知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信(2023)

令和5年10月28日(土曜日)ミズナラ堅果(どんぐり)結実調査最終日
9月1日から毎週調査を行ってきたミズナラ堅果結実調査ですが、ついにトラップ撤収の日となりました。
イタシュベツへ向かうと道中は霧が立ち込めていました。
トラップの破損や異常が無いか確認しながら回収していきました。
車まで2往復してトラップを積み込み、岩尾別に向かいます。
岩尾別の調査地は浅いとはいえ川を渡るため、トラップの運搬時には注意が必要です。
こちらでも大きな破損は見られず一安心。
トラップを一つ一つ解体し、背負子に載せて帰ります。
帰りの道は足元に注意しながら渡りました。
令和5年10月26日(木曜日)知床国立公園クリーン事業
本日は、ルシャ地区でボランティアの地域の方々と知床国立公園クリーン事業に参加してきました。
毎年秋に行われているこのゴミ拾いは悪天候となることが多いのですが、今回は晴天に恵まれ暖かいなかでの作業となりました。
現地で注意事項や拾ったゴミのリサイクルについて説明を受け、早速ゴミ拾いにとりかかります。
ルシャ地区は断崖絶壁が続く知床半島の斜里側の中でも数少ない浜で、そのような浜には様々な漂着物が打ち上げられています。
足元にはこんな風景が広がっています。
とても歩きづらいので転倒しないように注意して歩きます。
中にはエゾシカ(オス)の頭骨まで漂着していました。
今回のクリーン事業ではゴミ拾いの対象を『漁具のブイ』だけに絞りました。
漁具のブイであれば破片でも頑張って見つけて回収していきます。
1時間ほどの作業で回収車に積みきれないほどのブイが集まりました。
この少しくすんでしまった、カラフルなブイがどのようにリサイクルされるのか楽しみです。
令和5年10月22日(日曜日)フレペの滝の巡視
本日は、フレぺの滝の巡視を行いました。
紅葉シーズンも終わりを迎え、歩道は色とりどりの落葉に覆われています。
山の方を見ると、雪でうっすらと白くなっていました。
知床横断道路はもうすぐ閉鎖になります。
フレペの滝の後は遠音別川周辺を巡視してきました。
サケの遡上を見ると秋の深まりを感じます。
令和5年10月21日(土曜日)羅臼湖三の沼展望台撤去
知床も気温が下がり始めたため、本日は羅臼湖の三の沼に設置している展望台の冬季撤去作業を行いました。
羅臼湖入口より30分ほどで三の沼に到着し、早速解体を始めました。
作業は順調に進み、解体作業は無事完了しました。
続いて展望台周辺のロープも撤去していきます。
全てのロープを撤去し今回の作業を終えました。
展望台は来年もシーズン初めに再設置します。
帰り際にはみぞれが降り、雪化粧をまとった羅臼岳とともにシーズンの終わりを感じました。
令和5年10月19日(木曜日)羅臼岳登山道整備イベント
昨年に引き続き、今年で3年目の環境省主催の羅臼岳登山道整備イベントに参加してきました。
元々は2日間かけて座学と整備を行う予定でしたが、2日目は悪天候が予想されたため、急遽1日での実施になりました。午前中は知床世界遺産センターで羅臼岳の地質やこれまでの登山道整備についてレクチャーを受けました。
午後からは使用する道具の説明や資材の運搬に関する注意事項を受け、4つのチームに分かれ作業を開始しました。
この登山道整備イベントでは『近自然工法』という方法で登山道の補修を行います。
倒木や石など現地で調達できるものを利用し、自然となじむような仕上がりの補修方法です。
今回は昨年施工した箇所の間に新たなステップ(段差)を増設しました。
ステップを増設することで登山道に流れ落ちる水流の勢いを弱め、登山道が崩れるのを防ぐことができます。
ステップとなる木を地面に置いただけでは踏圧や雨水でどんどん動いてしまうため、砂利や石で下地を作ったり、石組を行ったりと見えない部分の工夫をこらしながら作業を進めていきます。
この日、初めて顔合わせした方々とアイデアを出し合い、2時間ほどの限られた時間の中で1つのステップをどうにか完成させる事ができました。
補修前と補修後の画像を見比べると補修箇所がわからないくらいの仕上がりとなっています。
反省点としてはステップに使用した木が細かったかもしれません…
補修前
補修後
今回の整備イベントは半日だけの作業でしたが、相変わらず手よりも頭を使う作業でした。
このイベントで習得したことを今後に活かしたいと思います。
令和5年10月12日(木曜日)岩尾別防鹿柵・熊越の滝巡視
知床も徐々に紅葉が進み、秋の深まりが感じられるようになってきました。
前日に天気が崩れ強風が吹いたため、まずは防鹿柵に異常がないか点検を行いました。
まずはイチイの森防鹿柵へ向かうと・・・
大雨の影響で道路が洗堀されていたため、日を改めて出直すことにしました。
次に岩尾別の防鹿柵へ移動し、巡視を進めていると珍しいキノコを発見しました。
山伏茸(ヤマブシタケ)という、ミズナラやカシワなどの立枯や枯枝を好むキノコです。
遠目には球体のようにも見え、表面は毛のようなふさふさした印象でした。
防鹿柵の巡視を終えた後は、外来種駆除後の様子を確認するため熊越の滝へ行きました。
駆除を行った箇所では外来種は確認できず、バイカモが沢の流れを受けながらそよぐ様子を見ることが出来ました。
熊越の滝でも紅葉が始まっていました。
令和5年10月8日(日曜日)フレペの滝・ミズナラ堅果(どんぐり)結実調査
今日はフレペの滝巡視に行ってきました。
「Shiretoko Sustainable Fes」の企画で、普段は立入禁止のウトロ灯台が一般公開されて賑わっていました。
灯台も旗が飾られて特別仕様になっています。
その後はどんぐり回収を行いました。
シードトラップの中に、こんなものが入っていました。
モモンガの食痕のようです。
令和5年10月2日(月曜日)防鹿柵の巡視
前日に強風が吹いたため、この日は防鹿柵の点検をしました。
まずはイチイの森の防鹿柵へ。
途中にリスが貯めたクルミを食べた形跡を発見しました。
リスがクルミを集める姿に思いを馳せつつ巡視を続けます。
ここでは小動物が柵の下を掘った形跡こそありましたが、倒木等の大きな損傷も無く、応急処置を施して完了しました。
午後からは岩尾別の防鹿柵を巡視しました。
途中カシワにシマリスが登っていました。心癒される瞬間です。
その後巡視を進めていくと防鹿柵に穴が開いているのを発見しました。
柵にクマの毛が付着しており、柵内に掘り返した形跡もあったため、小型のクマが入り込んだようです。
最後に幌別防鹿柵を巡視し、センターへ戻りました。
秋になるにつれ、知床は強風の日が増えてきます。
シカの侵入を防ぐため、今後も防鹿柵を巡視していきます。
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