。

    大平山山頂
    大平山山頂

    山頂から臨む日本海(左)と噴火湾(右)
    山頂から臨む日本海(左)と噴火湾(右)

    8月も下旬となり、だいぶ秋の植物が主体となっておりました。
    今度は、夏の花盛りの時期に登ってみたいものです。

    (日高北部森林管理署 日高森林事務所 森林官補 大室 諒太)

    トムラウシ山への登山 2022年8月10日 撮影

    お盆休みを利用して、トムラウシ山に登りました。
    トムラウシ山は、日本百名山の1つで表大雪の南部に位置する標高2,141メートルの山で、「大雪の奥座敷」と呼ばれています。

    奥座敷と呼ばれているように、旭岳などの大雪山からはかなり離れた場所に位置しており、旭岳から登る場合は山で泊まる装備が無ければなりません。
    十勝西部森林管理署東大雪支署が管轄している、新得町トムラウシ温泉にある短縮コースを利用すると日帰りで11時間ほどの行程で往復することができます。

    今回は、この短縮コースを利用してトムラウシ山へ登ってきました。

    白雲岳避難小屋から臨むトムラウシ山(写真左端にある王冠型の山、7月撮影)
    白雲岳避難小屋から臨むトムラウシ山(写真左端にある王冠型の山、7月撮影)
    (写真をクリックすると拡大します)

    トムラウシ山は、旭岳などの大雪山と同じ火山で、山の頂上付近が王冠のようにギザギザしている形をしています。
    今回利用した短縮コースでは、火山由来の水はけの悪い土壌により、雨が降ると登山道はぬかるみ田んぼように泥だらけになる箇所が序盤に多くあります。
    しかし、その道を抜けると岩場やお花畑が出現し、ナキウサギや高山植物などの高山らしい環境が広がっております。

    トムラウシ公園周辺
    トムラウシ公園周辺

    特にトムラウシ公園周辺のでは、沼や岩場が庭園のような景色となっており、その中にミヤマアキノキリンソウやタカネトウウチソウなどの高山植物が咲き乱れて美しい眺めでした。

    トムラウシ公園のお花畑
    トムラウシ公園のお花畑

    ミヤマアキノキリンソウ
    ミヤマアキノキリンソウ

    タカネトウウチソウ
    タカネトウウチソウ

    残念ながら天候には恵まれず、霧に閉ざされ山頂からの景色を臨むことができませんでしたが、お花畑などを楽しむことができました。

    トムラウシ山山頂
    トムラウシ山山頂

    山頂からの帰り際に、エゾシマリスが登山道に出てきてお見送りしてくれました。

    エゾシマリス
    エゾシマリス

    今度は、晴れた日に登ってみたいです。

    (日高北部森林管理署 日高森林事務所 森林官補 大室 諒太)

    お問合せ先

    総務企画部 企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271