広大な国有林の最前線・森林事務所に勤務し、国有林を守り育てている森林官から届いたメッセージ紹介します
こんにちは森林官です!(勲禰別森林事務所)
十勝東部森林管理署 勲禰別森林事務所 森林官 金森千沙
日本一寒い町 陸別町
私が勤務している勲禰別(くんねべつ)森林事務所は、日本一寒い町として有名な陸別町に所在しています。 内陸にあり、周りを山に囲まれた盆地のため寒暖差が激しく、今シーズンの最低気温は氷点下31.4度を観測しました。過去には氷点下40度を下回り、計測不能となったそうです。
道の駅の温度計
また、林業と酪農の町で、牧草地とカラマツやアカエゾマツなどの人工林に囲まれたのどかな風景が見られます。
森林事務所の概要
陸別合同森林事務所内に陸別、斗満、勲禰別、宇遠別、鹿山の5つの森林事務所があり、陸別町内の国有林を森林官が連携して管理しています。 勲禰別森林事務所は陸別町の北西部を管轄し、面積は約6,778ヘクタールでそのうち約二割がトドマツとアカエゾマツの人工林となっています。
勲禰別は「クンネベツ」と読むのですが、アイヌ語で「黒い川」を意味しており、湿地のため川底が黒いので、川が黒く見えます。 管内に目立った大きな山はありませんが、隣接森林事務所の国有林を廻っていると、雌阿寒岳や北稜岳、クマネシリ岳を眺望できるスポットがあり、密かな楽しみでもあります。
斗満から眺める雌阿寒岳(左)
森林官の仕事
森林官の仕事は、巡視や調査等多岐に渡りますが、今回は地況林況調査について紹介したいと思います。 地況林況調査は、森林の気候や地質などの地況と、樹木の種類や太さ、高さ、本数などの林況を調査して、今後の伐採などの施業を計画し必要なデータベースを更新するために必要な調査です。
しかし、広大な国有林を全て調査することは困難なため、近年取り入れられているのがドローンと全天球カメラです。 森林官になるまではほとんど触ったことのなかったツールですが、「ものは試し」と思い、従来の標準地調査と併せて使用してみました。
ドローンでは、歩ききれなかった場所が調査した箇所と同じような林相になっているか確認できますし、全天球カメラではおおまかな材積だけでなく、樹冠や林床植生の状況もわかります。 数字だけでなく映像としても記録できるので、後に森林官が変わってもわかりやすいところが利点だと思います。
ドローン撮影による林況把握写真
終わりに
森林官1年目は初めて経験する業務ばかりでしたが、机上では分からなかったことを、山を歩いて目で見て習得できることがたくさんあって充実した一年を過ごすことができました。 2年目はこの1年で得たことを活かして、さらに山を見る目や技術を向上させ、諸先輩方が育てた山を後世へつなげていきたいと思います。
十勝東部森林管理署 勲禰別森林事務所
住所:北海道足寄郡陸別町陸別基線318 電話:0156-27-2039
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お問合せ先
総務企画部企画課ダイヤルイン:050-3160-6271
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