広大な国有林の最前線・森林事務所に勤務し、国有林を守り育てている森林官から届いたメッセージ紹介します
こんにちは森林官です!(螺湾森林事務所)十勝東部森林管理署 螺湾森林事務所地域と担当区の紹介当森林事務所は、足寄町市街より北東に位置する螺湾市街からオンネトー近くまで、螺湾川沿い延長3キロメートル、1ヘクタールの国有林を管轄しています。螺湾地区では日本一大きなフキとして有名な「ラワンぶき」が自生しています。 また、2000年に新種登録されたアショロアという約2,800万年前の哺乳類化石やクジラの化石が発見されており、当時足寄町を含む十勝東部は、現在の網走市付近に抜ける海峡だったと言われています。 昔は海でしたが、今は豊かな森林資源に恵まれており、天然林ではトドマツ主体の中に、カバ類・ナラ・ニレなど多様な落葉広葉樹が混在し、秋には美しいコントラストを魅せてくれます。 森林の育成 ~間伐~管内の人工林ではトドマツのほか、カラマツが多く育っています。人工林で実施する作業に、林内の一部の樹木を伐採する「間伐」があります。森林の多面的機能を発揮させるためには、適切な森林整備によって健全な森林を育てることが必要となり、そのためにいつ間伐を実施すれば最も森林に効果的か、この土地にはどの樹種が適応するかを見極めるのも森林官の重要な仕事の一つです。間伐実施後のトドマツ林。 光が地表に届くようになり、残された樹木の幹や根が発達するほか、下層植生の発達が促進され、水源涵養や土壌保全機能が増進します。
森林官の仕事とITツール森林官は間伐の時期など、森林の状況を見極め最も効果的な整備方法を判断し、森林の未来を左右する仕事だと考えています。このような判断には林内での調査に加え、ドローンや衛星画像による上空からの分析も大いに効果を発揮します。このため当事務所では、多様な森林の状態に応じて様々な業務を行う中で、効率的に適切な分析や考察、判断が行えるよう、ドローンやGIS(位置の情報をもったデータを地図上などで視覚的に表示する技術)等のITツールを活用しています。ドローンから撮影した管内の森林。 秋期に撮影すると、常緑のトドマツ・アカエゾマツ、黄葉するカラマツ、落葉した広葉樹がはっきりと区別されて見え、森林の状況を確認するのに非常に効果的です。 最後にITツールを活用する一方で、食害による樹木への被害確認や下層植生の状況把握など、地道に山を歩き、樹木を一本ずつ確認し、自分の五感で森林の状況を知ることも非常に重要で、森林官にとって欠かせないと日々身をもって感じています。毎日現場を歩く中で、植物は噓をつかず、森林での出来事には必ず原因があることを実感します。 これを見極め、適切な判断を行い、未来の健全な森林の育成に貢献できるよう、これからも山に赴き、知識研鑽と日々の業務に励みたいと思います。
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