2018年6月
富良野発!十勝連峰GSS山岳便りBLOG

平成30年6月30日(土曜日)十勝岳温泉歩道入口~上ホロ避難小屋巡視
本日は、主に上富良野岳山頂から上ホロ避難小屋への歩道の巡視を実施しました。
上富良野岳山頂では、雲の中に入っており視界は数メートルほどでした。
数分歩道を進んだ安政火口の上付近に位置する歩道の様子です。
ここは、突風が強く吹き付ける地点である事が知られており、この日も非常に厳しい気象条件でした。
この場所で確認される雪渓は、概ね夏季まで残り、上ホロ避難小屋の利用者による給水地点として知られています。
周辺には雪解け水の流れが出来ていました。
このルートの歩道でも、毎年エゾノツガザクラの開花が確認されます。
自然環境の変動によるものか、近年この植生の開花時期にずれが生じ、非常に確認しづらくなっているように感じます。
年間を通して利用される、上ホロ避難小屋も内外共に良好な状態が維持されていました。
小屋の裏側には、トイレが設置されており(写真右)周辺にはテントサイトも設けられています。
避難小屋周辺は、非常に穏やかな環境が広がっており快適です。
写真は、東大雪方面の雄大な山並みを遠くまで見渡した様子です。
ただ、この付近ではクマの目撃情報も多く、獣害対策を怠る事が出来ません。
雪解け直後で、利用者が少ないためか、今回の巡視中には、歩道を逸脱しての踏み荒らし等は確認されませんでした。
人為的な荒廃を抑止する目的の目印設置など、引き続き現場作業を継続してゆきます。
(写真=エゾコザクラ)
平成30年6月29日(金曜日)原始ヶ原、芦別岳新道、旧道歩道入口巡視
雨により、原始ヶ原、芦別岳新道、旧道歩道入口の巡回業務を実施しました。
連日の雨天により、山間部では降水による沢の増水に見舞われ、引き返す登山者も多いようです。
山中では、ミヤマオダマキなど大ぶりな花をつける植生の姿が、次第に増えてきました。
開花直後は、俯いた様子に見えるこの花も(1枚目)徐々に、上向いてゆく事が知られています(2枚目)。
芦別岳旧道歩道入口では、随分と植生の緑が濃くなってきたように感じます。入林台帳には、前日の早朝から入林されている登山者らしき記載が見られました。
天候等に注意して、無理のない登山をお願いします。
平成30年6月23日(土曜日)十勝岳温泉歩道入口~富良野岳巡視
本日は天候に恵まれ、多くの登山者が早朝から登頂を目指していました。
上ホロ分岐では、ようやく標識が見えるようになりました。
ここでルートを誤る登山者も多いようですので、休憩をしながら登山計画の確認をするようお願いします。
歩道脇にはミヤマキンバイなどの高山植物が生育しています。
歩道外への入り込み防止するようロープを設置しています。
山頂では、素晴らしい展望に恵まれました。
写真中央奥の下ホロカメットク山の先には、遙か東大雪方面が望めました。
山頂付近の斜面では、今年もエゾハクサンイチゲの群生が見られ、登山者の目を楽しませていました。
平成30年6月22日(金曜日)十勝岳温泉歩道入口(崖尾根コース)三段山巡視
本日は、一般開放が待たれる、十勝岳温泉歩道入口の先で分岐する、崖尾根コースの巡視を実施しました。
三段の沼の周囲にはまだ雪が残っており、水面は殆ど隠れていました。
歩道の入口から、数百メートルはササをかき分け進みます。
切り立った岩場崖がコース中の頭上にあり、比較的新しい落石を確認しました。
安全確保のため、現在はコースを閉鎖しています。ご理解ご協力をお願いいたします。
メアカンキンバイ
キバナシャクナゲ
平成30年6月17日(日曜日)富良野ロープウェイ山頂駅歩道入口~富良野西岳巡視
本日は、富良野ロープウェイ山頂駅歩道入口から富良野西岳山頂までの巡視パトロールを実施しました。
富良野ロープウェイ山頂駅の展望台から富良野盆地方面を眺めた様子です。
歩道脇にはエゾノリュウキンカが沢山咲いていました。
富良野西岳の山頂の岩の上に標識が設置されています。
また、山頂付近の岩場の崖にお花畑が形成されており、大雪山系ではあまり見かけない花も見られます。
エゾミヤマクワガタ
チシマフウロ
山頂からの様子です。残念ながら芦別岳に雲がかかっていました。
平成30年6月16日(土曜日)十勝岳温泉歩道入口~カミホロカメットク山巡視
今日は、十勝岳、富良野岳山開きを明日に控え、上富良野町役場及び観光協会と合同で、歩道点検を行いました。
歩道入口付近の雪渓は、前回に比べ随分と減っていました。
ルートを進むと、最初の尾根付近の斜面には、まだ多くの雪が残っており、関係者が雪切りを行っていました。
上富良野岳の谷間を覆う大きな雪渓が無くなると、高山植物のお花畑となります。
人に慣れたキタキツネもいますので、エサを与えないようお願いいたします。
ゴミや落とし物を見つけました。
今後も入山者が増える時期ですので、落し物には注意し、ゴミは持ち帰るようお願いいたします。
平成30年6月15日(金曜日)芦別岳新道歩道入口~ユーフレ小屋巡視
本日は、芦別岳旧道歩道入口から山頂を目指すユーフレ小屋までの巡視パトロールを実施しました。ユーフレ小屋までは、約1時間30分です。
巡視中にシマリスと出会うことができました。
近年このコースでの滑落死亡事故も起きています。
歩道の幅員が狭く、下の水面まで数十メートルの崖になっていますので、充分に注意して下さい。
コースを進むとユーフレ小屋が見えてきます。
小屋内部です。
芦別岳を目指す多くの登山者がこのユーフレ小屋を利用します。
小屋の周辺ではシラネアオイがきれいに咲いていました。
平成30年6月9日(土曜日)山部自然公園太陽の里 自然散策沢コース巡視
本日は、芦別岳の麓に位置する山部自然公園太陽の里キャンプ場に隣接する自然散策路、沢コースの巡視を行いました。
散策路の距離は約2km。所要時間は1時間程です。
鉄橋から対岸に渡ります。
鉄橋を渡り、キャンプ場を通り抜けて進みます。
キャンプ場の脇にある、小道を奥の方へ進みます。
キャンプ場に隣接したコースではありますが、ヒグマのフンも見つかっており、ヒグマ対策が必要となります。
特徴的なアーモンド型の葉を持つ、バイケイソウが沢山見られました。
花を咲かせるのに非常に長い時間を要することが知られています。
平成30年6月8日(金曜日)原始ヶ原歩道入口(林間コース)~原始ヶ原巡視
本日は、十勝連峰の端に位置する原始ヶ原林間コースの巡視を行いました。
このコースの途中では、美しい白い幹が特徴的なダケカンバ林を抜けて進みます。
夏までは、コマドリの爽やかなさえずりが響いてきます。
朝から降り続く冷たい雨の中、花期を迎えたムラサキヤシオツツジが沢山咲いていました。
この時季、マツの仲間の多くが枝先に花を着けています。これに触れると、大量の花粉を飛散させるものがあります。
原始ヶ原は深い静寂に包まれていました。
平成30年6月3日(日曜日)白銀荘歩道入口~三段山巡視
本日は三段山の巡視パトロールを実施しました。
ルート序盤は、ササ帯の中を進みます。
ササ帯を抜けると、マツの林に入ります。
この場所が、例年雪解けの遅い場所になっており、歩道がわかりにくくなっていますので、道迷いには注意が必要です。
一部の斜面では、まだ大きな雪渓が残っており、アイゼンが必要になります。
三段山の山頂からは十勝連峰を一望できます。
左の尖った三峰山から、右奥の富良野岳に至る山並みには、まだ雪渓が残っています。
初夏の十勝連峰では多くのツガザクラが咲きますが、その中でも最も開花の早いコメバツガザクラです。
平成30年6月2日(土曜日) 十勝岳温泉歩道入口~安政火口巡視
本日より十勝連峰GSSの活動がスタートしました。
本日は晴れていますが、十勝岳温泉歩道入口には、まだ多くの雪が残っています。
しばらく進むと雪渓が現れ歩道も確認出来ません。
それでも、雪渓の上には足跡が残っていました。
安政火口までのコースで、歩道が確認出来たのは全体の約3割程度でした。
この雪渓も、午後には解けて小さな流れを作りました。
歩道を進むと、眼下にはV字型の谷間が見られます。
雪渓で、谷底は見えませんが、ここはヌッカクシ富良野川の源流部です。
雪渓の下からは、微かな流れの音が響いてきました。
安政火口は、見晴らしが良いため道迷いなどは考え難くなっていますが、火口を示す標識等の目印がなく、ルート誘導が乏しい場所ですので、特に視界が悪い時は充分に注意の上、通行して下さい。
やがて足下の土壌が硫黄成分で黄色く変色した状態に変わった場所が目立つようになり、足下から高い地熱を感じられ、小さな穴から噴気が確認されます。
下山時、雪渓が急速に解け始めている箇所では、踏み抜きが発生していました。
深いものになると、下が1mを超えて空洞になっているため、充分な注意が必要です。
エゾユキウサギの食べ散らかした痕跡と、丸い落とし物(フン)が沢山残っていました。
富良野岳の多くの植物は、まだまだ雪の下にあるようです。
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