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北海道森林管理局

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    知床森林生態系保全センターブログ(2021年7月)

    7月29日「知床岬巡視」

    7月16日「東京農業大学実習」


    7月6日「羅臼高校出前授業」

    令和3年7月29日 知床岬巡視

    知床半島先端部にある知床岬にて、防鹿柵の点検作業などを行いました。

    植生をシカから守るために設置している防鹿柵は倒木やクマなどの影響で破損することがあるので、点検・修理の作業が必要となります。

     

     

    今回はこのように以前補修のために張った網が剥がれてしまっていた箇所がありました。

    網にクマの毛が付着していたので、恐らくクマによる被害だと考えられます。

     

     

    外れていた網をインシュロックで固定し直し…

     

     

    補修を完了しました!

     

    今回はこの箇所以外にも倒木による防鹿柵の破損も見られました。

     

     

    倒木により防鹿柵がなぎ倒されると、そこからシカが侵入して柵内の植生が食害を受けます。

     

     

    このような場合は、柵に掛かっていた枝を切断し、曲がってしまった網の部分を真っ直ぐになるように手で一つ一つ直していきます。

    今回は持参した道具で修復が可能な範囲の被害でしたが、より大きな被害の場合は一度出直し、装備を整えた上で次回の巡視の際に修復することになります。

    こうした設置物は設置して終わりではありません。設置作業以上に点検・維持も重要となっているのです。

     

    最後に、知床岬の灯台からの美しい風景でお別れです!



    令和3年7月16日 東京農業大学実習

    東京農業大学オホーツクキャンパスの学生たちが来所し、エゾシカの樹皮剥ぎを防ぐためのネット巻き実習を行いました。

    前年度は新型コロナウイルスの影響により未実施となってしまいましたが、恒例となっているこの実習に今年度は7名の学生さんが参加されました。
     




    まず当センターのエゾシカ捕獲事業に関しての説明を簡単に行った後、オシンコシン岬風景林に移動し実習を行いました。





    GSS職員からネット巻きの方法についての説明を全体で受けたのち、34人のグループに分かれてネット巻き作業に入りました。

     

     

    今回の対象木はイチイです。イチイはエゾシカの樹皮剥ぎによる枯死がとても多いため、対象木にネットを巻くことで樹皮剥ぎを防ぎ、樹木が受ける影響を抑えていくことができます。

     

     

    実習の最後にはエゾシカ捕獲用の大型囲いワナも見学していただきました。

     

    とても暑い中での作業で大変でしたが、この経験を少しでも今後の学習・研究に活かしていただければと思います。
    東京農業大学の皆さんお疲れ様でした!

     

    令和3年7月6日 羅臼高校出前授業

    羅臼町の中学・高校で学んでいる自然環境科目のうち、高校1年生を対象とした「知床学」から、「知床の森林」の単元について、当センター職員が特別講師として羅臼高校にて授業を行いました。

     

     

    知床半島の、道内でも特徴的な気候とそれに伴う植生の変化について解説しつつ、葉や枝、樹皮に生徒たちに実際に触れてもらいながら知床半島に生息する植物について紹介しました。

     

     

    授業は座学だけではなく、学校周辺の植物を実際に観察しながらの実習形式でも行いました。

    しかし、天候はあいにくの雨…

     

     

    天候に恵まれず、残念ながら当初の予定よりも短い実習時間となってしまいましたが、GSS職員による詳しい解説を受けながら、生徒たちが熱心に植物を観察している姿がとても印象的でした。

     

    こうした授業を通して知床半島の自然環境について知識を深めるとともに、実際に植物に触れていく中で、自然豊かな土地で生活していることを少しでも誇りに思ってもらえたらこれ以上嬉しいことはないですね。

    お問合せ先

    知床森林生態系保全センター

    〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東番外地
    ダイヤルイン:0152-24-3466