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北海道森林管理局

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    知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信(2023)


    知床!ウトロ・羅臼GSS通信

    令和5年6月30日(金曜日)ヒグマ目撃アンケート設置

    登山ではどうしてもヒグマのことが頭をよぎります。特に知床はヒグマの生息密度が非常に高く、どの登山道でも日常的にヒグマが目撃されています。

    最新の状況を確認して登山していただくため、GSSでは毎年7月から登山道のヒグマの目撃情報を募集する「ヒグマ目撃アンケート」を各登山口に設置し、お寄せいただいたアンケートを元にヒグマ目撃情報を掲示しています。
    今年は特にヒグマとの危険事例も発生しています。いつ・どこで出没していたのか、次に登山される方の参考になりますので、事故防止のためにご協力をよろしくお願いいたします。

    今日は各登山口にアンケートを設置しました。

    ヒグマアンケート設置

    ヒグマアンケート設置

    令和5年6月29日(木曜日)羅臼岳登山道合同整備

    今日は早朝より羅臼山岳会・環境省の皆さんと我々GSSで、羅臼岳(羅臼温泉コース)の山開き前の登山道整備を行いました。

    作業箇所は羅臼町側ですが、作業する場所が遠いので登りやすい岩尾別コースから上り、羅臼側に下山しながら作業します。

    登山道整備

    この時期の羅臼岳は、標高が1,000mを超えた辺りから残雪があります。雪の多い年は大沢からアイゼンとピッケルを使い登っていくのですが、今年はほとんど雪がなく、夏道が露出していました。

    雪のない登山道

    雪どけ後の大沢では今にも開花しそうなチシマノキンバイソウがたくさんありました。

    チシマノキンバイソウ

    作業スタート地点の岩清水では滴り落ちる水滴の隙間からイワウメが咲いており、登りの疲れが癒されました。今年の岩清水は豊富な水量に恵まれています。ここまでも長い道のりでしたが、今日はここからが本番です。

    イワウメ

    羅臼平から羅臼側のお花畑に下るルートと、岩清水からお花畑に下るルートの2チームに分かれ、作業開始です。

    標高が高く雪どけの遅い場所では道が雪に埋もれてわからないため、遭難防止用に雪渓上に行き先を示すロープを置いていきます。一見、登るためのロープにも見えますが正しくは道迷い防止のためのロープです。
    引っ張ると切れてしまう恐れがありますので、つかまらないようにお願いします。

    道迷い防止のためのロープ

    お花畑分岐の標柱がヒグマにかじられていました。自然の中にある人工物が気になるのでしょうか?この標柱はきちんと建て、夏のシーズンを乗り切ってもらいます。

    ヒグマにかじられたお花畑分岐の標柱

    大雪渓での作業後は羅臼方面へ下ります。屏風岩では夏道がほとんど露出していました。この時期だけに見られる滝の下では、流れ落ちた大量の水が川のようになっていました。

    川のように落ちる滝の水

    屏風岩の下部では、サシルイの沢に下りて行かないように迷い込み防止ロープの設置を行いました。ここでは過去に道迷いによる遭難事故が発生しています。屏風岩では誘導のピンクテープを見落とさないよう、泊場方面への登山道に注意しながら下ってください。

    サシルイの沢に下りて行かないように迷い込み防止ロープの設置

    ロープ設置完了後は最後の力を振り絞り、泊場から第一の壁まで草刈をしながら下山しました。なお、羅臼岳の草刈は今後、数回に渡り実施する予定です。

    草刈をしながら下山

    令和5年6月19日(月曜日)春苅古丹・羅臼岳登山道巡視

    知床は例年よりも気温が高い日が続いていますが、この日は羅臼町の春苅古丹林道を巡視しました。

    林道上に大きなヒグマのフンを発見しました。
    林道上に大きなヒグマのフンを発見しました。

    新しいフンや背こすりを行う木に付着する毛などが見られた場合は採取し、知床半島のヒグマ行動履歴を把握するためのDNA調査サンプルとして提供しています。
    新しいフンや背こすりを行う木に付着する毛などが見られた場合は採取し、知床半島のヒグマ行動履歴を把握するためのDNA調査サンプルとして提供しています。

    この日はフン、毛ともにサンプルを採取して、春苅古丹林道を後にしました。

    続いて、羅臼岳の羅臼温泉コースを木隠れの滝周辺まで巡視しました。

    こちらは登山道の一部が、今年崩れたため、新たに迂回路を設置しています。
    こちらは登山道の一部が、今年崩れたため、新たに迂回路を設置しています。

    以前の崩れた登山道の方へ入り込まないように立入禁止の表示を行いました。

    以前の崩れた登山道の方へ入り込まないように立入禁止の表示を行いました。

    以前の崩れた登山道の方へ入り込まないように立入禁止の表示を行いました。

    羅臼温泉コースには雪渓もありますので、ご利用の方は事前に登山道情報の確認をお願いいたします。

    令和5年6月18日(日曜日)防鹿柵巡視・羅臼岳(羅臼温泉コース)入林箱設置

    今日はまず斜里町内の岩尾別に設置している防鹿柵の巡視を行いました。
    岩尾別の防鹿柵では柵の中にだけエゾカンゾウがいくつも開花しており、防鹿柵の効果が目に見えていました。

    エゾシカは柔らかい草木を好んで食べる傾向があり、知床ではそのような草花を目にする機会が少ないのが現状です。
    標高の低いところの在来種は身を潜めるように咲き、エゾシカが好まない外来種を多く見かけます。

    今日はまず斜里町内の岩尾別に設置している防鹿柵の巡視を行いました。

    幌別の防鹿柵では上部からの倒木が柵の上に乗った状態のところがありました。
    今すぐにでも撤去したいところではありますが、太すぎるため今日は手を付けずに、今後、エゾシカが侵入しないように経過観察することとしました。

    幌別の防鹿柵では上部からの倒木が柵の上に乗った状態のところがありました。

    続いて、羅臼町側に行き、羅臼岳(羅臼温泉コース)の入林箱を設置しました。
    続いて、羅臼町側に行き、羅臼岳(羅臼温泉コース)の入林箱を設置しました。

    「よいしょ!」と支柱に乗せ、金具で固定します。
    「よいしょ!」と支柱に乗せ、金具で固定します。

    設置完了です。

    皆さんにご記入頂いた情報は遭難などの際に手がかりの一つとなるほか、今後の歩道の維持管理の参考にもさせていただいています。
    入林の際は入林簿への記入をお願いします。
    皆さんにご記入頂いた情報は遭難などの際に手がかりの一つとなるほか、今後の歩道の維持管理の参考にもさせていただいています。

    令和5年6月15日(木曜日)霧の羅臼湖

    今日の作業は羅臼湖三の沼の展望台とロープ設置です。
    霧の微細な水滴を顔に感じながら、作業現場へと歩きます。

    熊鈴のような音が聞こえ、辺りを見渡しますが誰もいません。
    きっと、ギンザンマシコのさえずりが鈴の音に聞こえたのでしょう。

    今日、羅臼湖で活動しているのはGSSとそこに住む生き物たちだけのようです。
    霧の微細な水滴を顔に感じながら、作業現場へと歩きます。

    歩道脇には様々な植物が顔を出しており、足元には、マイヅルソウが可憐な花を咲かせていました。
    歩道脇には様々な植物が顔を出しており、足元には、マイヅルソウが可憐な花を咲かせていました。

    三の沼に着いてからは展望台とロープの設置を行いました。
    ロープの設置は、利用者が歩道をはずれて歩き、植生を痛めないよう誘導する大事な作業になります。
    三の沼に着いてからは展望台とロープの設置を行いました。

    ピンが程よい高さになるように調整しながらロープを張っていきました。

    展望台は雪の重みで壊れないように、冬前に一度解体して春に再設置しています。
    組み立てはこれまでの経験もあり、今回はスムーズに行うことができました。
    展望台は雪の重みで壊れないように、冬前に一度解体して春に再設置しています。

    展望台とロープ設置の作業が無事終了しました。今年も羅臼岳が三の沼に映る”逆さ羅臼”を多くの方に届けてくれることを祈っております。
    展望台とロープ設置の作業が無事終了しました。今年も羅臼岳が三の沼に映る”逆さ羅臼”を多くの方に届けてくれることを祈っております。

    令和5年6月11日(日曜日)羅臼湖の巡視

    本日は羅臼湖の巡視を行いました。
    羅臼湖周辺には駐車場がありませんので、羅臼湖へ向かう際は知床峠の駐車場に車を置き、知床横断道路を羅臼側に45分ほど歩いて歩道入口を目指します。

    道路脇では所々で残雪が見られ、涼を感じます。
    道路脇では所々で残雪が見られ、涼を感じます。

    羅臼湖歩道は沼や湿原の近くを歩くため、多くのぬかるみがあります。
    このぬかるみを避けて歩道の脇を歩くと踏みつけにより植生が損なわれてしまいますので、羅臼湖ルールとして長靴の着用をお願いしています。

    長靴を履いたら勇気を出してぬかるみの中を歩きましょう。
    今日のぬかるみは硬めで歩くのに少し苦労しました。
    羅臼湖歩道は沼や湿原の近くを歩くため、多くのぬかるみがあります。

    現在、涸れ沢周辺は歩道が雪に埋もれており大雪渓となっています。
    この雪渓は緩やかなためアイゼンやピッケルなどの冬装備は不要ですが、行き先が分からなくなったら無理をして進むのではなく、引き返す選択も考えましょう。
    現在、涸れ沢周辺は歩道が雪に埋もれており大雪渓となっています。

    雪解けの遅かった所ではチシマザクラが満開でした。
    雪解けの遅かった所ではチシマザクラが満開でした。

    歩道脇にもチングルマが咲いて見頃でした。
    歩道脇にもチングルマが咲いて見頃でした。

    今日の羅臼湖です。
    対岸に見えるのは知西別岳です。

    時折、カエルの大合唱が聞こえたりもして、賑やかな巡視となりました。
    今日の羅臼湖です。

    羅臼湖の中には小さな島がありますが、草を食むエゾシカの姿が見られました。
    羅臼湖の中には小さな島がありますが、草を食むエゾシカの姿が見られました。

    令和5年6月10日(土曜日)熊越の滝巡視・羅臼湖入林箱設置

    今期の知床GSSの活動が始まりました。
    3名体制で知床半島の国有林パトロールを行います。

    どうぞよろしくお願い致します。

    1回目の巡視は羅臼町の熊越の滝へ行きました。
    1回目の巡視は羅臼町の熊越の滝へ行きました。

    昨年外来種(クレソン)駆除を行った箇所を確認しながら巡視しました。


    昨年の駆除で減少はしているものの、ところどころに外来種の復活している箇所がありました。
    今シーズンも駆除を継続していきます。

    熊越の滝の後は羅臼湖の入林箱設置を行いました。
    羅臼湖には駐車場がありません。

    羅臼湖へお越しの方にはバスの利用や知床峠からの徒歩、送迎などをお願いしております。
    今日は知床峠からゴミを拾いながら、片道約45分の道のりを歩きました。
    今日は知床峠からゴミを拾いながら、片道約45分の道のりを歩きました。

    入林箱と羅臼湖入口の看板設置作業を行い、無事完了しました。
    ]羅臼湖周辺の植物は例年より季節が早く進んでいるようです。

    入林箱と羅臼湖入口の看板設置作業を行い、無事完了しました。羅臼湖周辺の植物は例年より季節が早く進んでいるようです。

    入林箱と羅臼湖入口の看板設置作業を行い、無事完了しました。羅臼湖周辺の植物は例年より季節が早く進んでいるようです。

    羅臼湖歩道はぬかるみが多く、水たまりを避けて歩道から外れると周辺の植生を痛めてしまうため、植生保護の観点から長靴の着用をお願いしています。
    綺麗な羅臼湖がいつまでも見られるように、皆様のご協力をお願いいたします。

    お問合せ先

    計画保全部 計画課
    ダイヤルイン:050-3160-6283