知床半島発!ウトロ・羅臼GSS通信(2021)

令和3年10月29日(金曜日) 第8回ミズナラ結実調査ドングリ回収
9月上旬から始まったミズナラ結実調査は今回が最終回となりました。
今日は、どのシードトラップの中を見ても落ち葉がいっぱいで、肝心のドングリは全くありません。
新たに収穫できるドングリが全くない中、岩尾別地区のシードトラップは半分近くが横棒を曲げられる被害にあっていました。
本日、回収できたドングリは岩尾別地区、イダシュベツ地区の両方で1つもありませんでした。
今年、9月3日にシードトラップを設置し、毎週回収してきたドングリはイダシュベツ地区で487個、岩尾別地区では3773個、総数4260個、総重量約11キロという結果となりました。
今年はイダシュベツ地区のドングリ回収数が昨年より少なく(836個→487個)、その逆に岩尾別地区では多くなる(84個→3773個)結果となり、イダシュベツ地区と岩尾別地区で収穫数に逆転が見られる面白い結果となりました。
令和3年10月24日(日曜日) 羅臼湖三の沼展望台の撤去
毎年積雪前の冬支度として行っている羅臼湖の三の沼にある展望台の撤去作業を行いました。
まず展望台を固定しているボルトを緩め、天板を取り外していきます。固着したボルトがいくつかあり、手の届きにくい箇所もあるので多少手間のかかる作業です。
続いて階段部分や骨組を外していきます。
ボルトやナット等の小さな部品は油断して網目の隙間から落としてしまうと土台の下に入って回収しづらくなってしまうので、物を落下させない様に慎重に作業を行います。
展望台周辺に張ってあったロープと鉄杭も積雪の影響で曲がることがあるので、展望台と共に撤収していきます。
歩道上にある看板も積雪に備えて取り外しておきます。
本日の三の沼から見た羅臼岳です。
前日が冷え込んだため山腹まですっかり雪化粧となり、水面にまで白く反射する姿が冬の訪れをひしひしと感じさせてくれます。
令和3年10月22日(金曜日) 第7回ミズナラ結実調査
斜里町と羅臼町を結ぶ知床横断道路は天候状況によって閉鎖になる日が続いています。
今日は朝から雨のため、前日の夕方5時からの閉鎖が続いていました。
今日は今年7回目となったミズナラ結実調査のためのドングリ回収日です。
調査地の森は落ち葉が目立ち、明るい森に変化してきました。
そして、何よりも目立っていたのは新たなヒグマの糞が6個もあったのです。
しかも、当てつけのようにシードトラップ横にあった大きな糞の内容物は100%ドングリでした。
これはヒグマからのメッセージでしょうか?なにか挑戦的なものを感じます。
色鮮やかな赤いフンもありました。
これはイチイの実を食べたフンだと思われます。
ヒグマのフンは食べたものがあまり消化されずにフンになっているのが特徴です。
今週のシードトラップの破壊状況です。
今日もたくさんのシードトラップが曲げられていました。
こちらが通常のシードトラップです。
網を通している横棒部分がまっすぐです。
曲げられてしまったシードトラップはその場で手直しし、再度設置します。
今年はドングリ回収よりもこの作業の方に手間取っています。
そして、第7回目の堅果回収個数はイダシュベツ地区で3個、岩尾別地区では9個で合計12個でした。
少し寂しい結果ですが、この調査もいよいよ終盤です。
令和3年10月21日(木曜日) 羅臼湖・羅臼岳羅臼側入林箱回収
最近は知床横断道路が雪や凍結で通行止めになる日もありますが、21日は規制が解除されていたので羅臼湖入口の看板・入林箱と羅臼岳羅臼側登山口の入林箱を回収しました。
生憎の雨模様でしたが、降雨のため路面は凍結しておらず本格的な積雪シーズンを前に回収作業を行うことができました。
回収された看板と入林箱は羅臼森林事務所で来季まで保管されます。
今年の入林箱設置から回収までに、羅臼湖入口の入林簿に記載のあった利用者は、計1,086名でした。
続いて羅臼岳羅臼側登山口の入林箱も撤収しました。
羅臼側登山口の入林簿に記載のあった利用者は、125組165名です。岩尾別側からの利用者数と比較すると4%程度と、羅臼側からの利用者はかなり少ない状況です。
また、岩尾別側よりも少人数(単独、もしくは二人)での利用が多い印象があります。
令和3年10月17日(日曜日) 知床国立公園クリーン事業
本日は斜里町と環境省ウトロ自然保護官事務所が主催する知床国立公園クリーン事業に参加し、ルシャ地区の海岸清掃を行いました。
この活動は『知床をきれいにし隊!』の地元住民ボランティアの皆さんを中心に約50名が参加しました。
雨がぱらつき、大荒れの海をバックにゴミ拾いが始まりました。
清掃活動では漁具や大型の粗大ゴミ等は対象外とし、ペットボトルなどの一般ゴミを中心に集めていきます。
時折、『なぜ、こんな物が!?』という回収できないゴミを見かけます。
今日の大物はガスボンベがゴロンと横たわっていました。
流木とゴミの隙間から外来種のアメリカオニアザミがたくましく伸びているのが目に付きました。
来年にでも花を咲かせそうな株です。
GSSとしては見過ごせない光景ですが、今日は外来種駆除ではなく清掃活動が目的です。
とりあえず、このアメリカオニアザミは引っこ抜かれずにすんだようです。
清掃活動の現場から見えた景色です。
知床岳の裾野が雪化粧となっていました。
今日は知床横断道路が積雪のため、今シーズン初の通行止めとなりました。
冬はもう目の前に来ているような気がします。
令和3年10月15日(金曜日) 第6回ミズナラ結実調査ドングリ回収
9月から開始したミズナラ結実調査は早くも1ヶ月が経過しました。
調査地の森はすっかり秋模様となり、林床を覆うツタウルシの紅葉がとても綺麗でした。
毎回、動物によるシードトラップの被害に悩まされていましたが、ドングリ回収のピークを過ぎた5回目の回収以降は大きく壊されることはほぼなくなりました。
本日の収穫はイダシュベツ地区4個、岩尾別地区55個、合計59個のドングリを回収しました。
イダシュベツ地区では先週からほとんどの調査木でドングリが落ちていません。
この今年のドングリは全体的に少ない印象です。
ミズナラ結実調査はドングリが落ちなくなるまでまだ続きます。
令和3年10月14日(木曜日)観音岩巡視
秋晴れの空の下、今日は羅臼町の観音岩方面の巡視を行いました。
相泊から歩き始めて最初にあるカモイウンベ川の橋は現在も無い状態のままなので、大きな石をつたって川を渡りました。
10月にも入ると花の姿はぐっと少なくなりますが、エゾオグルマの花が所々で元気よく咲いていました。
海岸沿いでよく見られるウミウやカワウの姿が少なくなってきました。
鵜の仲間は渡り鳥なので夏は繁殖のために北海道へ飛来し、冬は本州の方へ南下するそうです。
夏を北海道で過ごす鳥にとっては渡りの季節のようで、ツバメの姿はすっかり見なくなりました。
お煎餅の様にカリカリになった昆布が落ちていました。
令和3年10月12日(火曜日)カムイワッカ湯の滝
知床のカムイワッカ湯の滝は10月4日から道道93号線が工事のため通行止となり、現在は行くことができません。
今年度は10月3日をもちましてカムイワッカ湯の滝、および硫黄山登山口の利用は終了となっています。
現地では落石防止の工事が広範囲にわたり行われていました。(特別に許可を得て通行しました。)
誰もいないひっそりとした1の滝です。
低標高の海に近いエリアにも紅葉が迫ってきていました。
植生保護と安全のためにカムイワッカ湯の滝内に設置した立ち入り禁止テープの回収を行いました。
一足早い冬支度です。
令和3年10月7日(木曜日) 羅臼岳初冠雪
本日の巡視中、稜線越しに見えた羅臼岳の山頂部分が白くなっていました。
今年の羅臼岳初冠雪です。
拡大図
昨年は10月16日が初冠雪でしたので、去年より9日早い初冠雪となりました。
ちなみにこの雪は午後になって日が差してくるといつの間にか無くなっていました。
ここ最近、知床の朝晩はかなり冷え込み、紅葉も麓まで色づきはじめています。
北海道の短い秋が早足で駆け抜けていきそうです。
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