准フォレスター研修の第1週（7月8～12日）から、はや2ヶ月。暑かった季節は過ぎ去り、山はもう秋の装いです。

第1週終了後、各所属先に戻り「准フォレスター」候補生として日常業務に加え自己研鑽に励んでいた第1グループ24名のみなさん（北海道庁の森林室等から林業普及指導員・道有林担当者等20名、国有林の森林管理署から森林技術指導官等4名）が、研修会場の小樽経済センターに再び集合。

今日から始まる一週間、研修生のみなさんの奮闘ぶりをレポートします。

まずは研修のプロセスマネージャーの山口氏のかけ声で、アイスブレーク！

「みなさん、お久しぶりです！　まずはウォーミングアップに、この会場を日本列島に見立てて、皆さんの出身地の東西南北の順番にならんでみましょう！」

 

早速、みなさん、大きな声で「札幌はこの位置！」、「九州はこっち！！」、「海外出身はどこ！？（うそだよ～ん）」

 

研修会場を一杯に使って、北から南へこんな感じになりました。

大きな声を出してコミュニケーション。もうすっかり緊張感は消えて、一気に連日激論を交わし合った2ヶ月前の雰囲気に。 

 

 

オリエンテーションに続き、「フォレスター研修日記」を見ながら研修第1週に学んだことを思い出してもらいました。

 

フォレスターの役割、森林・林業再生プラン、地域の森林・林業の将来ビジョンと市町村森林整備計画の策定、間伐実行監理などについての再確認を行いました。

これで、研修生のみなさんもすっかり「研修モード」です！

 

この科目は「森林を科学的に評価する能力」と「循環的な木材生産の戦略を描ける能力」を統合・調和させて、森林・林業の将来ビジョンを描くことができるようになることが目標で、今日から3日間で次のような演習等を行います。

1. 間伐を推進し木材供給を重点的に実施する区域（1,000ヘクタール程度）を対象として、林況その他の現況を把握する。
2. 間伐とリンクさせて林業専用道等の作設計画を検討するとともに、10年間の間伐の年次計画を検討する。
3. 木材の流通・販売を含む木材供給のビジョンを検討し、首長に対してその計画とビジョンを発表、説明し、議論を行う。
4. 間伐と林業専用道の整備を相互にリンクさせた計画を策定し、首長と森林・林業再生のビジョンを共有するイメージを体験する。

  

研修講師から3日間の演習の流れの説明を受け、早速、1コマ目の講義が始まりました。

 

今日の演習では、明日の現地実習に先立ち、1,000ヘクタール程度の森林の団地を対象として、市町村森林整備計画を念頭に間伐の計画と林業専用道の整備計画を大局的に検討します。

そのために必要となる「林業専用道の概要」の講義を行い、路網整備の課題と方向、 林業専用道作設指針のポイント・設計上の留意点・ルートの選定方法などを学びました。

 

あわせて演習対象地の法規制などの諸条件の情報を提供。

 

木材の消費地や製材工場などの諸情報も提供。

これで、前提条件の準備はＯＫ。いよいよ演習開始です。

 

 

10年間の間伐予定箇所の分布、諸条件を勘案して林業専用道等の配置の検討と図示、そして路網計画の着眼点、現地確認の必要がある箇所の検討、共有を図るために班毎の検討が始まりました。 

 

間伐を実施することを念頭に、具体的な森林施業の作業システム（車両系or架線系、集材距離）を想定し、対象区域の森林の状況、林業専用道の森林計画の属性、法令制限等森林施業上配慮すべき事象、地形・地質・気象特性等の自然条件、社会経済などに関する事項を参考にしながら検討を進めました。

 

講師のアドバイスを受けながら、林業専用道の計画、間伐の計画年次等を何度も練り直しながら策定していきました。

 

各班の検討状況を見ながら、講師からの補足説明も行いました。

 

班毎の計画の方向性が決まると、役割分担をしながら効率的な検討作業を進め、机上での路網計画案が出来上がりました。 明日はこれを持って山に入り、現地確認です。
  

 

講義終了後、希望者を対象として、メリジャン・クリノメータの使い方についての課外授業を行いました。

明日の現地実習では、今日、図面上で検討した林地の傾斜を測り、森林作業道の作設の可否を確認する作業が必要です。 

普段の業務でメリジャン・クリノメーターを使うことが少ない研修生も多かったことから、 講師から使い方の説明を受け、真剣に練習を繰り返していました。

 

明日は、現地実習で小樽市の塩谷国有林に実際に入り、机上計画の妥当性などを検証し、森林資源循環利用構想を完成させます。

天気予報は曇り時々雨のようですが、そんな天気も吹き飛ばすように頑張りましょう！