令和8年度調査
国有採種園における着花(果)調査を実施しました(6月17日~7月1日)
調査は、優良な種子を生産するために造成された採種園の着花(果)状況を把握することを目的として毎年実施されており、調査結果は北海道育種場で取りまとめ後、北海道に情報提供され、採種計画の基礎資料として活用されています。
調査には、森林に関する専門知識や調査技術の向上を目的として活動している特命森林調査隊(愛称「モリサー」)を含む北海道森林管理局、森林管理(支)署及び森林総合研究所林木育種センター北海道育種場から延べ98名が参加しました。(うちモリサーは延べ38名)
今年度は、6月17日の由仁採種園(由仁町)及び築別採種園(栗山町)を皮切りに、銀山採種園(仁木町)、発足採種園(共和町)、清川採種園(上川町)、雨紛採種園(旭川市)、塩狩採種園(和寒町)、乙部採種園(士別市)、奥春別採種園(弟子屈町)、明治採種園(網走市)、岐阜採種園(北見市)、陸別採種園(陸別町)の計12箇所の国有採種園において実施しました。
実施に先立ち、北海道育種場から調査方法の説明を受けた後、各採種園で調査を行いました。
まずは「目合わせ」から
今回参加した職員の中には着花(果)調査が初めての者もいたことから、調査開始前に判定基準を統一するための「目合わせ」を行いました。
着花(果)の評価は、樹冠内に着いている雌花の量をもとに5段階で判定します。全く着花が見られない状態を「評価1(凶作)」、1個以上の着花が確認された状態を「評価2(並下)」とし、着花量の増加に応じて「評価3(並作)」、「評価4(並上)」、「評価5(豊作)」と評価されます。
特に「評価2」から「評価4」は観察者によって判定結果に差が生じやすいため、全員で同じ観察木を観察しながら判定基準を確認し、評価のばらつきが生じないようにしてから本調査に臨みました。調査精度を確保するうえで、この目合わせは欠かせない作業です。 

双眼鏡片手に雌花を探します
調査では、アカエゾマツ・トドマツは40本、カラマツ・グイマツは20本の観察木を対象として、双眼鏡や単眼鏡を使用しながら樹冠の着花(果)状況を観察し、豊凶を判定します。観察対象は将来球果となる雌花であり、花粉を形成する雄花は対象ではありません。参加者は北海道育種場職員の助言を受けながら、樹木の先端部まで視線を向けて一本一本調査を行いました。

見たいところが見えない・・・
採種園によっては広葉樹の侵入が進み、枝葉に視界を遮られて観察木の梢端を確認することが難しい場所もありました。
同じ観察木であっても立つ位置によって見え方が異なるため、参加者それぞれが樹冠上部を確認できる場所を探しながら調査を行いました。双眼鏡をのぞきながら移動し、「こちらの方が見やすい」「ここなら梢端が見える」と声を掛け合いながら進める場面もありました。 

一方で、道路沿いや作業路沿いの採種園では樹冠全体を見渡しやすく、効率的に観察することができました。また、採種園が球果を採取しやすいよう帯状に整備されていることも改めて実感する機会となりました。

ドローンとAIも活躍
一部の採種園では、UAV(ドローン)による撮影も行われています。
撮影した画像は北海道育種場が開発したAIで解析され、球果数の判定に活用されています。地上からの目視調査と新たな技術を組み合わせることで、より効率的で精度の高い調査が進められています。ドローンを活用することで、地上からは確認しにくい樹冠上部の着花状況も把握することができます。
今年は雌花がたくさん見られました
昨年は多くの採種園で凶作となり、着花がほとんど確認できませんでしたが、今年は全ての採種園で雌花を確認することができました。調査結果は全体として「並作」から「並上」の評価が多く、良好な着花(果)状況となりました。
調査を終えて
今回の調査では、参加者は着花(果)の判定方法や樹種ごとの特徴について理解を深めるとともに、採種園が優良種子の生産を支える重要な役割を担っていることを改めて学ぶことができました。また、北海道育種場職員による指導のもと実際に調査を行うことで、着花(果)調査に関する知識や技術を身につける貴重な機会となりました。 今後も北海道育種場と連携しながら調査を継続し、その成果を森林づくりに活かしていきたいと思います。
お問合せ先
森林整備部 技術普及課
担当者:企画官(技術開発)、技術開発主任官、技術係長
ダイヤルイン:050-3160-6285




