こんにちは森林官です！（幌尻森林事務所）

平取町の紹介

幌尻森林事務所は、沙流郡平取町振内町に所在しています。平取町は、人口約4,600人の一次産業主体の町です。
特にアピールするのは、トマト（ニシパの恋人）・びらとり和牛・すずらん群生地と日本百名山の幌尻岳です。

また、平成25年に平取町・平取アイヌ協会・北海道森林管理局の三者で「21世紀・アイヌ文化伝承の森再生計画～コタンコロカムイの森づくり～」協定を締結し、国有林をアイヌ文化振興の場として活用しています。

幌尻森林事務所の紹介

平取町は面積の約85％が森林であり、そのうち約66％の41,510ヘクタールが国有林となっています。
町内の国有林のうち、幌尻森林事務所の管轄する面積は約15，800ヘクタールで、日高山脈沿いの奥地に位置し、トドマツやエゾマツの人工林、多様な針葉樹と広葉樹で構成される北海道らしい天然林が広がっています。

また、日本百名山の幌尻岳は、百名山を制覇したい登山者が道内外から訪れ、シーズン中は多くの登山者が登山を楽しんでいます。


振内町内から望む幌尻岳

登山者が幌尻岳をめざすには理由があります。それは幌尻岳が百名山の中でも登山の難易度が高く、簡単には登れない山だからです。
幌尻岳の登山ルートは、メインの幌尻山荘側と日高側、新冠側の3つがあります。日高側は野営が必要で登山者に厳しく、新冠側は最近まで登山道が閉鎖されていました。

幌尻山荘ルートは標高960メートルにある幌尻山荘（平取町管理）に宿泊して、頂上を目指すため、比較的容易ですが、山荘までの区間は数回の沢渡が必要で、増水時は非常に危険で、過去には遭難や死亡者も出ています。
そのため、幌尻岳は登山者を選ぶ山です。

幌尻山荘はここ2年コロナ禍のため閉鎖されていますが、平取町では、令和4年度からの再開を目指しています。
幌尻山荘から山頂までは、4時間程ありますが、カール（氷河の侵食によって造られた場所）や花畑等素晴らしい景色が楽しめますので、機会があれば挑戦してください。


幌尻山荘ルート途中のカール

森林官としての業務

森林官は幌尻森林事務所が初任用で、今年で3年目となります。
任用前にはOJTなどで各種業務を学んだところですが、実際に業務に携わりながら覚えることが多く、1年目から周りの方の協力で何とか今に至っています。

現場では地林況等調査・森林踏査・境界巡視ほか、各種事業の監督検査等の業務を行っており、ドローンや全天球カメラをフル活用して業務に当たっています。
また、ここ2年は、森林整備のため間伐などの事業を実施しており、監督職員として安全で効率的な作業とするため、日々現場に出向いています。

そのほか、毎年、先ほど紹介した幌尻山荘や水力発電施設等の貸付地確認を行っています。
10回以上沢渡りを繰り返し、2時間程歩く業務は登山と変わらない辛さがあります。

年を重ねるとともに、山を歩く速度は遅くなっていますが、手術した両膝の負担を考慮しながら、今後も十分注意して歩く事で、長く現場での業務を続けて行きたいと思います