広大な国有林の最前線・森林事務所に勤務し、国有林を守り育てている森林官から届いたメッセージ紹介します
こんにちは森林官です!(西芦別・咲別森林事務所)空知森林管理署 西芦別・咲別森林事務所 首席森林官 瀧口 聡今回は、北海道中央部に位置する芦別市の森林事務所よりお届けします。
まちのご紹介芦別市は、東西に約25キロメートル南北に約50キロメートルと広大な面積を持ち、その約88%を森林が占めている自然豊かなまちです。ここは、空気が澄み星空が綺麗に見えることから「星の降る里」をまちづくりのキャッチフレーズとして掲げています。 森林事務所の業務管轄する担当区の面積は約3万4千ヘクタール(札幌ドームにあるサッカーフィールドのおよそ3万3千倍)あります。この広大な森林を3人の職員で管理していますが、その業務の一部を紹介します。 春の融雪とともに開始されるのが「林道の点検」です。国有林の仕事は「現場へ足を運ぶ」ことから始まります。 路肩の小決壊 ある日、登山道へ続く林道の点検を行いました。 車の通行を阻むものには路肩崩れ、倒木、洪水による洗堀、崩土落石などがあります。特に、最近は異常気象と思われる大雨に見舞われることが増え、林道への被害は拡大しています。森林整備現場へのアクセス確保は大きな課題の一つです。 修繕中 この日は、路肩決壊と落石の箇所を見つけ、数日後に修繕を行いました。 5月半ばを過ぎると、森林整備の事業が本格的に動き出します。 今年度、当事務所では、造林請負(植えた樹木の成長を促すために下草刈りを行う等)、収穫調査委託(間伐する山の調査)、請負生産(間伐を行い、利用できる樹木を丸太製品に仕立てて販売する)、林道工事などの請負(委託)業務が行われることになっています。 初夏のある日、下刈箇所を確認に行きました。ここは、平成28年度の春に植えられたカラマツの造林地で、植えられてから今日までの6年間にわたり下刈作業が行われています。 植えた木には大変な労力がかかります。炎天下での下刈作業は熱中症や蜂刺され等のリスクを負いながらの重労働です。 くれぐれも気を付けるよう声掛けをしてこの現場を後にしました。 最後に森林官業務の一部を紹介してきました。森林の保全管理には終着点がありません。 私たち森林官が山に対して行うことは、数百年にわたって永劫回帰を繰り返す自然現象の、ほんの一部に過ぎません。 自分が行った結果を最後まで見届けることができない中で、未来の森林像を思い描きながら手を加えるのはクリエイティブで、この仕事の醍醐味と言えます。 責任をもって次の世代へ引き継ぐために、これからもさらなるスキルアップを目指していきたいと思います。 造林地の下刈箇所(上空から撮影)
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