北海道国有林の大自然、森林づくりの現場などから届いた”HOTな写真”を掲載していくギャラリーです
森林(もり)の撮っておき!(2017年5月)
白い花シリーズ(平成29年5月23日撮影)
春の訪れを喜んでいたはずなのに、なかなか暖かくならずに寒い日が続いてしょんぼりしているオホーツク管内滝上町です。
今回は「白い花シリーズ~葉っぱの質感は全然違うけど~」です。
噂のクルマバソウが咲いていました~!
葉っぱについた水滴も綺麗です。(上の写真をクリックすると、写真が大きくなります)
クルマバソウの特徴的な葉っぱについて、実は本葉は2枚だけで、残りは全て托葉だそうです。
どれがどれなのか、違いがわかりません…
林内でひときわ目を惹くのが、オオバナノエンレイソウです。
花も葉も大きく目立つので、見つけやすい、というのが目を惹く理由の一つかもしれません。
この花は変異が大きく、花びらが少し細かったり、花びらの縁が波打ったりするものもあるそうなので、花の様子が少し違うものを探してみるのも面白いと思います。
全然一人で咲いていないですが、ヒトリシズカです。
集まって咲いているところをみると、少し賑やかなようにも感じられるのは、私だけじゃないと思いたいところです。
開花後に葉と茎が伸びて20~30cm程になるそうです。
白い花びらの様に見える部分はおしべで、花びらはありません。
てかてかした緑の葉も特徴的ですが、白いぱやぱやしたおしべの様子も面白いなと思いました。
暑くなったり、寒い日が続いたり、はっきりしない天気が多いですが風邪などひかないように気をつけてください。
(撮影者:西紋別支署一般職員)
塩谷丸山・小樽天狗山(平成29年5月20日撮影)
先日の投稿ではオホーツク管内の滝上町などの春の訪れの様子が伝えられていましたが、道内各地でも春の訪れ、それどころかこの日は十勝管内の足寄町では30度以上を記録するなど、一気に夏に向かって季節はめくるめく変化しているように感じられます。
こんな暑い日に、足慣らしがてら、小樽の塩谷丸山(629.2メートル)から小樽天狗山(532.5メートル)にかけて歩いてみました。周辺は小樽自然遊歩道になっており、色々なコースでハイキングが楽しめます。
塩谷丸山への登りの途中にはエンレイソウが咲いていました。
最初の山頂となる塩谷丸山。手頃な高さで、山頂からの眺めも海岸線とニセコの山々が見えることから、春の早い時期から晩秋まで多くの人で賑わっています。
山頂標識の下にはオオカメノキの花が咲いていました。
足元に目を向けると、 道沿いにカタクリの花が咲いていました。
こちらはオオバナノエンレイソウです。白い大きな花が特徴です。
遠藤山(734.5メートル)は途中、最も高い山頂ですが周囲が樹木に覆われており景色は望めません。
塩谷丸山からはほとんど景色は望めず、こういったカラマツやシラカバなどの樹林内をひたすらのんびり歩きます。
少し遅咲きのサクラが咲いていました。しばしのお花見気分です。
最後に小樽天狗山の頂上からは港町・小樽の街並みが望めました。
小樽天狗山はロープウェイが頂上まで、観光道路も山頂近くまで通じているので気軽に来ることができます。
冬はスキー場として、季節を通じて小樽市民の憩いの場となります。
この時期の山にはまだまだ雪が残っているところもありますので、登山にお出かけの際には道迷いに十分注意してください。
(投稿者:網走中部森林管理署 業務グループ 一般職員)
緑の葉っぱの話(2017年5月16日撮影)
林道沿いで、かわいらしい葉っぱを見つけました。
この植物は、「クルマバソウ」といいます。
葉っぱが輪状に広がる様子から、牛車の車輪に見立てて「車葉草」と名付けられたそうです。
花が咲くと、花に目が行きがちですが、この葉っぱの形やたたずまいが、なんとも愛らしく感じられました。
ところで、「ひっつき虫」をご存じですか?
クルマバソウの果実は、鉤状のとげをもち、衣服などに“ひっつく”そうです。
季節によっていろいろな顔を魅せる姿も、なんとも可愛らしいです。
山で見つけたら、その花だけでなく、葉っぱの形も気にかけて観察すると面白いかもしれません。
さて、筆者「花より団子」でございます。
林内でどうしても探してしまうのが、“山菜”です。
見てください、この立派な“こごみ”。
正式名クサソテツ。葉が開いた姿がソテツに似ていることから、この名前になったそうです。
“こごみ”は若葉の様子がこごんだ様に見えるからだそうです。
この写真だと、どちらかと言えば“クサソテツ”でしょうか。
「もう立派になりすぎて硬いよ。」と先輩職員に言われたのですが、いじらしく写真を撮ってきてしまいました。
まだ食べたことはないのですが、アクがなく、おひたしや油炒め、煮物などなんでもおいしいそうです。
もちろん天ぷらにしても美味だとか…
山菜の時期であると同時に、雪解けによる増水や冬眠明けのヒグマなど、危険なものも多い時期です。
山菜採りに出かける際は、充分注意して、夢中になりすぎないように、楽しんでください。
(撮影者:西紋別支署一般職員)
ニリンソウが満開です(2017年5月9日撮影)
野幌森林公園では、ニリンソウが満開です。
よく見ると、花びら(実際には萼片)の先が薄いピンク色のものがあります。
(ニリンソウのピンクの蕾をみつけました)
花びらが開くにつれ、ピンク色が薄まり、最後には白色になってしまうそうです。
花びらのフチにうっすらピンク色が残るニリンソウを見つけました。
(花びらのふちにピンク色が残るニリンソウ)
また、ミドリニリンソウのトリオを撮影することができました。
(ミドリニリンソウのトリオ)
(撮影者:石狩地域森林ふれあい推進センター所長)
春を告げる花たち(2017年4月24日撮影)
1日1日と雪解けの進む北海道の山々。網走西部森林管理署西紋別支署管内の滝上町の国有林でも、春を告げる花々が咲き始めました。
(林床に咲くキタミフクジュソウ)
早春の名花と言えばまずはフクジュソウ。キンポウゲ科の多年草で、タンポポくらいの大きさの黄色い花を咲かせます。普通のフクジュソウは北海道から本州、四国まで分布していますが、今回見つけたものは、キタミフクジュソウというものです。フクジュソウの近似種で日本では北海道のみ(主に道東、道北)に自生する希少種です。雪の解けた林道の縁で、太陽を反射し、黄金色に輝いていました。
(キタミフクジュソウ)
1.キタミフクジュソウは必ず一つの茎に一つの花が咲く
2.葉の裏に毛が多く白っぽく見える
3.萼片(がくへん)が長く、花弁と同じくらいか、花弁より長い
などが挙げられるそうです。早春の森林で黄色い花を見つけたら、フクジュソウか、キタミフクジュソウか、ぜひ観察してみてください。
さて、もう一つご紹介しますのは、ナニワズという花です。「なにわず」と言えば、競技かるたの序歌として知られる名歌にこんなものがあります。
難波津に咲くやこの花冬籠もり今を春辺と咲くやこの花
この歌の中の「花」とは梅の花のことだそうですが、ご紹介するナニワズの名前の由来も冬籠もりから覚めて春一番に咲く花というところから、この歌から名付けられたという説があります。
(ナニワズの花)
このナニワズ、庭木などによく植えられるジンチョウゲの仲間で、膝丈くらいの低い木に黄色い小さな星のような花が沢山ついています。香りを嗅ぐとジンチョウゲに似た良い香りがします。
(膝丈ほどのナニワズ)
ところで、この写真を撮影したのは4月の末なのですが、雪の解けたばかりの北海道の山の中に青々とした広葉樹の葉っぱがあるのは、ちょっと不思議ですね。常緑広葉樹なのかなと、一瞬考えますが、北海道には常緑広葉樹はほとんどありません。では、なぜなのでしょう。調べてみると、なんとナニワズは夏に落葉し、秋にもう一度葉をつけるそうです。そうして、葉と蕾をつけたまま雪の下で長い冬を越えるので、こうして春一番に花を咲かせることができるのです。
長い冬を雪の下で耐えるナニワズの木を想像してみると、今咲いている花々がいっそう春を喜んでいるように見えてくる気がします。
(撮影者:西紋別支署北雄森林事務所森林官補)
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