知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信(2022)

令和4年6月27日(月曜日) 羅臼湖三の沼展望台設置
今日は三の沼に冬ごもりをしていた展望台の設置を行いました。
三の沼は羅臼湖への途中にあります。
歩道にはぬかるんだ箇所があり、歩道を逸れて歩いてしまうと植生を破壊することになるため、ここでは長靴が必要です。
展望台は各パーツを組みあわせて設置していくのですが、組み立てる順番やボルトを締める順番があり、一筋縄ではいきません。
作業をしていると不思議なものを見つけました。
スーパーの半額のシールです。
他にも菓子パンのシールやキャラクターのシール等が貼ってありました。
公共施設にゴミを張らないでください。
3時間ほどかけて無事展望台は完成しました。
三の沼へお越しの際は、是非登ってみてください。
天気が良ければ沼に映る羅臼岳を見ることができます。
令和4年6月26日(日曜日)カムイワッカ湯の滝、岩尾別防鹿柵、フレペの滝巡視
前日は強い南風が吹いており、新たな倒木の発生が懸念されたことから、一般利用者の多いエリアと防鹿柵の巡視を行いました。
カムイワッカ湯の滝では一の滝付近に新たな倒木を発見しました。
一般利用者が安全に通行できるようにするため、倒木を撤去しました。
また、この日の滝の温度は33度程度でした。
作業前
作業後
続いて岩尾別防鹿柵の巡視を行いました。
こちらでは熊が木に背中を擦りつけた“背こすり”といわれる痕跡を発見しました。
アカエゾマツに毛が付着していたため、DNA分析用に毛の採取を行いました。
アカエゾマツに付着している熊毛の様子
熊毛を採取している様子
その後も巡視していくと防鹿柵に大きめの枝が掛かっている箇所が新たに見られたため、高枝ノコギリで除去しました。
最後にフレペの滝の巡視を行いました。
こちらでは倒木等の異常は見受けられませんでしたが、熊の目撃情報があったためこの日はそのまま立入禁止となりました。
ヒグマがいるかもしれないということを常に忘れず、引き続き気を引き締めて巡視を行っていきます。
フレペの滝入口の様子
令和4年6月23日(木曜日)羅臼岳合同整備
本日は早朝より出勤し、環境省・羅臼山岳会と合同の羅臼岳歩道整備に参加しました。
観光シーズンが本格的に始まる前の、朝の国立公園内は静寂の中にありました。
現在の大沢の残雪状況です。
『大沢入口』の標柱は半分雪の中に埋まっていて、歩道も雪の下です。
雪渓の始まりは傾斜も緩やかで比較的歩きやすいのですが、途中からアイゼンが必要な位の斜度となります。
羅臼岳を目指す為には、しばらくアイゼン、ピッケル等の装備が必要です。
昨年の降雪は近年の中でも多い方でしたので、今年の大沢の雪渓歩きは距離も期間も長く楽しめそうです。
本日の作業現場、岩清水からお花畑エリアと羅臼平からお花畑エリアにかけては大雪渓となっており、実際のルートが全く分からない状況となっているため、進行方行の道しるべとして雪渓上にロープを這わせるように設置しました。
このロープは進行方向を示す目印であり、登坂をサポートする為の物ではありませんので通行の際はロープを掴んだり引っ張ったりしないようお願いします。
お花畑エリアでの作業終了後は羅臼町側に下ります。
屏風岩上の雪渓では親離れしたばかりと思われる小型のヒグマがこちらを気にしながら雪渓を横切っていきました。
屏風岩の状況です。
ここも歩道が全て雪の中に埋もれており、写真では伝わりにくいですが、かなりの急斜面の大雪渓でした。
大沢の雪渓と同様にアイゼン、ピッケルは必須です。
また、ここは羅臼町側ルートの中でも下山時に迷いやすい場所であり、過去には道迷いによる遭難事故があった場所でもあるため、誤ってサシルイの沢に降りてしまわないよう、迷い込み防止のロープを張り、ルート誘導のピンクテープを取り付けました。
次の作業地にむけ、霧の中を下っていきます。
第一の壁から木隠れの滝の間では笹刈を行いました。
この作業は笹が成長する7月から8月にかけても継続して行っていきます。
標高の高いところではウトロ側でも羅臼側でもチシマザクラが満開となっていました。
そして、今日たくさんの花を咲かせていたのはキバナシャクナゲでした。
薄い黄色の花がびっしりと咲き誇る姿は圧巻でした。
令和4年6月19日(日曜日)羅臼岳(羅臼側)入林箱設置
今回は羅臼岳の羅臼側登山口に入林箱の設置を行いました。
積雪による破損を防ぐため、昨年の登山シーズン終わりに回収していた入林箱ですが、登山シーズンの始まりに合わせて入林箱も再び勤務開始です。
入林箱は大変重たいため一輪車(ねこ車)に乗せ運んでいきます。
歩道は石や枝が落ちていることもあるので、足下に気を配りながら慎重に運んでいきました。
入林箱を地面に設置してある杭にはめ込んでいきます。
杭が積雪で歪んでしまったのか、入林箱がなかなかはまりませんでしたが、なんとか設置することが出来ました。
入林箱の設置完了です!
入林の際は入林簿へのご記入をお願い致します。
皆様から記入していただいた情報は、歩道維持管理のために活用しています。
入林箱を設置した後は歩道にかかっている枯枝の除去や笹刈を行い、本日の作業は終了となりました。
令和4年6月18日(土曜日) 羅臼湖巡視
本日は今シーズン初の羅臼湖の巡視を行いました。
まずは知床横断道路脇に設置している『羅臼湖入口』の看板を取り付けました。
引き続き、入林箱の設置です。
入林の際は入林簿へのご記入をお願いします。
入林簿に記載された情報(個人情報は除く)は、利用人数等の集計後、今後の歩道維持管理に関しての貴重なデータとなり活用されています。
無事に看板等の設置が終わり、巡視の開始です。
歩道上にかかる枯れ枝や倒木等を除去しながら羅臼湖を目指します。
足元にはコケモモの花が咲いていました。
現在、羅臼湖へ向かう歩道は涸沢エリアだけに残雪が大量にあり、どこを歩いてよいのかわからない状況となっています。
また、残雪の下は沢となっているため、踏み抜きや道迷いにご注意ください。
進む方向がわからなくなった場合は引き返す決断も大事です。
羅臼湖に初めて行かれる方、残雪期に行ったことが無い方はガイドツアー等の利用をお勧めします。
今日の羅臼湖です。
正面にわずかに見える知西別岳の残雪はもう少しで無くなりそうです。
入林者は5組31名と沢山の方にお会いすることができました。
羅臼湖展望台ではエゾアカガエルによるカエルの合唱が盛大に行われており、巡視の疲れを癒してもらった気分になりました。
令和4年6月12日(日曜日) イチイの森・ウトロ東防鹿柵の巡視
今日はイチイの森の防鹿柵の巡視を行い、倒木や柵の破損状況をチェックしました。
防鹿柵の修繕中
防鹿柵の下に動物が掘って侵入した形跡があったため、周囲の倒木などで塞ぎました。
防鹿柵の機能を維持するためには日頃から見回りが欠かせません。
続けてウトロ東の防鹿柵の巡視を行いました。
こちらの防鹿柵では一か所、柵際の樹木の根が傾斜によりめくれ上がって破損している箇所がありました。
ネットで隙間を塞ぎ、動物の侵入を防ぐ処置をしました。
ネットで隙間を塞ぎ
ウトロ東の防鹿柵ではクマの糞を発見したため、採取キットを使用し慎重に検体を採取しました。
これらで採取した検体からクマの個体の特定などが行われています。
これもGSSの大切な業務の一環です。
令和4年6月11日(土曜日) カムイワッカ湯の滝巡視
知床GSSが今年度も活動開始しました。
今年も3名体制で知床半島の国有林パトロールを行います。よろしくお願いします。
今日はカムイワッカ湯の滝の巡視を行いました。
カムイワッカ湯の滝の入口付近に一見登れてしまいそうな箇所があります。
しかし、そこはとても滑りやすくなっており、転倒などのリスクがあるため危険です。
誤って侵入しないように、立入禁止テープを張りました。
立入禁止テープ張り
滝を登っていくと枯木が滝側に倒れていました。
積雪や強風で倒れてしまったのでしょうか?利用者が安全に通行できるよう除去しました。
除去前
除去後
湯の滝の入口と一の滝上流で水温を図ってみると、一の滝上流の方が1℃ほど水温が高くなっていました。
温泉が湧き出ている滝ならではだと思います。
計測中
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