2020年8月
富良野発!十勝連峰GSS山岳便りBLOG
8月30日(日曜日)十勝岳温泉歩道入口~安政火口分岐手前 巡視
本日は、悪天候のため登山を目的とした利用者および車の姿は見受けられませんでした。
標高約1280メートルの駐車場では、車の気温計が7度となっていました。
風雨に耐えながら、ツツジ科の小低木イワハゼ、通称アカモノの実が色鮮やかに熟しています。
歩道を歩いていると、風速5~10メートル程のやや強い風が雨を伴って体温を奪っていきます。
一般的に風速1メートルにつき体感温度は1度下がると言われております。
ヌッカクシフラヌイ川は、昨日から続く雨の影響で茶色く濁った水が流れています。
さらに増水が進めば下山困難になる可能性もありますので、引き返してきました。
8月29日(土曜日)芦別岳旧道歩道入口~ユーフレ小屋 巡視
本日は、夕張山地・芦別岳旧道歩道入口より、ユーフレ小屋までを巡視します。
白竜の滝の細く涼しげな流れが暑気を忘れさせてくれます。
エゾトリカブトは、高山帯のものより比較的淡い青紫色の個体が多く見られます。
本日のコースを、およそ半分ほど進んだ地点に、少し規模の大きな崖崩れが発生していました。
崩落の起点となった斜面の岩場を見上げると、この後も崩落が懸念される脆い岩場が見られ注意が必要です。
昨今、この芦別岳ではクマの目撃が多発しているようです。
この日も、クマの痕跡を確認しています。
8月28日(金曜日)十勝岳温泉歩道入口~上ホロ避難小屋 巡視
本日は、風もなく青空の広がる十勝連峰です。
上富良野岳肩付近では、崩れ易い不安定な崖地に鉄杭及ピンクテープで歩道逸脱・転落防止措置を施します。
上ホロ避難小屋は老朽化が進んでいますが、来月には簡易的な補修作業が予定されています。
常緑の小低木、ガンコウランの実が黒く熟しています。
300階段上部にて使用済みトイレットペーパーを発見しました。
携帯トイレにて回収し、歩道入口に設置してある回収BOXで処分しました。
8月23日(日曜日) 望岳台歩道入口、望岳台探勝路 巡視、啓発活動
この日、十勝岳の活火山らしい噴煙が連峰にたなびいていました。
混雑する望岳台の駐車場わきに、ひっそりと探勝路の入り口があります。
火山帯らしい岩場の上に開かれたルートを進みます。
この探勝路はナキウサギの撮影場所としても知られています。
よく日に焼けたシラタマノキの実の姿から、夏の終わりを感じます。
8月22日(土曜日)十勝岳温泉歩道入口~富良野岳 巡視
本日は、富良野岳肩分岐から山頂方面に、以前設置した歩道逸脱防止の案内テープを確認しました。
何らかの原因でテープが破損して機能していません。
新しくテープを張り替え、足下のペイントも見やすく設置し直しました。
設置したテープでの誘導が機能している箇所も複数で確認する事が出来ました。
有毒で知られるキンポウゲ科のダイセツトリカブトが 色鮮やかに咲いています。
風もなく穏やかな一日となった富良野岳では、展望も良いことからカメラを手に歩道を外れてしまう人も少なからず確認され、その都度啓発活動の対象とさせていただきました。
8月21日(金曜日)原始ヶ原歩道入口~(滝巡りコース)原始ヶ原 巡視
本日は滝巡りコースから、原始ヶ原を目指します。
このコースでは、その名の通り多くの滝の脇を通行します。沢の渓相も非常に良く、周囲を原始ヶ原の豊かな植生に囲まれる中、素朴な歩道を辿るルートとなっています。
無名ながら、落差のある滝もあります。
このルートは利用者の痕跡が薄く歩道、植生共に手付かずに近い状態が維持されています。
流れのほとりにはフキユキノシタが群生し、多くの花を咲かせています。
原始ヶ原湿原には爽やかな夏風が吹いており、富良野岳が目前に望まれます。
8月16日(日曜日)十勝岳温泉歩道入口~上富良野岳 巡視
本日は、上富良野岳山頂を目指します。
標高を上げるほど視界は悪くなり、稜線に出ると強い風に晒されます。
夏山と油断せず防寒着は必携の装備になります。
視界不良から歩道が判別しにくい状況になっています。
地図とコンパス、またはGPS等の携行が推奨されます。
赤い実を付けたウラジロナナカマドが露で濡れていました。
真夏の山道を彩る花として広く知られる、淡く蒼いイワギキョウが盛期を迎えていました。
8月15日(土曜日) 白銀荘歩道入口~十勝岳避難小屋 巡視
本日は、白銀荘歩道入口付近から十勝岳避難小屋までの巡視を行います。
歩道脇の植生の刈払いにより歩道の状態は良好です。
連絡路の一部区間にはハイマツのトンネルが見られます。
眼下の富良野盆地上空にも雲がかかり雲海となって広がっていました。
歩道上で一部不明瞭な箇所があったのでピンクテープで誘導を施しました。
植生の踏み荒らしや視界不良時の道迷い防止に期待します。
ツツジ科の落葉低木クロウスゴが、熟した黒い実を付けていました。
8月14日(金曜日) 緑の回廊 巡視
本日は、大雪山系、日高山脈の保護林を連結し、地域同士に生息する野生動物の相互交流を主な目的とした緑の回廊の巡視に向かいます。ひたすら、幅員の狭い林道を走り続けます。
エゾシカやエゾライチョウなどの野生動物も多く見られます。
しばらく散策しましたが、緑豊かな環境の山中が穏やかに続いています。
エゾシカ
エゾライチョウ
ほろか橋からシーソラプチ川を眺めます。
この川の源流部は、十勝連峰の上ホロカメットク山周辺にあります。深い森の奥には十勝連峰が望まれ、豊かな流れの中に山と川との繋がりを強く感じます。
8月9日(日曜日)十勝岳温泉、白銀荘、望岳台、各歩道入口 啓発活動、巡視
大型連休中という事情も重なり、十勝岳温泉凌雲閣前の駐車場付近には、長い路上駐車の列が続いています。
キャンプ場付近には、タカネニガナなど多くの植生が見られました。
望岳台歩道入口において、例年と余り変わらない利用状況に感じます。
シラタマノキが白い実を沢山付けていました。
今年も、ナツアカネが景色に映える時季を迎えます。
8月8日(土曜日)翁遊歩道 巡視
本日は霧雨なので翁遊歩道を巡視します。
ミヤマホツツジが、歩道脇にて冷たい雨粒を纏っています。
瑞々しい緑に覆われた歩道は、今日のような天候の散策路としては最適に感じます。
歩道の一部区間においては、切り立った崖付近を通行します。
展望台から落差10メートルほどの、法華の滝が見られました。
多湿な環境が継続しているせいか、歩道から多くの菌類を見掛けるようになりました。
山中では早くも、キノコ取りのシーズンが近づいている様です。
8月7日(金曜日)原始ヶ原(林間コース) 巡視
本日は原始ヶ原に至るルートを巡視します。この時季、多くの利用者が酷暑を逃れて訪れます。
花期を迎えたミソガワソウです。
群生するジンヨウイチヤクソウです。
今日も静寂に包まれた、原始ヶ原高層湿原です。
不動の滝周辺に立ち寄ると、ダイモンジソウが滝からの水しぶきに打たれていました。
8月2日(日曜日)夕張岳金山コース歩道入口 巡視
本日は、夕張岳金山コース付近の林道をへて、歩道入口までの区間を巡視します。
長い尾根歩きが特徴です。
トドマツの樹皮にヒグマの爪痕を複数確認することができました。
付近にはヤマブドウが、まだ緑色の実を沢山実らせています。
歩道入口には、入林ボックスが設置してあります。
利用者は少ないようです。獣害対策を行って頂きたく思います。
8月1日(土曜日)白銀荘歩道入口~三段山 巡視
本日は、白銀荘歩道入口より、三段山山頂を目指します。
歩道の一部区間においては、足下の木の根や、滑りやすい急登の足場を形成する土壌があり、注意が必要です。
ウラジロナナカマドが沢山の実を付けていました。
山頂付近の岩場からは、勢いよく噴煙が立ち上っていました。
三段山山頂からは、周囲の十勝連峰の山並みを気持ちよく見渡す事が出来ました。
付近の岩場では、ミヤマリンドウが沢山開花し、真夏の山道を彩っていました。
歩道の足下には、ハイオトギリの花も目立つようになってきました。
三段山付近の高山植物も、全体的に良好な状態が維持されたまま、夏山シーズンを迎えています。
お問合せ先