2020年9月
富良野発!十勝連峰GSS山岳便りBLOG
令和2年9月27日(日曜日) 白銀荘歩道入口~十勝岳避難小屋 巡視
季節が急速に進行した十勝連峰の山中です。
遭難事故等も起きておらずシーズン終盤を迎えています。
このルートは刈払等の整備が行き届き、良好な状態が維持されていたように感じます。
素朴な見た目のマルバシモツケが紅葉を迎え、歩道脇を彩っていました。
十勝岳避難小屋付近の現場は終始、低気温に加え雲の中であった為、利用者は見られず静まり返っていました。
小屋内部は、管理の行き届いた状態が維持されています。
この時季でもシラタマノキの実が沢山残っている様子が印象的でした。
最後に今シーズンも無事、GSS活動を終了することができました。
例年に無く多くの高山植物に勢いがあり、植生保護活動に非常にやりがいを感じました。
今後も増加傾向にある利用者に対し、きめ細やかな植生保護活動の必要性を感じております。
任期期間中、充実した時間を過ごす事ができました。ありがとうございました。
令和2年9月26日(土曜日)十勝連峰各歩道巡視
本日は、十勝連峰の各歩道入口を巡視します。
3箇所とも気温は10度程で風が強く吹いていました。天候の悪化が予想されることから、閑散としています。
十勝岳温泉歩道入口
白銀荘歩道入口
望岳台歩道入口
十勝岳望岳台防災シェルター内では、天気図と雨雲レーダー、山中に設置されたカメラの映像を見られるだけでなく、火山情報についても知る事が出来ます。
入林前には防災シェルターで最新の情報を入手しましょう。
望岳台周辺でもウラジロナナカマドの紅葉を確認する事が出来ました。
白い花、赤い実、そして紅葉、季節ごとに美しく歩道を彩ります。
令和2年9月25日(金曜日) 十勝岳温泉歩道入口~富良野岳肩付近 資材撤去作業 巡視
三段山崖尾根コースが通行止め解除されました。
刈払作業により、歩道の環境がより改善されております。
短時間で登頂可能な軽登山コースとして利用者の増加が見込まれます。
三峰山下の斜面から、歩道入口方面を見下ろすと、紅葉した植生が眼下に広がっていました。
更に標高を上げ、富良野岳肩分岐に進みますと、紅葉した植生が辺り一面を覆っており、見頃を迎えていました。
今季、植生の踏み荒らし抑止の為に設置した資材を撤去し、例年同様に現場付近に安置します。
今季、植生保護した土壌から、新しく小さなチングルマの葉が覗き紅葉しているのを確認しました。
今後も、これらの植生踏み荒らし箇所に対する効果的な処置を行う必要性を改めて認識しました。
この日も、現場となったおよそ標高1800メートル付近では、強風が吹きつけ厳しい環境でした。
噴煙が、吹き下ろす強風の勢いで尾根沿いに流れる、希な様子が見られました。
令和2年9月20日(日曜日)十勝岳温泉歩道入口~上ホロ避難小屋 巡視
本日は、十勝連峰上ホロ避難小屋周辺の巡視および植生保護活動を実施します。
秋の大型連休となり、今シーズン一番の賑わいを見せています。
歩道入口から20分ほど歩くと、以前まで笹で覆われていた三段山分岐の歩道が、きれいに刈り払われています。
(9月25日に開通)
ナナカマドの紅葉が進んでいます。
色づき具合で言うと5~6割ほどで、例年に比べると遅く感じます。
上ホロ避難小屋は、来週から始まる改修工事中も宿泊は可能とのことです。
上ホロ避難小屋には資機材が置かれていました。
老朽化による雨漏りの改善に期待します。
令和2年9月19日(土曜日) 新プリンスホテル富良野ロープェイ山頂駅歩道入口~富良野西岳 巡視
本日は富良野ロープウェイ山頂駅から富良野西岳山頂までの巡視を実施しました。
山頂駅を出て、正面に歩道の入口が見られます。
歩道は、入口から山頂最寄りの区間まで、笹の刈払により見通しもよく快適に通行できました。
富良野西岳では、地元住民によるクマの目撃例の多い事で知られています。
水場となる小さな沢の付近では、特にクマの痕跡が多く確認されております。
標識の立つ山頂を、登頂直前の歩道から眺めた様子です。
頂上は岩場になっており、非常に高度感があります。
ここから、富良野盆地を見下ろした先には、遠く大雪山系十勝連峰等、周辺の山々を一望できます。
山頂から、芦別岳、夕張方面を望みます。
この標高(約1311メートル)では空気の冷たさから、秋の気配を感じます。
足下には、厳しい環境の元で色付いた植生(ウラシマツツジ)が風に吹かれていました。
令和2年9月18日(金曜日)緑の回廊 巡視
本日は、奥落合方面の緑の回廊を巡視します。
林道は刈り払い作業が施されており、見通しも良くなり幅員も確保されました。
ニシキギ科の落葉低木、ヒロハツリバナの赤い実が色鮮やかでした。
花や実が枝からたれさがっている様子から「ツリバナ」と呼ばれています。
どんぐりがミズナラの木にたくさん実っています。
マタタビの果実が熟しています。
奥落合の森の中は、実りの秋の真最中です。
令和2年9月13日(日曜日)原始ヶ原 巡視
本日は、原始ヶ原から富良野岳方面へ足を伸ばし、1キロメートルほど先の歩道まで巡視を実施しました。
湿地帯での歩道の目印は、点々と付けられた蛍光色のテープ、まれに設置してある、朽ちかけた古い看板、そしてやや不明瞭な踏み跡となっています。
視界があれば正面には富良野岳が見えているので、方角を間違う事はないでしょう。
湿地帯では、ところによってはすね又は膝くらいの深さがあります。
動物の足跡を確認する事も多いので、シカやキツネなどの野生動物の通り道にもなっている事がわかります。
ヤマハハコの白い花が咲いています。
花期を迎えた白い花々が目を引きます。
黒く熟したヤマブドウの実を確認しました。
ヒグマが好んで食べる事から、獣害対策が必要な季節になりました。
令和2年9月12日(土曜日)十勝岳温泉歩道入口~1580メートル付近(富良野岳方面) 植生保護活動
本日は、以前よりトイレゴミの放置が散見されるエリアの清掃、整備作業に向かいます。
新しく設置された登山案内図と携帯トイレ回収BOX。
上ホロ分岐を富良野岳方面へ進み、三峰山沢を越えた標高約1580メートル周辺が問題の場所になっています。
この展望の良い開けた場所では、富良野岳を目指す利用者の大半が休憩を取ります。
そして、少し離れた獣道の先は、トイレスポットとして知られる場所でもあります。
本日もやはりトイレゴミを確認し、回収する事となりました。山でのトイレマナー改善と携帯トイレの普及が望まれます。
歩道確保のため、繁茂した植生の枝打ちをします。
利用者の歩くスペースの分だけ、切りすぎないよう注意しながら整備しました。
ウラジロナナカマドの葉が赤く色づき始めているのを確認しましたが、例年に比べ紅葉の進みは遅いように感じます。
紅葉登山がピークを迎える秋の大型連休に向け、今後の冷え込みに期待します。
令和2年9月11日(金曜日) 十勝岳温泉歩道入口~三峰山付近 歩道脇刈払い 巡視
今夏の厳しい残暑も落ち着きを見せ、冷えた秋の空気を漂わせる十勝連峰となりました。
今年の紅葉は時季が随分と遅れているようです。
三峰山山頂付近の稜線でも、厳しい環境が続きます。
三峰山付近の稜線のごく一部で紅葉を始めたウラジロナナカマドが目につきました。
今年も美しい紅葉に期待します。
令和2年9月6日(日曜日) 十勝岳温泉歩道入口~三段山(崖尾根コース) 巡視
十勝岳温泉駐車場は30台以上の路上駐車を確認するほどの盛況ぶりです。
入林台帳には、早朝より100名以上の記入があり、この山域への注目の高さが窺えます。
9月6日現在では、三段山崖尾根コースは閉鎖されており、三段山分岐には立ち入り禁止の看板が設置されています。
しかし、歩道再開に向けて整備が進められています。
三段山分岐の笹藪を抜けると、よく整備された歩道に出ます。
雨や露などで濡れていると滑りやすいため、注意が必要です。
歩道は、小さな沼の横を通り、崖尾根に繋がる急斜面へと続きます。
沼は、野生動物たちの貴重な水場となっているようです。
付近には真新しいヒグマの糞が落ちていました。
駐車場から僅か数百m程の距離ですので、注意が必要です。
安政火口側の斜面は急峻で崩れ易いため、鉄杭とロープが設置してあります。
本日は、崖尾根コースが再開に向けて整備が着実に進んでいる事を確認できました。
令和2年9月5日(土曜日) 夕張岳金山歩道入口 巡視
本日は、夕張岳金山歩道入口まで巡視します。
ヤマブドウやカエデの葉は青々としており、秋の気配を感じにくい印象です。
林道脇を流れるトナシベツ川は、昨今の雨により増水が目立ちます。
歩道入口では、立ち入った痕跡が希薄に感じます。
台帳を確認すると、たいへん困難なおもいをして金山歩道入口側に辿り着いた様子がうかがえます。
入口より、一定区間歩道に立ち入りましたが、もともと細い歩道はかろうじて道幅を確認出来るにとどまっています。
令和2年9月4日(金曜日) 十勝岳温泉歩道入口~上富良野岳肩分岐付近 巡視 植生保護ロープ張り
本日は、雨雲に覆われた十勝連峰となりました。
濡れて滑りやすくなっており、岩場などでは特に注意が必要です。
山中の岩場ではナキウサギの姿をカメラに収めようと、歩道を大きく逸脱する利用者が見られます。
これらの方々も啓発の対象とさせて頂きます
歩道脇には夏の名残となったセリの仲間が白く点在する様子が印象的でした。
秋の山中らしく、上空の環境が目まぐるしく変わり続けるため、装備の確認を徹底して頂きたいものです。
荒天の影響によるものかテープが消失していましたので、トラロープを使用し復元しておきます。
雨の状況が厳しくなったため、やむなく下山しました。
山中では、紅葉の進捗状況を懸念する声が聞かれます。
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