知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信(2024)

令和6年8月30日(金曜日)シードトラップ設置
実りの季節が近づいてきました。今年はミズナラの木にたくさんのどんぐりがついているように見えます。知床森林生態系保全センターでは、平成元年から毎年ミズナラにシードトラップを設置し、ヒグマの食料となる堅果の結実状況を調査しています。
調査箇所はイタシュベツと岩尾別の2か所で、イタシュベツで10本、岩尾別で15本の調査木を設定しています。
今回はシードトラップの設置作業で、まず午前中はイタシュベツに向かいました。
まずは、積雪期に曲がってしまった鉄ピンがあれば修正し、高さを調整します。
次に、持ってきたシードトラップを広げ、四隅を鉄ピンに固定します。なお、シードトラップは1本の調査木につき3基ずつ設置します。
シードトラップの周りに背の高い草が生えていると、それをつたってネズミやリスがトラップ内に入って悪さをすることがあるので、最後に周辺を軽く草刈して設置作業が完了します。
午後からは岩尾別に向かいました。ここでも同様に、シードトラップを設置していきます。
岩尾別の調査地点は川を渡らなければいけません。この川はヒグマがよく利用しているため、ヒグマがいないかよく確認してから渡ります。
獣道を登り、2人で2往復して資材を運び、岩尾別のシードトラップも設置が完了しました。
山の実りが良いと、ヒグマが里に出現することが少なくなると言われています。昨年は凶作でしたので、今年はどんぐりの実りが良いといいですね。
令和6年8月24日(土曜日)春苅古丹・羅臼岳(羅臼側)登山口の草刈
この日は羅臼町の春苅古丹林道で野生生物調査地点の草刈を行いました。
知床森林生態系保全センターでは知床世界自然遺産地域のモニタリングの一環として、自動撮影カメラを設置して哺乳類の生息状況を調査しています。
今回は秋の調査の事前準備として、一番奥の作業道の笹を刈りました。
2時間で作業を終え、春苅古丹林道を後にしました。
午後からはヒグマ目撃情報アンケートの更新と、羅臼岳(羅臼側)登山口周辺の草刈を行いました。
羅臼岳や硫黄山、知床連山へ登山予定の方はクマスプレーを必ず携帯し、山行を楽しんでいただけると幸いです。
令和6年8月9日(金曜日)国設知床野営場内遊歩道の草刈
知床森林生態系保全センターは国設知床野営場の中にありますが、お盆休みは夕陽台に観光で訪れる方やキャンプを楽しむ方で賑わいます。お盆を前に、野営場を一周する遊歩道の草刈を行いました。
遊歩道入口にある夕陽台からはウトロ漁港が見え、夕日だけでなく、日中でも美しい展望台です。
遊歩道周辺の林内には、ヨモギやヨブスマソウ、ゴボウなどの背の高い草が茂っていたので、
これらの草を刈り取って、ヒグマが隠れられないように見通しを良くしました。
野営場を含むウトロ市街地は防鹿柵と電気柵に囲まれていて、ヒグマが侵入しにくい対策がされていますが、完全に防げるものではありません。
ヒグマが逃げ込むところを作らないように草刈を行っています。
遊歩道にはエゾシカも出没することがありますので、散策後はマダニが服についていないか、チェックをお願いします。
令和6年8月2日(金曜日)イチイの森防鹿柵修理
先月、倒木の状況を確認したイチイの森ですが、このままにしておくとシカが入れるようになってしまうため、ネットを用いて修繕を行いました。
今回の補修は幅7mとやや大掛かりな作業です。作業時に妨げとなりそうな部分の枝を除去し、2分割したネットをつなぎ合わせました。
隙間が空いていた防鹿柵の上部をしっかりと覆うことが出来ました。
今後も異常が見られないか、定期的に巡視を行います。
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