小樽市の塩谷国有林での現地実習はなんと雨降り＾＾；

 

「みなさ～ん、いい天気ですね＾＾！」プロセスマネージャーから朝の第一声

「雨水の流れ、沢の増水の様子など、雨の日だからこそ気づくことが沢山ある、絶好の実習日和です！」

雨に負けないで今日も1日頑張りましょう。

 

今日の実習は、昨日の講義を踏まえて、具体の人工林施業地において、公益的機能と木材生産機能の調和を念頭に目標林型、当面の施業方法を選択する上での視点を養うことが目的です。

現地に入る前に、北海道森林管理局の松本 流域管理指導官から、森づくりを検討する現地の概要、施業履歴などの説明が行われました。

 

現地実習の舞台は、昭和33年（1958年）にカラマツが植え付けられ50年あまりが経過した人工林です。 

 

研修生のみなさんは、グループ単位で林内をくまなく歩きながら、現地の林況（ｈａあたり本数、樹高、蓄積から見た林地生産力）を評価し、求められる機能を踏まえて将来的な目標林型、途中の目標林型、当面の施業について検討を進めました。

 

現地踏査が終わると、タープの下で雨宿りしながら、検討結果のとりまとめと発表の準備です。

 

各グループからは「複層林化」、「長伐期施業」、「皆伐し再造林」といった施業の提案や、これらの提案を山主にどうやって説明し、理解を得るかなどについて、いろいろな角度から検討した発表がありました。 

 

各班の発表が終わるとすぐに、発表を聞いていた他のグループから、林業技術者としての視点での質問や意見がどんどん飛び出しました。

発表者も科学的な考え方をもって、熱心に回答にあたり、そして、さらに検討を深め、研修生全員で成果を共有しました。

 

発表後には、講師から検討結果へのアドバイスとして、「施業提案を行う際には、なぜこの施業が必要なのか、データ等をもって山主に説明できるよう準備が必要」、「人工林の伐採時期は、明確な生産目標を持って決定することが必要」、「地域の自然や社会的条件なども把握した上で、施業方法を検討する必要がある」、「生物多様性に配慮した施業の重要性」などについて解説をいただきました。 

 

北海道大学大学院 柿澤教授

 

北海道大学大学院 澁谷准教授 

 

林野庁業務課 田口企画官

 

午前の部が終わり、ホッと一息、楽しいお弁当の時間です。

 

 この実習では、昨日机上で検討した森林作業道の路線について、ポイントとなる箇所を踏査して机上演習の検討結果と照らし合わせることを通じ、地形・地質に応じた配置や実際に森林作業道を作設する隘路（※）への対処方法を習得することが目的です。

 ※物事を進める上で妨げとなるものや条件。支障。難点。ネック。

午後からはグループ毎に分かれて、昨日、図上で検討を行った「現地」へ、確認に向かいました。

 

 

図面とコンパスを頼りに、道なき道（これから道を付けるのだから当然！）を進みました。

雨降りの森の中は、湿度１００％！

雨合羽はサウナスーツ状態ですが、背丈を超える笹藪をものともせず、目的地へ向かってどんどん進んでいくのは林業技術者ならでは＾＾ｖ

 

「この沢の水量では、ここを渡るには橋が必要になるな～」

「この下流には水道施設があるから、工事には十分注意が必要だ」

「この沢をうまく迂回はできないかな？」

 

検討のポイントになる場所で、立ち止まって熱く議論中です。 

 

現地踏査が終わると、研修会場に戻り、結果のとりまとめと、それに基づく再検討を行いました。

 

各グループ毎のとりまとめが終わると、検討結果の発表を行いました。

図面で見ただけではわからなかったこと、現地へ行ってみて初めてわかったこと等が沢山あり、発表にも熱が入ります。

細かい等高線が見えるように、検討結果の図面は、発表者の手元を拡大投影！

 

拡大投影するためのカメラの前で、力を込めた発表が続きました。

 

発表が終わる毎に、他のグループからは鋭い意見や質問が出されました。

発表者も徹底抗戦の構えで、踏査で得た情報などをフル活用し、相手が納得するまで説明を行いました。

全グループの発表が終わると、講師から各検討結果への講評と、今回の教材となった森林施業プランナーが作成（想定）した森林作業道配置図のチェックすべき点の数々について詳細な解説が行われました。

研修生のみなさんは自分たちの検討結果と合わせて、理解を深め、一日の実習を終了しました。 

 

雨の中での実習は大変でしたが、最後まで疲れも見せずに頑張ったみなさん、今日は1日お疲れ様でした。

 

明日は、林業労働安全、木材の流通・販売についての講義、間伐実行監理演習（集約化施業と事業体の育成、流通改革の取組の講義、発表準備） を行います。

 

明日も頑張りましょう！