北海道国有林の大自然、森林づくりの現場などから届いた”HOTな写真”を掲載していくギャラリーです
森林(もり)の撮っておき!(2020年7月)
そうだ、森へ行こう 2020年7月20日(月曜日)撮影
十勝地方は先週とても肌寒い日が続いていましたが、今日からカラッとした天気に変わり、一気に夏の雰囲気を感じるようになりました。
この日は市民の憩いの場の一つ、国見山自然観察教育林を巡回しましたので、その時に撮った写真を紹介します。
遊歩道は見渡す限り緑に包まれていて、日差しに照らされ輝く緑の葉がとても綺麗、まるで別世界を訪れているようで、歩いていてとても気持ちいいです。
その鮮やかな緑の景色に癒やされてみてはいかがでしょうか。
緑の遊歩道
見上げるとそこも見渡す限りの緑、葉が生い茂り、降りかかる日差しを和らげてくれています。
この日は本当に日差しのまぶしい日だったのですが、森の中はほとんどまぶしさを感じる事はありません。
日差しを遮るのにどれだけの葉が重なりっているんだろうかと思うと、森の緑の濃さというのを改めて感じさせられます。
緑の葉で覆われる空
さて、そんな森の中に目を向けると、こんな時期でも目立つ植物やキノコがちらほら。
こちらはオオウバユリ、長く伸ばした柄から真横にスッと咲く花は、どこか作り物めいていて存在感があります。
オオウバユリ
こちらはオニノヤガラです。私は初めて見ました。
あまり聞き慣れないと思いますが、「腐生植物」と言われる植物で、なんと葉緑素を持たず栄養は光合成ではなく、共生した菌から得ているという一風変わった植物で、遠目に見ると枯れているように見えるので驚きます。
オニノヤガラ
こちらはツバメオモトという植物が実を付けたものです。
実の大きさは1センチメートルほどもあってツヤがあり、工芸品を眺めているような気持ちになりました。
ツバメオモトの実
たくさん歩いたので少し腰掛けたいな、と思ったらいいところにあったサルノコシカケの仲間。
でもさすがに私は座れませんでした。
サルノコシカケの仲間
これから夏真っ盛りになり、日差しが強くて暑い日々が続きます。
森の木陰は思ったより涼しいので、近場の歩きやすい森などを散策してみてはいかがでしょうか?
(十勝西部署 芽室森林事務所 森林官 久保)
花盛りの大雪山系 2020年7月5日(日曜日)撮影
初夏を迎えた大雪山系では様々な高山植物が咲き誇っています。
風衝地に出ると、まずはガンコウランや苔が作る緑の台座から、エゾノツガザクラの濃いピンクやイワウメなどの白い小さな花が足下に彩りを添えてくれます。
エゾノツガザクラ
イワウメ
イソツツジ
湿りがちな所では、チングルマが見事な群落を作って咲き乱れ、雪渓が遅くまで残っていたところでは、少し時季外れのキバナシャクナゲが咲き残っていました。
チングルマ
キバナシャクナゲ
砂礫地では大雪山を代表する花々が目にも鮮やかな色合いで咲いており、まるでロックガーデンのようでした。
紫のイワブクロ、黄色のエゾタカネスミレ、白色のイワヒゲ、そして”高山植物の女王”と呼ばれるピンクのコマクサが高山の一瞬の夏を彩っています。
イワブクロ
エゾタカネスミレ
イワヒゲ
コマクサ
そしてなんと、野外では滅多にお目にかかれない白花のコマクサを見つけることができました!
白花のコマクサ
突然変異によって発生するようで、広大な風衝地の中で一輪だけが咲いていました。
そのあまりにも清楚で可憐な姿に登山の疲れも吹き飛びました。
大雪山系では、これから一月ほどの間に次々と咲く花がうつろっていきます。
次回の登山で、今回とは全く違った山の姿を見られるのが楽しみです。
最後に、高山植物は踏みつけや盗掘に非常に弱いため、観察や撮影は十分に注意して行われるようお願いします。
(網走西部署 生田原森林事務所 占部)
お問合せ先
総務企画部企画課
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