知床森林生態系保全センターブログ(2020年12月)
令和2年12月8日 「9月に知床峠のハイマツを調べました」
最近は15時半には日が暮れるので、一日が短く感じます。
先日も仕事が終わって、真っ暗の帰り道の中、野営場の受付にぼんやりした人影がありました。
「あの~、お客さん、もう営業おわってますよ」と思って近づいたら
オスのシカでした。無人の受付の窓にコツンと角を当てて、それからキャンプサイトに向かっていきました。
ちゃんと受付を済ませてから野営するという律儀なシカでした。
写真を明るく加工しましたが、実際は真っ暗でした。
さて、本題に入ります。
報告が遅れましたが、今年の9月に知床峠のハイマツの球果を調べました。
この調査はヒグマの食資源であるハイマツ球果の豊凶周期を把握することが目的で、平成26年から継続して行っています。
今まで知床峠では3本のハイマツの実(のちに「松ぼっくり」となる球果)の成り具合を調べていたのですが、
より的確なデータを得るためには最低20本調べないといけないことが判明し、
今年はハイマツの調査に詳しい知床財団の職員の方に指導を仰ぎながら行いました。
こちらがハイマツの球果です。
このような球果痕を数えることで、毎年調べなくても5年、10年と遡って調べることができます。
まだ確かではありませんが、知床峠では1年おきの球果の実なりとなっている傾向も読み取れました。
枝分かれと枝分かれの間が1年間に伸びた量です。
伸びた量が大きい年は翌年の球果生産も盛んな傾向にあることが分かっています。
まだハッキリとした断言はできませんが、少しずつ解明できればと思います。
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