知床森林生態系保全センターブログ(2019年7月)
7月12日 JICA研修及び東京農業大学の実習を受け入れ / 7月11日 ハイマツ調査を実施 / 7月1日 自動撮影調査~夏の部~令和元年7月12日 JICA研修及び東京農業大学の実習を受け入れ
7月11~12日、JICA研修「気候変動に対する順応的流域管理(適応策)『災害リスク削減と生態系保全』コース」のみなさんが知床で研修を受けられました。
研修内容には、野生動物の接し方や100平方メートル運動、ダム改良プロジェクトが取り上げられました。
ダム改良現場では岩尾別川を案内しました。
ユネスコの勧告に基づいて、サケマスが遡上しやすいようダムの切り下げ工事を行った河川です。
北大中村教授の講義に研修生一同は聞き入っていました
当センターの会議室を利用しての座学も行われました
投稿者の私も、研修生に話しかけてみたところ、
母国では河川担当の技術者(エンジニア)として勤務されている方が多いようでした。
日本に来るのは初めてという方もおり、彼らの目に日本、そして知床はどう映ったのでしょうか・・・。
また、同日の7月12日、東京農業大学のオホーツクキャンパスの学生及び教員が来所しました。
毎年恒例のエゾシカ食害防止体験を行いました。
まず、センター内で職員からエゾシカ問題について説明
そのあと「宇登呂イチイ遺伝資源希少個体群保護林」へ場を移して、
エゾシカの樹皮剥ぎを防ぐために樹木にネットを巻きました。
ネット巻きの様子。これで木も安心!
積雪の影響も考え、高いところにもネットを巻きました
東京農業大学のみなさんお疲れ様でした。
令和元年7月11日 ハイマツ調査を実施
知床森林生態系保全センターでは平成20年から毎年ハイマツの成果数調査をしています。
ヒグマの食資源であるハイマツの豊凶周期を把握することが目的です。
調査地はハイマツが一面に広がっています
手探りでハイマツの成果を数えていきます。
10本の調査木のうち、確認できた球果は2個
今年は特に少なかったです。
今年はヒグマにとってハイマツが手に入りにくい年になるかもしれません。
サケマスやどんぐりなどほかの食物が豊富だとよいのですが。
さて、前回のブログ「自動撮影写真クイズ」の正答を発表します。
画像をクリックすると拡大しますので確認しながら、解説を読んでください。
(問題1の答え)右端っこにエゾシカ。隅々までチェックしないと見落としてしまいます。
(問題2の答え)キタキツネ。たまに黒色と橙色が混ざった個体が見られます。背中の黒い模様から「十字ギツネ」と言われています。
(問題3の答え)エゾクロテン。クロテンと聞くと真っ黒なテンを想像しますが、実はそうではありません。なお、本州にはニホンテンがいます。
(問題4の答え)ヒグマの子ども(2頭)。今年生まれたばかりです。写真には写ってはいませんが、すぐそばには怖くて愛情深いお母さんがいることでしょう。
ほかのセンター職員からは簡単だと言われてしまいましたが、みなさんはいかがでしたか。
令和元年7月1日 自動撮影調査~夏の部~
はじめに
当センターでは、野生動物のモニタリングデータを収集することを目的に、知床半島国有林の林道沿いに年2回自動撮影カメラを設置しています。
この調査は平成21年から森林総合研究所北海道支所と協力して実施しています。(詳細や今までのデータは北海道野生生物観測ネットワーク参照)
夏の部では、例年6月にオペケプ林道(斜里町)、7月に春苅古丹林道(羅臼町)にて自動撮影調査を行っています。
オペケプ林道でのデータが一通り出ましたので見ていきましょう。
どんな動物が写っているかクイズ形式で出題します。
難易度は少し高めに設定しています。
(問題1)もぐもぐタイム・・・?
分かりづらい場合は画像をクリックしてください。
(問題4)かわいいけど・・・?
~正解発表は次回のブログにてお楽しみに~
さて、本日は春苅古丹林道にて自動撮影カメラの取付けを行いました。
春苅古丹林道では、ヒグマにカメラを壊されることが多いため、今回は何事もないことを祈っています。
お問合せ先
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