
北海道国有林の大自然、森林づくりの現場などから届いた”HOTな写真”を掲載していくギャラリーです
「世界のニセコ」(2021年12月25日(土曜日)撮影)
ニセコ連峰の主峰となるニセコアンヌプリ(1,308メートル)の裾野に広がるひらふスキー場と花園スキー場はニセコ国有林にあります。
同じエリアには隣町のニセコ町となるところにビレッジスキー場とアンヌプリスキー場があり、良質なパウダースノー人気で今や世界のニセコとして有名になりました。
眼下には倶知安町市街が見えます
コロナ渦以前は外国人のスキーヤー・スノーボーダーで溢れかえっていましたが、外国人がほぼ消えたスキー場は20年前に逆戻りです。
ゴンドラに並ばなくても乗れますし、国有林内にある老舗の人気の食堂望洋荘へもスムーズに入れます。
正面の羊蹄山は雲の中(画像をクリックすると拡大します)
来シーズンには客足が戻ってほしいところですが、空いたゲレンデを楽しむには絶好のチャンスです。
ゲレンデは空いてます
是非、足を運んで新雪・深雪を味わってみてはいかがでしょうか。
花園スキー場に新しいコースができました(画像をクリックすると拡大します)
(経理課 小笠原)
雪山を往く (2021年12月15日(水曜日)撮影)
北海道も最近になりようやく雪が降り始め、本格的な雪景色へと様変わりしました。
こんな時期に山へ登ることは無い…かと思いきや、私たちの職場では当然のように雪山へと入る機会があります。
今回は、そんな雪山を歩いてきたのでその光景を皆様にお見せしたいと思います。
場所は日高の名峰の一つである伏見岳の、登山口まで通じる林道です。
日高山脈の峰々(11月30日撮影)
伏見岳は現在、登山口へと通じる林道が決壊していて通行止めとなっており、たどり着くには徒歩しかありません。
今回は伏見岳の登山口および避難小屋まで行く仕事だったので、その長い道のりを同僚と2人歩いていくことになりました。
雪山、といってもまだまだ積雪は浅く、林道の入り口付近は5センチメートルちょっとの積雪です。
積雪の状態
行く先を最初に出迎えたのは、岩壁にそそり立つ彫刻のような氷柱(つらら)の束です。
氷柱の壁
氷柱はまるで人の手で作られたかのように幾何学的な形をしていて、それだけでも目を引くものなのですが、それが壁一面を覆っているので壮観です。
近くに寄って見てみると、形の個性がより際立ちます。
氷柱を間近で
氷柱を見上げて
様々な長さの氷柱が組み合わさって、ちょっと現代アートのような雰囲気が感じられますね。
思わず見入ってしまいました。
さて、そこからは長い道のりです。
氷柱を見た場所から目的地までは、ざっくり6キロメートルほどの距離があります。
徒歩にして約2時間の距離。その中を、雪を踏みしめながらひたすら歩いて往きました。
行き先を阻むように吹き付けてきた雪をかき分け、時には崩れた場所も通り抜けていきます。
こんな場所も歩きました
そして、やっとたどり着いたのは目的地・・・ではなく、やたらと開けた河原の端。
河原の写真
河原の中から
実はこの河原、元々こういう形だったのではなく、この場所を林道が走っていた場所です。
今から5年前、北海道を襲った大雨災害により林道ごと山が抉られ、このような状態になってしまいました。
先に林道が決壊していて通れないと書きましたが、この林道最大の決壊箇所がここです。
反対側に渡るのも苦労しそうですが、幸いにして、登山で入られた方が歩きやすいよう道しるべを付けてくれていましたので、難なく渡ることができました。
決壊箇所を反対側から眺めてみても、元の道の形は全く見えません。
思わずため息が出てしまうような壊れっぷりでした。
対岸側から眺める
さて、この川を乗り越えれば目的地まであとちょっと。
でも、このあとちょっとが遠いんです。既に結構な距離を歩いて疲労が溜まっているところに、最初と違って20センチメートルほどになった積雪と、緩やかな上り坂が体力を奪っていきます。
ああ、避難小屋はまだだろうか・・・そんなことを思いながら黙々と歩いていくと、やがて遠くにはっきりと目立つ赤い屋根の姿が。
とうとう避難小屋までたどり着きました!
伏見岳避難小屋
「伏美小屋」と呼ばれています
私は初めて訪れたのですが、赤い屋根が特徴のレトロな見た目の避難小屋は山の中にあってよく目立ち、なおかつ景色とよく調和していて素晴らしいという印象です。
作りは鋼鉄製で、見た目以上に丈夫なようです。
小屋の中
しかも中は広々としていて、寝床もしっかりとあります。これならゆっくり体を休めることもできるでしょう。
大雨の災害の時に、この小屋が壊れなくて良かったなと心底感じました。
私もゆっくり休みたいな、と思いましたが、目的地はもう一つあります。もうひと踏ん張りです。
伏見岳の登山口までは避難小屋から500メートル程度。
しかし最後の道のりは、上り坂に積雪が30センチメートルほどあり、6キロメートル近く歩いた疲労が相まって今までで一番重苦しいものになりました。
それでも乗り越えて、たどり着いた先には伏見岳の登山口が。
登山口の駐車場
登山口の看板
ピッケルを模した看板のデザインがオシャレですね。
車でたどり着くことは出来ないものの、駐車場も健在です。
そして出迎える、我々の職場の立派な看板。
大雪・日高緑の回廊の看板
林道は通れなくとも、今も変わらずこの場所で登山者を迎え入れているようです。
しっかりと目に焼き付けておきました。
さて、ここまでたどりつくのにどれくらい掛かったかというと…2時間30分ほどになります。
思ったより時間はかかりました。やはり雪の中を歩くのは簡単ではありません。
雪山を往く・・・これはまだ難易度は低い部類ですが、中々に大変な工程でした。
そして、あとは帰り道が残っています。早々に道を引き返し、遅くならないうちに帰ることにしました。
ここまで延々と歩いてきた道を引き返すのか…と気が遠くなるかもしれませんが、実はそれほど心配はいりません。
行きはほとんど登りの道だったので、逆に帰りは下り坂。
下りに勢いを任せれば良く、しかも積雪がほどよく足の衝撃を和らげてくれるので、あまり力も要らずスムーズに戻ることができるのです。
軽やかな足取り
帰りは1時間30分ほどで戻ることが出来ました。
ただ、戻ってきた私の脚は疲れでガクガクに震えていたのでした。
雪山ならではの特別な眺めもありつつ、やはり簡単ではない雪の山。
この後また雪が降ったようなので、登山口まで歩いて行くのは至難の業でしょう。
次にこの登山口を訪れるのは・・・そうですね、少なくとも雪が解けてからにいたしましょう。
(十勝西部森林管理署 芽室森林事務所 森林官 久保)
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