知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信(2022)

令和4年9月29日(木曜日) 観音岩の巡視
1ヶ月ぶりの観音岩の巡視は前回に比べて肌寒くなり、海岸沿いを覆っていたオオイタドリの葉は枯れ落ちていました。すっかり秋の気配です。

利用状況を把握するための巡視ではありますが、今日は私たち以外の人とは会いませんでした。
川を覗くと、産卵を終え死んでいるサケ・マス類を見かけました。

海で大きくなったサケ・マス類が産卵のために川に上ると、今度は他の動物たちの餌となり、また大地に栄養を運んでいくこととなります。
このような命のサイクルの一場面を見ることが出来るのも、知床の魅力なのだなと感じました。
キアゲハの幼虫がたくさんいましたが、中には黒い部分の多い個体もいました。
どうして色が違うのでしょうか?気になります。

令和4年9月24日(土曜日) 第3回ドングリ回収
9月10日から始まったミズナラ結実調査は今回で3週目となりました。今日もイダシュベツと岩尾別の森に設置された75個全てのシードトラップを巡っていきます。

調査地の森に到着すると、目を疑うような光景があちこちで広がっていました。
なんと!ほとんどのシードトラップの横棒部分が湾曲しているのです。
ヒグマやエゾシカ等の大型動物に乗られてしまったのではないのかと思われます。

このような状況になると、シードトラップの中のドングリが心配になってきます。
恐る恐る覗いて見ると・・・
網の部分は無事の様で、ドングリも少し入っていました。
気を取り直し、ドングリをきちんと回収し曲がった部分を修復した上で『来週まで無事でありますように・・』と念を込めながらシードトラップを再設置します。

難を逃れたシードトラップの方はたくさんのドングリが入っていました。
今日の回収ではイダシュベツ地区で20個、岩尾別地区では2個のシードトラップの横棒部分が湾曲してしまっていて、回収よりも修復にずいぶんと時間がかかってしまいました。

そして、本日の調査結果はイダシュベツ地区で541個(先週は418個)、岩尾別地区では1148個(先週は562個)、合計1689個のドングリが回収され、総重量は5.1キロでした。
今年のドングリは一粒一粒がとても大きく、今後が楽しみです。
令和4年9月18日(日曜日) 羅臼湖巡視
この日は羅臼湖へ先月の草刈作業の経過確認をメインに巡視を行いました。気温も20℃を下回り過ごしやすくなってきた秋の知床ですが、羅臼湖もついに紅葉が始まるシーズンとなりました。

二の沼の草が黄色くなった様子からも秋を感じることが出来ます。
次の三の沼は正面に見える羅臼岳が風の弱い日には逆さに映るスポットとしても人気です。
この日は運良く綺麗に羅臼岳が映っていました。

徐々に雲が多くなり羅臼湖に到着する頃には曇りとなっていました。

道中には色付き始めた木も見られました。

草刈後の歩道は大きな問題も無く安心しました。
羅臼湖の後は目梨望遙台も巡視しました。
こちらではあっという間に雲に包まれていく羅臼湖・知床峠の様子を見ることが出来ました。
天候が急変しやすいこれからの季節は防寒着を携帯されることをおすすめいたします。

羅臼湖巡視の際は知床峠から片道約3キロメートルの道中ゴミ拾いをしていますが、この日は驚くようなゴミが道路上にありました。

なんと、しゃもじと巻きす!?何故このような物が道路上にあるのか・・・・・
ヒグマを誘引する可能性があるため回収しました。
一人一人の気持ちの積み重ねが綺麗な知床を作っています。
気温も下がってまいりましたがGSSも紅葉ハイシーズンに向け引き続き業務に励んでいきます。
令和4年9月10日(土曜日) 第1回どんぐり回収日
少しずつ涼しくなってきた知床では秋の調査の季節となり、今年もいよいよミズナラ堅果結実調査が始まりました。本日はその1回目の回収日です。
先週のシードトラップ設置後、台風からの温帯低気圧が北海道の日本海側を通過しており、知床半島は一晩中、強風が吹いていたので調査地の森の中がどうなっているものかと不安でいっぱいです。

調査木の樹冠の下には3つのシードトラップが設置してあります。
この調査木はイダシュベツ地区に10本、岩尾別地区に15本あり、総トラップ数は75個です。
3人で手分けしてトラップをまわり、ドングリの回収をしていきます。

シードトラップの中にはお目当てのドングリ以外にも頭上からの落下物がいろいろと入っています。
今日は大きな枝が入っていてびっくりしました。
この枝が落下した時に網が破けたりしていないかとチェックしましたが、今回は破損はなくホッとしました。
色々な物が入っているシードトラップですが、葉っぱや枝等は除去し、ドングリのみを回収していきます。

岩尾別地区では1つのシードトラップの横棒部分が4本すべて大きく曲げられていました。
この横棒は鉄製でかなりの力をかけないと曲げることができません。
ヒグマかエゾシカなどの大型動物による仕業かと思われます。
曲げられたトラップはこの場で修正し、再設置しました。

今回の回収ではイダシュベツ地区662個、岩尾別地区884個、合計1546個のドングリを回収することが出来ました。
(昨年はイダシュベツ地区23個、岩尾別地区223個、合計249個)
今日の回収では1つ1つが既に大きくなったドングリばかりでした。
また、茶色のドングリは少なくまだ緑色のドングリが多く目につきました。
これは回収前の嵐による影響が大きいと思われます。
来週以降、どの様な結果になっていくのか楽しみです。

令和4年9月5日(月曜日) ポンホロ沼・フレペの滝巡視
今日はポンホロ沼・フレペの滝の巡視を行いました。ポンホロ沼では綺麗なハッカが咲いていました。
心なしか爽やかな香りがする気がします。

そしてかわいいタマゴのようなものが土から顔を出しておりました。
テングタケの仲間のようですが、膜から出てくるキノコは赤色なのかそれとも別の色なのか気になります。

フレペの滝巡視では、セリ科植物にキアゲハの幼虫がいました。
近くで見るとハイカラな色をしていてかわいいです。

フレペの滝は地中に浸透した地下水が流れているため、地上に川があるわけではないのが不思議ですね。

帰り道はエゾシカに通せんぼをされてしまいました。

令和4年9月2日(金曜日) ミズナラ堅果結実調査のトラップ設置
この日は8月に下見を行った場所でミズナラ堅果結実調査を開始するため、シードトラップを背負って現地へ向かいました。
まず始めに岩尾別へ設置しました。
このミズナラ結実調査は今年で35年目となる息の長い調査です。
下見の時にチェックしてはいますが、今回も設置箇所に不具合等が無いか改めて確認を行いながら作業を行いました。

無事トラップを設置することが出来ました。

続いてイダシュベツへ移動します。
こちらでも先程同様に異常が無いかしっかりと確認しながらシードトラップを設置しました。

今年は豊作年となるのか、今後の結果が楽しみです。
お問合せ先
計画保全部 計画課
ダイヤルイン:050-3160-6283