広大な国有林の最前線・森林事務所に勤務し、国有林を守り育てている森林官から届いたメッセージ紹介します
こんにちは森林官です!(振内森林事務所)日高北部森林管理署 振内森林事務所地域の紹介私が勤務する振内森林事務所が所在する沙流郡平取町は、日高地方西部に位置し、人口は約4千9百人、町域の約85%が森林です。主な産業は農業で、びらとりトマト(ブランド名「ニシパの恋人」)の栽培や、びらとり和牛と黒豚の飼育が盛んです。 日本一の広さを誇る「すずらん群生地」 また、町内には日本百名山で日高山脈最高峰の幌尻岳や日本一の広さ(約15ヘクタール)を誇るすずらん群生地があるほか、同町は、アイヌ文化振興を町政の大きな柱としており、二風谷地区には、二風谷 アイヌ文化博物館、沙流川歴史館のほか、アイヌ工芸の体験・学習施設等があります。 クチャ・チセ(狩小屋) 振内森林事務所の紹介振内森林事務所は、幌尻及び貫気別の二つの森林事務所とともに同町振内地区に置かれ、4名の職員で、振内、仁世宇、幌尻、宿主別、貫気別の5担当区、約4万2千ヘクタール(東京ドーム8千980個分)の国有林野を管轄し、各種業務を実施しています。森林事務所の業務森林事務所では、国有林野の境界の保全管理をはじめ、森林の現況調査、森林整備事業の監督業務など幅広い業務を行っています。森林現況調査では、無人航空機(ドローン)を活用して上空から調査したり、全天球カメラによる森林の生長量調査等も行います。 また、平取町内の国有林では、平成25年に締結した「21世紀・アイヌ文化伝承の再生計画コタンコㇿカムイの森づくり推進のための協定書」(北海道森林管理局長・平取町長・平取アイヌ協会会長)に基づき、地域と国有林が連携して、アイヌ民族の生活の場であった北海道古来の森林の再生などを目指して取り組んでいます。 コタンコㇿカムイとは豊かな森を生息環境とするシマフクロウのことで、この取り組みの象徴となっています。 現在、アベツ川上流域の国有林では、アイヌの伝統工芸で利用するオヒョウ等の広葉樹や伝統料理の材料などとして用いる草本植物の育成・管理を行っています。 また、エゾシカによる被害を防ぐため、署と(株)平取町アイヌ文化振興公社が連携・役割分担し、囲いワナや誘因狙撃等によるシカの捕獲に取り組んでいます。 最後に平取町は、広大な日高山脈や長大な沙流川水系など豊かな自然と気候に恵まれ、その恩恵を享受して、アイヌ文化や地域の暮らしが営まれてきました。幌尻岳 私は、当事務所に着任して4ヶ月ほどですが、現場の声を聴いて地域社会と文化を理解し、貢献できるよう努めていきたいと思います。
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